中野は日本のサブカルの聖地として知られており、現在大きな変貌を遂げようとしています。
中野駅周辺の110ヘクタールに及ぶ土地が再開発の対象となり、11の再開発プロジェクトが進行中です。その規模は「100年に一度」とまで称されているほどです。
その中でも特に注目されているのは、駅北口エリアです。
エリア内には中野区役所や警察大学校跡地に整備された「中野四季の都市(まち)」や「中野ブロードウェイ」、そして2023年7月に閉館した「中野サンプラザ」の跡地が含まれています。
中野区は2023年11月に北口エリアの一部の都市計画を発表しました。
これにより、これまでに約2.3ヘクタールの土地に予定されていたオフィス、ホテル、大型コンサートホールなどを備えた高層ビルの建設計画が正式に確定されました。
今回は都市計画の進展に伴い、中野駅北口エリアを中心とした周辺の再開発プロジェクトについて詳しくご紹介いたします。
文化とサブカルチャーの拠点: 中野は長らくアニメ、マンガ、ゲームなどのサブカルチャーの中心地として知られています。
北口エリアには「中野ブロードウェイ」など、多くのサブカルチャーに関連する施設やショップがあります。
ショッピングとエンターテインメント: 中野ブロードウェイは、アニメやマンガに特化したショップやカフェが集まるショッピングモールで、アニメファンやコレクターにとってはパラダイスとなっています。
また、周辺には飲食店や劇場も充実しています。
歴史的建造物とイベントスペース: 北口エリアには歴史的建造物やイベントスペースもあり、これらが地域の特徴となっています。
中野サンプラザはかつてコンサートやイベントが行われていた場所であり、再開発プロジェクトによって新たな活気を与えることが期待されています。
アクセスの良さ: 中野駅はJR中央線や東京メトロ東西線が交わる要所駅であり、都心へのアクセスが非常に良好です。これにより、多くの人々が中野を訪れ、地域の活気を支えています。
中野駅周辺で進行中の再開発事業は合計11件あり、そのうち7件が北口エリアで展開されています。
出典:中野区「まちづくりパンフレット」
中野駅周辺のまちづくりに関しては、「グランドデザイン Ver.1」が2006年12月に採択され、その後さまざまな再開発プロジェクトが進行してきました。
特に注目すべきは、中野駅北口エリアの再開発計画であり、「中野サンプラザ」跡地を含むこのエリアの未来の開発が焦点となっています。
2011年3月には「区役所・サンプラザ地区再整備の基本的方向」が示され、再開発対象エリアの課題や将来の展望が整理されました。
その後、中野区は中野区役所や「中野サンプラザ」がある5ヘクタールの土地に対し、「中野四丁目新北口地区まちづくり方針」(2018年)および「中野駅新北口駅前エリアの再整備事業計画」(2020年)を発表しました。
この事業計画では、中野駅新北口駅前エリアを「新中野の代表的な都市型複合交通ターミナル」と位置づけ、以下の3つのコンセプトが定められています。
今現在でも中野では、「中野四季の都市」の南にある囲町地区の「東地区」と「西地区」も再開発が進んでいます。
両地区では、住宅、商業施設、オフィスなどが収容される建築物の建設が計画されています。
東地区では隣接する区立の「囲町ひろば」と共に一体的な広場を構築し、歩行者専用の高架歩道となるペデストリアンデッキなど多くの人々が行きかう経路を整備することで、新北口駅前広場から中野四季の都市へのアクセスのしやすさを向上させる計画が着々と進んでいます。
西地区は住宅が密集し、狭く行き止まりが多いなど、道路基盤が整備不足の状態にあります。その為、再開発プロジェクトによって、中野駅や中野四季の都市を結ぶ歩行者ネットワークを構築し、賑わいと活気を持続的に広げつつ、防災性の高い市街地を形成することを目指しています。
これまで「サブカルの聖地」として賑わってきた中野駅周辺が、大規模な再開発によってどのように変貌するのでしょうか。
周辺の不動産市場にも影響を与える可能性があり、今後の進展が注目されます。