限られた空間を有意義に使用できる狭小住宅ですが、なんとなく「狭すぎて住みにくい」「住宅設備が限られるのでは?」などと、マイナスのイメージをもたれている方も多いでしょう。
しかし、狭小住宅にはメリット・デメリットどちらの側面もあります。
狭い土地に建物を建築している住宅を指します。
一般的には、15坪~20坪(約50㎡~66㎡)程度の土地に建てらているものが「狭小住宅」と言われることが多いです。
しかし、法律上、明確に定義されているわけではありません。
東京や大阪などの大都市では、限られた土地の中で最大限に有効活用しなければなりません。
そのため、敷地ギリギリまで家が建てられている場合が多く、地下室が設けられたり、3階建てになっているケースもあるのです。
国土交通省「令和4年度 住宅経済関連データ」によると、一住戸あたりの延べ床面積のでは、東京都が65.90㎡で最も狭く、次いで沖縄県75.77㎡、大阪府76.98㎡、神奈川県78.24㎡、福岡県84.66㎡、京都府86.93㎡という結果となっています。
つまり、人口密集地では、住宅の延べ床面積が小さくなる傾向となっています。
地価は上昇傾向にあるため、狭小住宅の場合は土地の面積が小さく、固定資産税が安く抑えられます。
また、小規模住宅用地に該当するため、税金が安くなる傾向にあります。
一方、狭い住宅なので広い住宅と比較すると、光熱費も抑えられるのです。
たとえば、エアコンは狭い部屋ほど、効きやすくなります。
修繕が必要になった場合でも規模が小さく、コストカットできるのもメリットの一つです。
部屋がたくさんある住宅は掃除をするのも大変です。
しかし、狭小住宅で掃除をする際は必要最低限な場所であるため、短時間でかんたんにできます。
狭小住宅は都心部に建てられていることが多く、駅やバス停から近いケースもめずらしくありません。
商業施設やスーパー、コンビニエンスストアなど、利便性が高い場所に建てられてことが多いです。
狭小住宅は住宅面積が小さいです。
そのため、家具の置き場に困ることがあります。
たとえば、ソファなどを置くとそれだけで大半の場所をとってしまうこともあるのです。
ベッドとソファが一体になっているものは、折りたたみ収納ボックスを使用するなどの対策が必要です。
立地によっては、日当たり、風通しがよくない場合もあります。
駐車スペースの確保が難しいため、車を所有している方は狭小住宅に住むのは難しいかもしれません。
しかし、1階部分にビルトインガレージなどを導入されていれば、駐車スペースを確保できるでしょう。
狭小住宅によっては、一般の住宅よりも建築費が高くなる場合があります。
工事の際に重機が入らないため、人の手で運ぶ必要があります。
そのため、人件費などがかさみ、建築費が高くなるのです。
また、リフォームの際に足場を組みづらいケースもあり、余分な人件費がかかることも少なくありません。
部屋の中で生活動線が縦に長くなる傾向にあり、効率よく動けない住宅もあります。
洗濯機と洗濯物を干すベランダが別の階にあるということもめずらしくありません。
前述したとおり、車を置くスペースだけでなく、自転車の置き場に困る狭小住宅もあります。
中には玄関に自転車を置いている人もいるでしょう。
このように「狭小住宅」では、利便性が高く、税金も安くなどといったメリットがある反面、スペースの確保の問題や日当たり、風通しがよくないなどのデメリットも存在します。
それぞれのライフスタイルに応じた物件選びを心がけましょう。