新型コロナウイルスが不動産投資に与える影響は…

2020.06.05

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2020年6月1日現在、全国的な緊急事態宣言は解除されたものの、未だ東京を始め全国各地で新規感染者が出ており、予断を許さない状況が続いています。
「コロナ禍」などとも呼ばれ、現在進行系で大きな経済不況、社会混乱を招いておりますが、不動産投資へはどの様な影響が考えられるのでしょうか?
今回は「新型コロナウイルスが不動産投資に与える影響」に焦点を当てて解説していきたいと思います。

既に発生している影響

新型コロナウイルスによる影響が、既に出てしまっている要素がいくつかあります。 具体的には以下の通りです。

  • 賃料交渉、退去等の発生
  • 融資審査への影響

もしかしたらこれをご覧になっている方で、これらの影響を実際に受けている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

賃料交渉、退去等の発生

総務省が発表した2020年4月の完全失業率は2.6%と、諸外国から比べればかなり低めではあるものの高い水準を記録しており、また接客業を中心に未だ休業中の企業も多いため、収入が少なく生活に苦労している方も少なくありません。
結果収入減を理由とした家賃の減額、支払猶予等の交渉が増えてきています。
この様な交渉に対して、オーナー側は必ず応じなければならない等といった義務はありませんが、応じなければ入居者は退去せざるを得ないでしょうから、特に区分マンションのオーナーは非常に判断がむずかしいところであります。

交渉に応じるか否かに関わらず、管理会社を介してでも入居者としっかり話し合うことが大切です。
収束の気配が全く見えていない以上、家賃を一時的に下げるにしても、どの程度の金額を、どの程度の期間下げなければいけないのか、予測が付きません。
入居者の経済事情を考慮し、希望を聞きつつも、オーナーサイドからも許容できる限界は有るということを伝え、お互いにとって現実的な妥結点を見つけるように善処していきましょう。
そうすれば少なくとも「退去精算も明渡確認も行わず逃げるように出ていってしまう」「半年~1年以上も入居者の希望通り賃料を下げた末に出て行かれてしまう」等といった、最悪に近い決着に至る可能性は低くなるでしょう。

融資審査への影響

収入や生活に影響が出ているのは何も入居者だけでは有りません。
失礼ながらこれを呼んでいる投資家の皆様、一人ひとりのご状況は如何でしょうか?
投資収益のみならず、給与等投資以外の収入も減ってしまい、審査に落ちてしまったというケースが、少なくない数報告されています。
また現状個人の収入には大きな影響はなくても、社会全体で見たとき景気後退は最早避けられませんので、各金融機関の融資に対するスタンスがそもそも変わってくるという事も考えられます。
もちろんこの様な中にあっても、万全に融資を受け不動産投資に取り組んでいる投資家様も多くいらっしゃいます。
当然金額が大きくなればなるほど融資審査は慎重になりますので、不動産投資としては比較的金額が低い区分投資への審査は、そこまで大きな影響を受けている印象はありません。ただし平均的に見たときに現状は融資が受けにくくなっているという事は言えるでしょう。

知っておきたい知識

この通りコロナウイルスがもたらす影響は、皆様の投資収益に直結する可能性があるものなので油断なりません。
この様な中でも可能な限りリスクを軽減するために知っておきたい知識をいくつかご紹介します。

固定資産税の減免・猶予

新型コロナウイルスの影響により、事業収入が一定割合以上減少している事業者は、2021年度分の固定資産税の一部、又は全部を減免とすることが出来ます。
具体的には2020年2月~10月の間の任意の3ヶ月間の売上が、前年同月比と比べ30%以上減っている場合は固定資産税を1/2に軽減、50%以上減っている場合は全額免除にするというものです。

この制度を考える上で注意したいのが、先ず事業収支が減少した場合に限るということ。
つまりサラリーマン投資家等の場合は、自身の給与が減ってしまった場合などには使えません。
もう一つが、事業収支全体でみた時の減少率であるということ。
例えば区分マンションを4戸所有しており、そのうちの1戸だけ家賃を半額に減額したとしましょう。
減額した部屋単独で見れば50%減ですから、この部屋は固定資産税が全額免除になるかといえばそうではなく、所有している4戸すべての収入の総額に対してどの程度減っているかで判断されます。

またこの制度を利用する際に注意したいのが、申請期間が2021年1月1日から31日までの1ヶ月間しか無いという点です。
まだ少々先のこととはいえ、早めに税理士等に相談しておくことをお勧めいたします。

2020年の固定資産税に対する減免措置はありませんが、納税の猶予を申し出ることは可能です。
対象者は2020年2月以降の任意の1ヶ月間において、経常的な収入が20%以上減少した方です。
この場合は事業収支のみに関わりませんので、給与が下がってしまった場合においても申請することが可能です。
猶予は、無担保、延滞税無しで受けることが出来ます。
最終的には支払わなければなりませんが、目先の納税が困難である場合にはぜひ利用したい制度です。

万が一返済に窮した場合は…

収入減によって金融機関への返済に逼迫した場合は、最初の滞納を起こしてしまう前にかならず金融機関の担当者に相談をしましょう。
金融庁から各種金融機関に対して、コロナウイルスによる売上減等の事由による返済猶予・条件変更の申し出については、可能な限り迅速かつ柔軟に対応するよう通達が出ています。また交渉の結果返済を猶予した場合は、個人信用情報機関への記録を行わないようにも指導されています。

個人信用情報とは、簡単に言えば個人のクレジットやローン等の契約状況、およびその支払状況や残高等を記録した情報のことです。
通常であれば滞納や条件変更が有った場合個人信用情報に記録されてしまうので、次に何か借入を起こそうとした場合大きく不利になってしまいますが、コロナウイスルによる売上減等に起因するものであれば記録を免れます。

ただし記録を免れるのは、原則として債権者である金融機関と協議した結果認められた支払猶予等に限ります。
コロナウイルスによる売上減等に起因するものであっても、金融機関に何も伝えずに滞納してしまえば、当然ながら金融機関は滞納原因が解りませんから、個人信用情報に記録してしまう可能性が高くなります。
この滞納の記録は最長で5年も残りますので、ただの1度であっても、記録されるか否かには天と地ほどの差があります。

今後の影響は?

現時点ではそこまで大きく影響はありませんが、今後影響が出てくると思われる要素もあります。
それは物件価格の下落です。

先述の通り融資審査への影響は既に出始めているという事と、景気後退が如実に現れている以上、不動産のような大きな資金を必要とする投資に踏み出しにくいという心理的原因が重なった結果、不動産の取引件数は一棟物の投資物件を中心に鈍化しております。

要は物件が売り難い状況であるという事。
売れなければ必然的に物件価格は下がっていくと考えられます。

不動産の入口 コロナ不動産の購入を検討している方にとっては朗報ではありますが、全体の傾向として融資は消極的になっている訳ですから、安くなったからといってアレもコレもと検討していると、結局融資で後手を踏んでしまう可能性も十分にあります。
まずはご自身の資産状況を確認した上で、不動産業者等に相談し、自らがターゲットとすべき物件の種類や価格帯を絞って検討していくことが肝要と考えます。
反面不動産の売却を検討している方にとっては、あまり風向きがよくありません。
個々人が抱える状況もありますので、どうすればリスクを低く抑えることが出来るのか、何が正解に近いのかは異なります。
果たして本当に今急いで売却するべきなのか、なにか使える制度はないのか等を考えて判断していきましょう。

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