中古住宅を探す際に「安心R住宅」のロゴマークを見たことはないでしょうか。
しかし、具体的にどのような住宅なのか分からない方も多いと思います。
安心R住宅は、これまでの中古住宅イメージとは違った品質基準が高い住宅です。
ここでは、安心R住宅の仕組みや適用要件、メリット、注意点などを解説します。
国土交通省が定めた品質基準を満たす中古住宅について「安心R住宅」マークを表示し、安心して中古住宅が購入できるよう2017年(平成29年)12月からスタートした制度です。
安心R住宅の「R」は、Reuse (再利用)、Reform(改装)、Renovation(改修)の頭文字をとったもので、中古住宅を「汚い」「分からない」「不安」などのイメージを払拭することを目的としているのです。
安心R住宅の適用要件は、以下の通りです。
建物状況調査(インスペクション)とは、既存建物の売買にあたり、住宅の劣化状況や欠陥の有無、修理にかかる費用などをアドバイスすることです。
2018年の宅地建物取引業法改正により、建物状況調査(インスペクション)の告知・斡旋すること義務化されました。
不動産の事業者団体「特定既存住宅情報提供事業者団体」が国土交通省に登録し、認定を受けると「安心R住宅」のロゴマークを使用することができます。
2022年(令和4年)1月1日現在、特定既存住宅情報提供事業者団体は以下の通りです。
(参考:国土交通省「安心R住宅」)
専門家によるインスペクションが実施されているため、構造上の不具合や雨漏りなどがなく、新耐震基準にも適合しています。
したがって、購入希望者は、安心して購入を検討することができます。
安心R住宅として認められているので、信頼性が高まり、家が売れやすくなる可能性があります。
安心R住宅であれば「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することができます。
既存住宅売買瑕疵保険は、保険法人に登録された宅地建物取引業者や登録検査事業者が加入する保険です。
中古住宅の検査と購入した住宅に構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分などに欠陥が見つかった場合、補修費用等の保険金が支払われます。
不動産を売却した際、住宅に種類や品質、数量について契約の内容に適合しない場合は、売主が契約不適合責任を負います。
具体的には、完全なものを改めて求める追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除です。このように買主から請求があった場合に既存住宅売買瑕疵保険へ加入しておくと、保険でカバーすることができるのです。
既存住宅売買瑕疵保険への加入し、一定の条件を満たす場合に住宅ローン控除を受けることができます。
安心R住宅の売却を不動産会社に依頼する場合は、専任媒介契約に限られいます。
したがって、複数の不動産会社に依頼する一般媒介契約での売却を行うことができません。
今回は、安心R住宅の仕組みや適用要件、メリット、注意点などを解説しました。安心R住宅は、住宅の基礎的な品質を備え、既存住宅売買瑕疵保険に加入することができます。
万が一、 売買した住宅に欠陥が見つかった場合、補修費用等の保険金が支払われます。
安心R住宅の売却を不動産会社に依頼する際は、専任媒介契約に限られているので注意が必要です。
新築から中古の時代になっているとも言えるでしょう!