マンションに住んでいると起こりやすいのが入居者同士のトラブルです。
さまざまなトラブルがありますが騒音や異臭などが多い傾向にあります。
今回は異臭に特化して解説します。
近隣で悪臭・異臭が発生するのには、さまざまな原因が考えられます。
たとえば、隣の部屋からにんにくやキムチ、セロリなど、特定の食材を使用することにより発生する異臭です。
料理をしている本人が気づかないケースも少なくありません。
また、臭いの感じ方も人それぞれです。
しかし、神経質な方にとっては料理のニオイも気になることが多い傾向にあります。
その食材が好物であれば、定期的に同じ食材を使用して料理する可能性もあるので苦痛に感じる方も多いでしょう。
トイレ、キッチンなどの水回りから不快な臭いが発生する場合もあります。
汚物や水がたまっていることで発生しやすいです。
ただし、原因が特定できないケースもあります。
隣のベランダからタバコの煙が入ることで不快な思いをした経験はないでしょうか。
タバコの問題もトラブルが多発しているケースの1つです。
臭いの問題だけでなく、煙が原因となり、洗濯物に灰が落ちたりするケースも否定できません。
分譲の場合はマンション管理規約に「ベランダなどの共用部分で喫煙を禁止する」内容が明記されている場合もあります。
賃貸であれば、直接注意する方もいるかもしれません。
しかし、入居者同士となればトラブルに発展するケースが少なくありません。
まずは管理会社に連絡し、対応を求めることになるでしょう。
過去の裁判例では、ベランダ喫煙による受動喫煙で慰謝料5万円の支払いを命じられた事例や不法行為として認められた事例もあります。
ペットを飼っている部屋の前を通ると、特有の臭いを感じるケースもあります。
ペットを飼っている当事者は臭いに慣れているかもしれません。
しかし、飼っていない入居者からすると、少しの臭いでも不快に感じるのです。
コロナ禍により、換気をする回数も増加傾向にあるため、隣の部屋から糞尿などの臭いを感じるケースもあるでしょう。
隣の部屋から生ゴミのような臭いがする場合もあります。
ゴミの収集日まで部屋の中にため込んでるケースやゴミ置き場から異臭が発生するケースも少なくありません。
まずは大家さんや管理会社に連絡するのがよいでしょう。
部屋から臭いが発生している場合、直接改善を求めるとトラブルになる可能性があります。
マンションのオーナー(大家)には、物件の使用・収益させる義務が生じます。
使用・収益とは、賃借人が使用するのに適した状態にしておくという意味合いです。
つまり、異臭が発生していて入居者が困っている場合は、異臭トラブルに対応する義務が生じます。
管理会社によって対応が異なる場合も多いですが、一般的に張り紙などの注意喚起や原因を調査してもらえる可能性もあります。
管理会社によっては、希望通りの対応をしてくれるとは限りません。
各市区町村の生活課に相談するのも一つの方法です。
ただし、各市区町村の生活課も直接対応してもらえるかは自治体によっても異なります。
管理会社や各市区町村の生活課に相談しても解決できない場合は、弁護士に相談するのも方法の一つです。
分譲マンションでは、区分所有法の規定により「共同の利益に反する行為をしてはならない」と定められています。
そのため、異臭が発生した場合には、行為停止や予防措置、専有部分の引き渡しなどを行うことができます。
このような内容に関することも弁護士に相談するとよいでしょう。
マンションでは異臭トラブルの原因として、料理の臭いやペット、ゴミ、タバコなどがあります。
継続的に異臭がする場合には、管理会社や各自治体の窓口などに相談するとよいでしょう。
しかし、解決が困難な場合も少なくありません。
入居者同士のトラブルが深刻化する前に法律の専門家である弁護士に相談するのも一つの方法です。