民法改正!?これからの不動産投資との関係性は?!

2019.02.26

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ご存知の方も多いと思いますが、2017年に民法が大きく改正されました。これまでも少しずつ時代に合わせて改正されていたようですが、大きく変わるのはなんと120年ぶりと話題になっていましたね。
さて、改正された民法は2020年4月1日から施行されるのですが、その内容には不動産に関するものも含まれます。はたして、民法の改正は私たちにどのように関係してくるのでしょうか?分かりやすく解説していきたいと思います!

民法の改正ってどういうこと?

そもそも民法とはなんなのでしょう?
簡単に言えば、社会の決まり、ルールをまとめたものです。難しい言葉で書かれていますが、中には、そんなの当たり前でしょ!というものもあります。不動産とは土地およびその定着物をいう、というものもあります。でも定義やルール決めって大事なんですよね。それらがなければ日本が無秩序になってしまいます。

そんな大切な民法なんですが、大きく変わるのが120年ぶりということは、明治時代に決められたルールがまだ使われているということなんですね。そのルールの中で、現代にそぐわないものや新たに決めたほうがいいもの、定められていないけれど慣習化しており定めたほうがよいものなどが今回改正された内容ということになります。
それでは一つ一つ見ていきましょう。

賃借人の原状回復義務(改正民法621条)

621条は下記のとおりです。

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

何が変わったの?

入居者が賃貸している部屋にすごい傷をつけたら入居者に責任がありますが、普通に過ごしていてついた傷や劣化はオーナー負担ですよ、と決められました。
これって当たり前ですよね!?
でも、改正前の民法には原状回復義務に関する内容が書かれていないんです。
これまでは国土交通省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というのが1998年に公表されており、それに従ってどの修繕をオーナーが負担して、どの修繕を入居者が負担するというのが決められておりました。でもいくら国土交通省から公表されているとはいえ、法的拘束力は何もないんですね。あくまでガイドラインでした。それが今回法律で定められたということになります。

損耗の具体的な線引きは?

改正民法中では「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」は入居人の責任じゃありませんよ、と言っています。ではそれってどういうものでしょうか?ものすごく曖昧に書かれていますね。
法律よりずいぶん前に公表されている国交省のガイドラインでは、下記のように分類しています。

①-A 建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)
①-B 賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)
②賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等

①はオーナー負担、②は入居者負担ということですね。
①-Aの経年変化の例としては、10年以上経っているような古い設備の自然な故障、入居者の変動による鍵の取り換え、①-Bの通常損耗の例としては、日が当たる箇所の壁紙の日焼けや多少の画びょうやビスの穴、冷蔵庫の設置による壁の電気ヤケなどです。
②の入居者負担になるものの例としては、通常考えられる清掃がなされておらず浴室やトイレなどが尋常じゃなく汚いときや、ペットが柱などで爪とぎをしたなど、通常損耗の範囲を超えて壁や床が壊れているときなどです。

不動産投資家の間では通常の区分けになっておりますし、これから不動産投資を始めるという方にとってもご理解いただけるのではないかなと思います。

通常損耗の補修を入居者が負担する特約は?

既に契約を締結しておられる賃貸借契約書の中で、既に通常損耗の範囲も入居者が負担するという特約が書かれている場合もあると思います。
スケルトンで貸し出しされている店舗の場合はそういう特約を書かれている場合も多いようですが、特に居住用については過去に最高裁で無効と判断された判例がありますので、よくお調べいただくのがよいようです。

敷金について(改正民法622条の2)

622条の2は下記のとおりです。

1 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

何が変わったの?

特に何も変わりません!これまで、契約や売買など、金銭関係に関するルールが定められていた民法の中で、敷金というのは特に定められていなかったんですね。ところが現代では慣例として敷金というものがまかり通っている、であればルールに載せましょう、ということです。

民法では敷金は以下のように定められています。

「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。」

敷金を保証金や一時金などに言い換えても、それは全て敷金ですよ、ということですね。
一方で、礼金は「賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的」ではありませんから、敷金とは異なります。

賃借人の修繕権(607条の2)

607条の2は下記のとおりです。

賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
二 急迫の事情があるとき。

何が変わったの?

これまでこういったルールがなかったため、例えば入居者の部屋が雨漏りしたとき、急いで管理会社やオーナーに電話しても対応してくれない、自分でも修繕しちゃいけないから困った!ということが可能性としてあったんですね。こういうときに素早く対応できるようになったということです。

入居者に有利すぎる?

雨漏りなどの急迫の事情はもちろん、それ以外の修繕についても、一定の条件のもとで入居者が修繕できることとなりました。一見、入居者にとって有利な法律のように見えますが、入居者からは「ここ壊れていますので修繕してください」という通知をする必要があり、または「オーナーは壊れていることを知っているけど対応してくれない」という立証をする必要があります。
その通知や立証がなければ、オーナーからすると「知らない間に勝手に修理されていた!思っていたのと違う!」ということになりかねませんので、緊急を要する修繕以外は引き続きハードルが高そうです。

賃借不動産の一部滅失等による賃料の減額等(611条)

611条は下記のとおりです。

1.賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
2. 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。

何が変わったの?

簡単に書き下しますと、「建物が壊れるなどして住めなくなったりしたときは、家賃を減額できたり契約書解除できたりする」ということです。逆に、程度の差こそあれ、これまでは建物の一部が壊れ、住めなくなったり一部屋使えなくなったりしたときに、契約を解除しなかったり家賃減額に応じなかったオーナーがいたんでしょうね。
法律では減額したり契約を解除できる、と書いてありますが、ではどのくらいの規模の故障で何割引き、ということが書いてあるわけではありません。法律ができたからといって、「換気扇が壊れた!(実際はそんなことなくても)煙が充満して住めないから家賃半額にして!」と言われても困りますよね。「5部屋あるうちの1部屋が雨漏りで使えなくなったので2割引き」というのはあり得るかもしれません。法律はできたといっても、引き続きオーナーと入居者が納得できる範囲でケースバイケースになるものと思われます。

民法改正は不動産投資にどう影響する?

これまで紹介してきたものは代表的なもので、不動産投資に影響する改正条項は他にもたくさんあります。特に関係するものをご紹介しましたが、2020年4月1日から不動産投資が大きく変わるということはないということがご理解いただけたのではないかと思います。
民法というのは社会のルールであって、入居者とオーナーのどちらか一方にすごく有利ということはありません。入居者もオーナーも、みんなが納得する妥当な線引きをしたものです。新しく敷かれたルールに基づいて、入居者と円満な関係を築き、円滑な不動産投資をしましょう♪

不動産の入口 不動産投資民法って昔から変わらないイメージです~汗
今回ご紹介したもの以外にもいろいろあるみたいだよ★
一度チェックしてみてもいいかもだね!
法務省 法務省のホームページから調べられるよ♪

 

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