借地権とは?借地権の相続やトラブル、解決法について解説

2022.07.21

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借地上に建物が建っていた場合、 借地権者と地主とのトラブルが発生するケースが多くあります。
双方の関係性が悪化しないためにも借地権を正しく理解する必要があります。

そこで今回は、借地権の仕組みや相続、トラブル、解決方法について解説します。

借地権とは?

建物を所有するために土地を借りる権利のことです。
貸す人を借地権設定者、借りる人を借地権者と言います。

民法上の借地権は、主に地上権と土地貸借権に分けられます。
地上権とは、工作物や竹木などを所有するため、他人の土地を使用する権利です。

土地賃借権は、賃貸借契約にもとづき賃借人が土地を賃借する権利のことです。
建物の所有を目的としているため、青空駐車場や資材置き場などは、借地権の対象とはなりません。

借地借家法にもとづく借地権には、普通借地権と定期借地権があります。
普通借地権は、存続期間は30年以上で契約の更新が可能な借地権です。
30年未満の期間で設定しても30年となります。

定期借地権は、期間が定められた更新のない借地権です。
「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があります。

借地権の相続について

被相続人が亡くなり、借地権を相続する場合は賃借権の譲渡や転貸には当たらないため、地主の承諾は不要です。
土地の賃貸借契約書を名義書換する必要もありません。

一方、借地権の遺贈による相続は、地主の承諾と承諾料が必要です。
建物の所有権については相続人の名義に変更する必要があります。

相続した借地権は、地主の承諾があれば売却や譲渡なども可能です。
借地権は相続放棄することも可能で、相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出します。

ただし、借地権のみの相続放棄はできません。すべての遺産について放棄するものです。

よくある借地権のトラブル

契約書に記載のない更新料を請求される

借地権の存続期間は、普通借地権では存続期間30年以上で更新が可能です。
存続期間満了時に契約書に記載のない更新料を請求されたり、契約更新を拒否されたりするケースです。

​​借地契約で更新料の支払いが記載されていなければ、地主から更新料を請求されても支払う必要はありません。
更新料の支払いに合意していた場合や過去に更新料を支払ったことがある場合などは支払義務が生じます。

借地権が共有名義

相続人が複数いると、遺産分割協議を行っても意見がまとまらない場合があります。
共有名義の借地権は、第三者に譲渡する際、相続人全員の同意が必要です。
そのため、意見が一致しなければ、第三者に譲渡することができません。

たとえば、相続人の長男は借地上の建物を賃貸して家賃収入を得たいと考え、その一方で次男は、借地上の建物に住み続けたいなどと、意見が分かれるケースです。
また、借地権が共有名義の場合、一部の相続人が税金の負担分を支払わないケースもあるでしょう。

相続人が亡くなる

相続人が亡くなると、権利関係が複雑になります。
亡くなった相続人の子が相続人となるケースもあり、人数が増えると遺産分割協議がスムーズに進まないこともあるでしょう。

したがって、意見が噛み合わない場合は、不動産会社や弁護士に相談するのも一つの方法です。

立ち退きに関するトラブル

借地上の建物に住み続けていると、地主から立ち退きを要求される場合もあります。
例えば、他の用途に使用する場合や再開発を希望するといった場合です。

地主都合の立ち退き要求であれば、拒否することができます。
借地権の相続については、地主の承諾が不要なので、​​立ち退きに応じる必要がないためです。

しかし、地代を滞納していた場合など、借地権者の都合で立ち退き要求されていたなどの事情であれば、​​​​拒否することはできません。

借地権のトラブル解決

借地条件の変更で合意が得られない、借地上の建物を増改築したい場合や借地権を売却・転貸したいが地主の承諾が得られないなど、地主との関係が悪化した場合は、両者の話し合いでは解決が困難です。
このようなトラブルが発生した際に利用できる法的手続きとして「借地非訟」という制度があります。

借地非訟では、借地権者は裁判所に申し立てをし、裁判所が双方の事情を考慮しながら、地主の代わりに許可を与えるかどうか判断します。
借地非訟については、借地借家法と非訟事件手続法に規定されています。

借地非訟事件の類型借地条件の変更・増改築の許可申立・借地契約更新後の建物再築許可の申立・土地の賃借権譲渡・転貸の許可申立・競売・公売における賃借権譲渡の許可申立などがあります。

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