リースバックとは?注意点など解説!

2021.05.10

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不動産取引はそのほとんどが売買と賃貸に分けられます。これは不動産投資についても同じですが、近年では新しい取引の形が登場してきています。
その内の一つがリースバックです。今回はこのリースバックについて取り上げ、その注意点についてもご紹介したいと思います。

リースバックとは

リースバックは、ここ数年で利用者が急増している新しい形の不動産取引です。おそらく、現段階では初めてこの言葉を目にするという方も多いと思いますが、今後はどんどんと増えていくと予想されます。
簡単に言うと、リースバックとは不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。
まず始めに、現在住んでいる不動産(家)をリースバック運営会社に売却します。その際、リースバック運営会社は不動産会社である場合がほとんどです。
次に、売却先の会社と売却の対象となった物件に関する賃貸借契約を結びます。契約の対象とするのは戸建て住宅でも区分マンションでも構いません。
売却した物件を賃借するので、売主は同じ物件に住み続けることになります。当然、不動産の売却に際して売主は売却代金を受け取ることになり、賃借に際しては家賃を支払うことになります。
これが、リースバックと呼ばれる契約の概要です。

任意売却とリースバックとの違い

リースバックに似た取引に任意売却というものがあります。
任意売却とは、住宅ローンの支払いが滞ってしまった場合に、債務者が住宅ローンを貸し出している金融機関の同意を得て自ら不動産を売却することを言います。債務者が自らの意思で売却を行うことからこのように呼ばれています。
任意売却とリースバックは、それまで居住していた不動産を売却するという点では共通しています。ですが、リースバックの場合には不動産の売却後も同じ物件に住み続けることができますが、任意売却の場合には売却後に転居する必要があります。

リースバックのメリット

リースバックには以下のようなメリットがあります。

売却益を得られる

リースバックではまず現在住んでいる住居を売却するため、それに伴って売却益という形のまとまったお金を受け取ることができます。それまで通り持ち家に住み続けていては得られないお金を手にすることができるわけです。
もちろん、売却代金は使途の自由なお金ですので、子供の教育費に充てることも老後の生活費に充てることもできます。

同じ家に住み続けられる

既に述べたように、リースバックは任意売却と違って、物件の売却後も転居を行う必要がありません。つまり、所有権がだけ売却先に移るという形になるため、それまで通り同じ家に住み続けることができます。
ですので引っ越しの必要もありませんし、自宅を売却したことを近隣住民に知られることもありません。高齢者の方が引っ越しをするとなると肉体的にも精神的にも大きな負担となりますが、リースバックであればそうしたリスクを避けることもできます。

住宅ローンと固定資産税から解放される

持ち家に切っても切り離せない関係にあるのが、住宅ローンと固定資産税です。
この2つは、持ち家に住み続ける際の2大コストとも呼べるほどの大きな支出です。しかし、リースバックを行えば物件の所有権が売却先に移るため、これらの支出から解放されます。

買い戻しができる

一度売却した物件であっても、そこからある程度時間が経てば「やっぱりこの家を買い戻したい」と考え直すということもあり得ます。老後のことや子供への相続のことを考えれば、こうした結論になる可能性は決して少なくはありません。
そんな時、リースバックであれば一度賃貸契約を結んだ物件を再び売却先から買い戻すことができます。そしてこの場合もやはり、売却時と同様に引っ越しの必要はありません。

リースバックのデメリット

リースバックには上記のようなメリットがある一方でデメリットもあります。

所有権を失う

リースバックを利用すると、不動産の所有権が売却先のリースバック運営会社に移転されます。つまり、持ち家ではなくなるわけです。
従って、リフォームやリノベーションなどをしたいと思っても貸主の許可を得なければできないということになります。また、不動産の日常的な使用に関しても貸主の決めたルールを守らなければならなくなります。

売却価格が市場価格よりも安い

リースバックでは物件の売主がそのまま借主になるため、不動産を買い取ったリースバック運営会社は家賃滞納などのリスクを負うことになります。そのため、そうしたリスクに備えるために不動産の売却価格が市場価格よりも安くなってしまいます。
また、仮に市場価格と同等の金額で売却できた場合にも、その分の負担がそのまま月々の家賃に上乗せされることになります。

リースバックの注意点

リースバックを利用する際には以下の点に注意する必要があります。

同じ家に住み続けられない可能性がある

リースバックでは不動産の売却後に必ず借主と貸主の間で賃貸借契約を結ぶことになりますが、その場合「定期借家契約」を結ぶケースが非常に多くなります。定期借家契約とは文字通り、契約を行う時点でその物件に住み続けられる期間をあらかじめ決めておく契約のことです。
つまりリースバックでは多くの場合、一定期間を超えた時点で退去しなければならなくなるのです。もちろん、借主と貸主の間で同意が得られれば再契約を行うこともできますが、これは全く貸主の判断に委ねられます。
もしもリースバック後も同じ家に住み続けたいのであれば、賃貸契約を結ぶ際に定期借家契約ではなく普通借家契約を選ぶ必要があります。

売却価格よりも買い戻し価格の方が高い

既に述べたように、リースバックでは一度売却した物件を後から買い戻すということができます。しかし、そこで注意しなければならないのが、売却価格よりも買い戻し価格の方が高くなるということです。
これは、どのリースバック運営会社でも同じです。
ですので、買い戻しを考える際にはこの点を十分に検討した上で判断しなければなりません。

家賃が相場よりも高い

リースバックで賃貸契約を結んだ物件は通常の賃貸物件よりも賃料が高くなる傾向があります。これは、戸建てでもマンションやアパートなどの集合住宅でも同じです。
リースバックでは周辺の家賃相場とは関係なく物件1戸当たりの利回りから家賃が算出されるので、同じエリアの他の物件と比べると必ずと言っていいほど割高の家賃になってしまいます。

リースバックの3つのステップ

リースバックは以下の3つのステップで行われます。

①物件の売却

まず始めに、現在居住している自宅を売却します。売却先はリースバックを運営している企業で、多くの場合不動産会社です。
不動産会社を通して個人に売却する「仲介」ではなく直接の売却となるため、手続きは非常にスムーズに進みます。

②賃貸(リース)契約を結ぶ

物件の売却が終わったら、次に貸主と借主の間で賃貸(リース)契約を結びます。当然、契約相手は物件を売却したリースバック運営企業ということになります。このステップでは、家賃の額をいくらにするのか、定期借家契約と普通借家契約のどちらを選ぶのか、買い戻しの条件をどうするのかといった事項を貸主と借主の間で決定することになります。

③契約の更新または買い戻し

リースバックでは、売却を行って賃貸契約を結んだ時点で貸主と借主の関係が終わる訳ではありません。その後、同じ家に住み続けるためには契約の更新が必要になりますし、自宅の所有権を戻したい場合には貸主と借主の双方で条件を詰めて買い戻しの手続きを行わなければなりません。
もちろん、賃貸契約を更新するのも買い戻しをするのも、はたまた別の物件に移り住むのも借主の方の全くの自由です。

まとめ

今回はリースバックを取り上げ、その注意点などについてご紹介してきました。 リースバックには様々なメリット、そしてデメリットがあります。また、いくつかの注意すべき点もあります。リースバックを利用する際には、是非本稿を参考にして頂ければ幸いです。

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