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不動産オーナー向け…マンションの消防設備設置基準について解説

マンションでは、消防設備や避難器具の設置基準が定められています。
設置基準に従って消防設備が設置されていないと、消防法違反となり、措置命令や警告、行政代執行の対象になります。違反内容によっては懲役または罰金の刑に処せられるため、注意が必要です。

今回は、防火対象物や消防設備の設置基準について解説します。

防火対象物について

消防法6条には、防火対象物に「寄宿舎、下宿または共同住宅」と記載されています。
防火対象物とは、火災を予防するための主たる対象となるものです。

防火対象物には、用途や規模などに応じて消防用設備等の設置や防炎物品の使用などを義務付けています。
また、マンションの収容人員が50人以上の管理権原者は、防火管理者を設置し、防火管理者の業務をさせなければなりません。管理権原者は、通常、管理者・理事長が該当します。

防火管理者の業務は、防火対象について消防計画の作成、消火、通報および避難訓練の実施、火気の使用または取扱いに関する監督、避難または防火上必要な構造および設備の維持管理などがあります。

マンションの消防設備設置基準

消火器

アパートやマンションは、建物の延床面積150㎡以上で防火対象物から歩行距離20m以下(大型消化器は30m以下)の各階ごとに設置が義務付けられています。
地階・無窓階・3階以上については、床面積が50㎡以上で設置が必要です。

また、床面からの高さ1.5m以下に設置し、「消化器」と書かれた標識を見やすい位置に付ける必要があります。
一般的には、粉末消化器(ABC粉末)が多く使用されています。消火器の耐用年数は、業務用は約10年、住宅用は約5年です。

自動火災報知設備

建物内の人に火災を知らせる装置で、火災を自動的に感知する「感知器」や押しボタンでベルを鳴動させる「発信機」などがあります。
延べ面積500㎡以上のマンションに設置が義務付けられています。11階以上や無窓階・地階、床面積300㎡以上の3階以上にも設置しなければなりません。

なお、500㎡未満のマンションでも住宅用火災警報器等の設置は義務付けられています。

屋内消火栓設備

消火器では消火不可能な段階の消化を目的として、ホースやノズル等を利用して火を消す設備で、初期消火に有効な設備となっています。
屋内消火栓設備は、1号消火栓、易操作性1号消火栓、2号消火栓、広範囲型2号消火栓があります。

マンションでは、廊下や階段踊り場などに設置されている設備です。
延床面積が700㎡以上または地階、無窓階、4階以上の床面積が150㎡以上に設置が義務付けられています。

屋外消火栓設備

建物の屋外から1階および2階部分の火災の消火を目的とした設備です。器具格納式消火栓、地上式消火栓、地下式消火栓があります。
設置基準は、1階または1階および2階の部分の床面積が耐火建築物9000㎡、準耐火建築物6000㎡ 、その他の建築物3000㎡以上のものです。

スプリンクラー設備

火災の発生を自動的に感知・放水までを行う設備です。マンションでは11階以上に設置が義務付けられています。
ただし、設置が免除されている場合もあります。

マンションでは、閉鎖型湿式スプリンクラー設備が広く一般的に使用されています。

泡消火設備

泡による窒息作用と冷却作用により消火する設備です。自動消火システムで、自走式の駐車場や地下駐車場に設置されている場合が多いです。
1階の駐車場で床面積500㎡以上(地階および2階以上の階で200㎡以上、屋上で300㎡以上)、機械式駐車場で収容台数が10台以上等の条件で設置が義務付けられてります。

非常警報設備

押しボタンで火災を建物内の人たちに知らせる警報設備です。非常ベル、自動サイレン、放送設備などがあります。
収容人員50人以上(地階および無窓階は、収容人員20人以上)のマンションなどでは、非常ベル、自動サイレン、放送設備のいずれかを設置しなければなりません。

また、収容人員800人以上もしくは11階以上、地階の階数が3以上のマンションは、必ず放送設備を設置し、非常ベルまたは自動サイレンを併置する必要があります。
自動火災報知設備が設置されている場合は、設置不要となる場合があります。

避難設備

マンションでは、避難はしご、緩降機、すべり台、すべり棒、避難橋、避難用タラップ、救助袋、避難ロープ、などの避難器具の設置が必要です。

設置基準は、2階以上の階または地階で収容人員が30人以上などに設置が義務付けられています。
また、下階に店舗があるマンションや3階以上の階で避難階または地上に直通する階段が一の階では収容人員10人以上で設置が義務付けられます。

なお、誘導灯は、地階、無窓階、11階以上の階の部分に設置が必要です。

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