新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、首都圏新築マンション発売戸数の見通しが発表されました。
コロナ禍においても首都圏新築マンションの販売が好調で、価格の高騰が見られます。
なぜ新築マンションの価格が高騰しているのでしょうか。
今回は、首都圏新築マンション市場動向や価格高騰の理由について解説します。
不動産経済研究所の調査によると、2022年首都圏新築マンション発売戸数が21年比4.6%増の3万4,000戸になる見通しだと発表しました。
一方、近畿圏は2.2%増の1.85万戸と予測しています。
2021年の首都圏新築マンションは、前年比19.4%増の3.25戸の見込みです。
新型コロナウイルス感染拡大前の2019年3万1238戸を2年連続で上回る見込みです。
不動産助言会社トータルブレインは、2021年1~11月首都圏マンションを不動産各社に売れ行きを調査。
「好調」「まずまず」「苦戦」の3段階で、「好調」(完売含む)の割合が56%となり、前年同期比12ポイント増えています。
港区・千代田区・渋谷区で2021年1~10月に売り出された物件の平均価格は、1億5,000万円を超え、住戸面積も拡大が続いています。
(参考:不動産経済研究所「首都圏・近畿圏マンション市場予測2022年」)
(日本経済新聞「新築マンション、活況に3つの懸念」)
不動産経済研究所によると、2021年11月の首都圏新築分譲マンション1戸当たり平均価格は、前年同月比3.4%上昇の6,123万円となっています。
地域別発売戸数のシェアは、東京23区が38.4%、東京都下が7.9%、神奈川県が27.4%、埼玉県が16.3%、千葉県が10%という結果です。
(参考:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年11月度」)
また、2021年10月に首都圏で発売された新築マンションの平均価格は6,750万円となり、1990年のバブル期を超えて過去最高を記録しています。
東京オリンピック・パラリンピックが終わると、専門家からはマンションの価格が下落すると言われていましたが、なぜ首都圏新築マンションの価格が高騰するのでしょうか。その理由を解説します。
モデルルーム公開から数ヶ月で全戸が完売したり、郊外エリアでも竣工前に完売するなど、駅近の大規模マンションが人気となっています。
埼玉や千葉でも大規模なタワーが始動、埼玉県ではさいたま市浦和区、千葉県では市川市などのエリアが人気です。
申し込み期限が11月末だった住宅ローン減税の特例により、駆け込み需要があったことも影響していると考えられます。
住宅ローンについては、2021年12月24日に税制改正大綱が閣議決定されました。
概略は以下の通りです。
コロナ禍で在宅ワークが増加し、家で過ごす時間が多くなるため、より快適な住まいを実現することを優先に、新築マンションのニーズが高まっていると言えるでしょう。
最近では、駅近だけでなく郊外マンションの需要も増えています。
ウッドショックだけでなく、鉄、アルミ、銅などの原材料も高騰しています。
また、職人の高齢化などの人材不足により、人件費が上昇傾向にあります。
内装材メーカーでは、すでに10%以上の値上げを実施している企業も見られます。
また、半導体不足の影響により、給湯器の品薄なども発生しています。
今回は、首都圏新築マンション市場動向や価格高騰の理由について解説しました。
2022年の首都圏新築マンション発売戸数は、21年比4.6%増の3万4000戸になる見通しとなっています。
2021年11月の首都圏新築マンション平均価格は6,000万円程度と高騰しています。
高騰の理由として、住宅ローン減税の期限が迫る駆け込み需要や在宅ワークの増加、建材・人件費の高騰など、さまざまな原因が考えられます。
今後も首都圏新築マンションの高騰が予測されます。