コミュニティづくりも!団地の将来的価値について解説

2021.11.18

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高齢化の進行や居住者の減少などにより「団地」の課題が各地で浮き彫りになっています。
団地といえば、昔の集合住宅というイメージが強いですが、今後の​​将来的価値や進化についてどのような取り組みがされているのでしょうか。

ここでは、団地の抱える3つの問題点や「団地再生」の今後について解説します。

団地の抱える3つの問題点

高度成長期の象徴といえる「団地」ですが、近年は建物の老朽化や入居者の高齢化、空き住戸の増加など、さまざまな課題を抱えています。

建物の老朽化

建物の老朽化が深刻化しています。しかし、建て替えや改修が進まない理由として現行法の規定にあると考えられます。
「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」では、団地の建て替え決議について定められています。

全棟を一括して建替える場合は、団地内の区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成および各棟の区分所有者と議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
一部の棟を建替える場合は、建替える棟の区分所有者および議決権の5分の4以上の賛成と団地全体の議決権の4分の3以上の承認の決議で成立

一方、老朽化した団地は、空室が増え、修繕のための資金確保が難しくなります。
このように決議要件が厳しいことや入居者の経済事情などで、建て替えが進まないところが多いのが現状です。

入居者の高齢化

2019年5月に発表された国土交通省「住宅団地の再生のあり方に関する検討について」では、 244市区町村のうち69.7%が高齢者が多いとされています。
その理由として、入居開始から40年経過を境に高齢化率が急上昇していることが挙げられます。

住宅団地は、高度成長期を中心に大量供給され、 入居開始から40年以上経過した住宅団地が約3割あることが国土交通省住宅局調査でわかっています。

(参考:国土交通省「2019年住宅団地の再生のあり方に関する検討について」

空き住戸の増加

2019年に公表された国土交通省「全国の住宅団地リスト」によると、住宅団地は、全国に 2,886ヵ所、約19.2万haとなっています。
その一方で、空き住戸の増加。

自治会の衰退やコミュニティの弱体化も懸念されており、その改善が求められています。

リノベーションによる再開発が活発化

課題を抱える「団地」ですが、近年、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)との連携で団地の再開発が活発化しつつあります。

​​株式会社MUJI  HOUSE×UR都市機構「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」

たとえば、無印良品の住空間事業部門である株式会社MUJI  HOUSEと独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が2012年関西において「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」を開始、2015年から全国展開しています。

このプロジェクトでは、​​老朽化が進む団地を再生し、無印良品ならではのスタイリッシュでおしゃれな団地を作り上げています。

最近では、団地の外観や共用部も無印良品のテイストでリノベーションしていくプロジェクト「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」を発表しました。

(参考サイト:無印良品の家「住まいのコラム」

YADOKARI株式会社×UR都市機構「未来団地会議 鶴川団地プロジェクト」

部屋の間取りは2DK(48.2㎡)のフルリノベーションタイプ。
住人や地域の皆さんと共に新しい暮らし方やコミュニティについて考え、実践していくプロジェクトとして、団地の新たな魅力を発信しています。

「団地再生」の今後

近年、団地の老朽化や空き住戸の増加、高齢化に伴い「団地再生」に向けた取り組みが本格的に開始されつつあります。

「団地の未来プロジェクト」

団地の価値を上げ、未来の住まいと地域のあり方を創造する「団地の豊かな空間と集住価値の再発見」をコンセプトに2015年から「団地の未来プロジェクト」を開始しました。
このプロジェクトは、建築家の隈研吾氏とリエーティブディレクター佐藤可士和氏がタッグを組み、団地再生に取り組んでいます。

神奈川県・横浜市の洋光台団地は“郊外型ストック”再生のモデルエリアとして選定され、大規模リニューアルが行われました。

団地の集会所 OPEN RING(団地カフェ、団地のライブラリーなどが設置)や屋外広場・住棟ファサードのリニューアルなど、新たなコミュニティづくりの場の提供や地域活性化が期待されます。
(参考サイト:団地の未来「CONCEPT」

まとめ

建物の老朽化や高齢化など、さまざまな課題がある団地ですが、団地再生へ向けた取り組みが各地で活発化されています。
法律の規定により、建て替え等のハードルは高くなっていますが、リフォーム・リノベーションの可能な団地や時代のニーズに合った新しい団地の価値が求められています。

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