個性的でデザイン性の高い物件といえば「コンクリート打ち放し物件」。
一度は住んでみたいと思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、コンクリート打ち放し物件にはメリット・デメリットがあります。
「コンクリート打ち放し物件」はコンクリートの壁がむき出しになっている状態の物件を指します。
壁の塗装はされておらず、タイルや型紙もありません。
本来はむき出しにならないようコンクリートを覆って建てるのが一般的ですが、建物に使用する枠型を外した状態で仕上げた物件がコンクリート打ち放し物件なのです。
主に鉄筋コンクリート造（RC造）、鉄骨鉄筋コンクリート造（SRC造）の建物など、特定の構造のみがコンクリート打ち放し物件に適しています。
最近ではデザイナーズ物件に取り入れられているケースもめずらしくありません。
そのため単にむき出しになっているわけではなく、スタイリッシュで高級感のある外観であることも多いです。
コンクリート打ち放し物件の最大のメリットは、デザイン性が高いことでしょう。
友人を家に招待したり、パーティーをしたり、「おしゃれな建物に住んでいる」と嬉しい気持ちになれるので、ステータス性の高い物件と捉えられます。
通常壁の強度が不十分な場合は、柱が多く必要になります。
しかし頑丈なコンクリートで建てられている建物ならば強度が高く柱が不要になるため、広い空間を確保できるのです。
石膏ボードなどを使用しない分、広い空間で開放感を味わうことができます。
コンクリートは密度が高いため、音を通しにくいといった特徴があります。
コンクリート打ち放し物件も同様に、外部の騒音や隣人の話し声・生活音なども聞こえにくいメリットがあるのです。
ただし物件によっては隣の住戸との間にある「戸境壁」が薄いケースも珍しくありません。
その場合は防音効果が低い可能性もあります。
また、上階からの足音や物を落とす音などは発生するため、必ずしもすべての音を遮断するわけではなく、あくまで”防音効果が高い”物件であることにご注意ください。
コンクリートは不燃材料なので、建物の耐火性が高いことも大きな特徴です。
木造よりも火災のリスクが低く、火災が発生したとしても被害を最小限に抑えられる可能性が高いです。
住宅密集地ではもらい火による被害が心配されますが、耐火性の高い物件に住んでいれば被害を小さくすることができます。
また、耐火性の高い物件は火災保険料が安くなるというメリットもあります。
冬は外と室内の気温差が大きくなるため、結露が発生しやすい環境になります。
カビは健康面で悪影響を及ぼす上に、退去時の原状回復費用が多くかかる可能性も否定できません。
コンクリートは水分が含まれており、吸水性も高いため、結露によるカビが発生しやすい傾向にあります。
なおコンクリートの水分が抜けるまでは数年かかると言われており、実は新築物件の方がカビは発生しやすいのです。
コンクリート打ち放しにするには高い技術が必要となり、その分家賃も高くなる傾向にあります。
外気の影響を受けやすいため、夏は暑く、冬は寒くなる傾向にあります。
また、冷房や暖房が効きにくいといった特徴もあるのです。
コンクリート打ち放し物件の中でもさらに窓が大きい場合は特に注意が必要です。
一般的な木造住宅と比較すると、建物価格が1.5倍程度高くなる傾向にあります。
デザインの自由度も高いため、築浅物件は毎月の家賃も高くなります。
デザイン性が高く、工期は半年以上かかることも珍しくありません。
建築する際は、コンクリートの特性に関する専門的な知識が必要になるため、経験豊富な業者を選ぶことが大切です。
コンクリートの壁がむき出しになっている状態が「コンクリート打ち放し物件」です。
広い空間を確保できたり防音性や耐火性が高いメリットがある反面、結露やカビの発生、家賃が高くなるなどのデメリットもあります。
見た目はスタイリッシュでおしゃれな物件ですが、メリット・デメリットは十分比較しましょう。
コンクリート打ち放し物件を建てる際は業者の実績・費用などをチェックし、借りる際は実際に現地に足を運ぶ、断熱材の有無の確認など、細かいところまでしっかり見ておくことが大切です。
