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コロナ禍で急増?賃貸物件の騒音トラブル事例と対処法

新型コロナウイルス感染拡大により、企業のテレワーク導入で在宅勤務が増えています。緊急事態宣言に伴い、自宅にいる時間も長くなった今、賃貸物件で騒音トラブルが急増しています。騒音問題を放置すると借主が退去する可能性もあり、オーナーさんにとっても空室問題が生じます。そこで今回は、騒音トラブル事例と対処法などを解説します。

よくある騒音トラブルの種類

マンションやアパートなどの共同住宅では、騒音トラブルが多く発生しています。ここでは、騒音トラブルの種類を解説します。

足音

上の階や隣の床を歩く足音がトラブルの原因になることがあります。天井や床の防音対策は難しく、さらにかかとで歩くと響きやすくなります。足音の騒音は本人が気づきにくく、管理会社や大家さんからの注意を受けることで気づくケースが多いです。

扉や窓の開閉音

ドアや窓、網戸を開け閉めをするときに大きな音をたてる人がいます。自覚がない人も多く、早朝や深夜に開閉する場合は注意が必要です。

洗濯機や掃除機の音

時間帯によりますが、早朝や深夜の洗濯や掃除機を使用する音は、トラブルの原因となる騒音です。ところが、お仕事の勤務状況によってどうしても早朝や深夜に行う人もいるので苦情が多くなっているのが現状です。

ペットの鳴き声

ペット可物件で苦情が多いのが鳴き声に関するトラブル。S造やRC造など、物件の構造によって響きやすくなっている場合もあります。

楽器の演奏

ピアノやサックス、トランペット、ギターなどの楽器演奏も騒音の原因となります。物件によっては、楽器の演奏が認められていないケースもあります。したがって、契約違反を繰り返すと信頼関係が破綻しているとみなされ、場合によっては契約解除を求められる可能性もあります。

夜に騒ぐ

深夜に友人同士で騒ぐことは、隣人や下階に迷惑がかかります。うるさくて眠れないことがストレスとなり、入居者同士のトラブルに発展する場合があります。

自動車やバイクの騒音

自動車やバイクの空ぶかしは、騒音トラブルの原因になります。また、1階の住人に対しては、排出ガスが充満するなどの迷惑がかかってしまいます。

騒音トラブルの対処法

騒音トラブルは、入居者同士で解決せず第三者に相談することで解決につながるケースもあります。ここでは、騒音トラブルの対処法を紹介します。

大家さんや管理会社に連絡する

入居者同士で解決しようとせず、まずは大家さんや管理会社に連絡をして、対応を任せましょう。対応策としては、匿名で騒音に関する注意喚起を行います。全世帯にポスティングや張り紙をしてもらう、または直接電話で改善を求めるなどです。

弁護士等に依頼する

管理会社が注意喚起を行っても解決しない場合は、法律の専門家である弁護士等に依頼するのもひとつの方法です。各自治体では、法律家による無料相談を開催しているところもあります。改善されない場合は、騒音トラブルについて相談してみましょう。

警察に通報する

管理会社が注意しても改善されない場合も多くあります。長時間にわたり騒音が続くときは、警察に通報することも考えられます。一般的には、誰が通報したのかを騒音主に伝えることはありません。
また、通報するかどうか迷っているときは「警察相談専用電話(#9110)」を利用してみるのもひとつです。事件に発展していないケースで通報して良いのか迷ってるときに「警察相談専用電話」を利用してみましょう。

自分でできる騒音対策

最上階に住む

最上階では、上階からの音がないのである程度の騒音トラブルを回避することができます。

最低限の防音対策を行う

ファミリー層では、あらかじめ防音カーテンや防音マットを用意しておくことで足音などの振動を軽減させることができます。

騒音に関する法的規制はあるのか?

騒音に関する法的規制は「騒音規制法」で定められています。しかし、工場・事業場、建設作業、自動車などが対象で生活騒音は対象となっていません。生活騒音は、法律や条例で規制されていないのでしょうか?ここでは、生活騒音の法的規制について解説します。

各自治体の条例

東京都では、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)第136条で日常生活の騒音の規制基準が定められています。(別表第13 日常生活等に適用する規制基準「条例第136条関係」)

大阪府では、大阪府生活環境の保全等に関する条例第102条により「府民は、日常生活に伴って発生する騒音により周辺の生活環境を損なうことのないよう配慮しなければならない。」との規定があります。

ただし、こうした条例は罰則がない場合がほとんどです。

軽犯罪法

軽犯罪法第1条14号では「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」は、拘留又は科料に処すると規定されています。

環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件

環境庁のホームページによると、住宅地では、昼間の騒音55デシベル以下、夜間の騒音45デシベル以下とされています。

地域の類型 昼間 夜間
専ら住居の用に供される地域または主として住居の用に供される地域 55デシベル以下 45デシベル以下
相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域 60デシベル以下 50デシベル以下

出典:環境庁ホームページ

音の大きさはデシベル(dB)という単位で表示されます。

騒音トラブルの法的責任

民事責任

不法行為による損害賠償請求

騒音が原因となり不眠症やうつ病などを発症した場合は、騒音の加害者に対して不法行為(民法第709条)による損害賠償を請求できる可能性もあります。
騒音で損害賠償請求が認められるためには「受忍限度」を超えているかどうかがポイントとなります。
受忍限度とは、社会生活上で耐え難い騒音であるかどうかの基準を示すものです。騒音の発生や周囲の状況など、さまざまな観点から総合的に判断されます。

刑事責任

過去に傷害罪が適用された事件

奈良騒音傷害事件では、約2年半の間に騒音を出し続けた結果、隣家の住人に対し慢性頭痛症,睡眠障害,耳鳴り症に陥らせた行為が傷害にあたるとされた事件がありました。

まとめ

不動産の入口本記事では、賃貸物件の騒音トラブル事例と対処法を詳しく解説しました。コロナ禍で騒音トラブルも増えつつあるので、深刻化する前に管理会社や弁護士等に早めに相談することが大切です。マンションやアパートなどの共同住宅では、お互いがルールやマナーを意識しましょう。

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