アパートやマンションを建てる際は、建築基準法や都市計画法などの規制があります。
新しいマンションを建てる場所でも、法律の規制により、建てられないケースもあるのです。
また、老朽化したアパートやマンションは、いずれ建て替えが必要になります。
そこで今回は、不動産オーナーとして最低限知っておくべき規制などを解説します。
建築基準法では、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低限のルールが規定されています。
アパートやマンションは、集合住宅と呼ばれてることがありますが、建築基準法上は「共同住宅」に分類されるのです。
また、一般の建築物よりも制限が多い「特殊建築物」にも該当します。
建築基準法には「寄宿舎」や「長屋」といった分類も規定されています。
寄宿舎とは、事業者が設置するキッチンやトイレ、浴室などが共用で寝室のみが個別にある建物です。
主に事務所や病院、工場等で利用されます。
長屋とは、廊下や階段、エントランス等を共有しない複数の住戸です。
直接出入りができる集合住宅を指し、主にタウンハウスやテラスハウスが該当します。
したがって、寄宿舎と長屋は、共同住宅とは異なります。
建物を建てる際、建築基準法に適合しているかどうか確認を受けることを「建築確認」と言います。
アパートやマンションは、建築確認申請が必要です。
共同住宅は、建築基準法で「特殊建築物」に該当します。
そのため、特殊建築物の用途に供する部分の床面積が200㎡を超えるものは、建築確認申請が必要となります。
建築確認申請は、建築主事のいる役所または指定確認検査機関に確認申請書を提出して行います。
建築主(発注者)には確認申請の義務があり、設計者が代理で確認申請を行う場合もあります。
居室の壁や天井の仕上げは、難燃材料を使用する必要があります。
3階以上に居室がある場合は、準不燃材料を使用しなければなりません。
ただし、1.2m以下の「腰壁」は免除されます。
壁や天井の仕上げは準不燃材料を使用する必要があります。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。
日照や通風、防火、避難等の確保に設けられています。
容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合です。
人口をコントロールするために必要な制限として設けられています。
建ぺい率と容積率は、都市計画法上の用途地域ごとに制限が異なります。
3階以上の建物は、耐火建築物または準耐火建築物としなければなりません。
耐火建築物とは、以下の基準を満たす必要があります。
2階の床面積の合計が300㎡ル以上ある場合は、特定避難時間倒壊等防止建築物にする必要があります。
また、木造3階建てアパートの場合は、建築基準法上の「木造3階建て共同住宅」として、特別な規定があります。
防火地域は、都市計画で定められた地域の一つです。
建物の密集度が高い市街地において火災が発生した場合、火災の延焼を防止するために設けられたエリアを指します。
準防火地域も都市計画で定められた地域の一つです。
火災の危険を防ぐために防火地域の外側の広範囲にわたって設けられたエリアです。
防火地域は、地階を含む階数が3以上または延床面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、それ以外の建物は耐火建築物または準耐火建築物としなければなりません。
準防火地域内においては、地階を除く階数が4以上の建築物または延床面積が1,500㎡を超える建築物は、準耐火建築物としなければなりません。
接道義務とは、原則として幅員が4m以上の道路に間口が2m以上接していなければならないという建築基準法上のルールです。