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火災保険の期間短縮!?地震保険の値上がり!?不動産投資とどう関係ある?

不動産投資家が投資している不動産に関しては、自然災害などで資産価値を失わないように保険に加入しているケースがほとんどです。加入している保険としては火災保険(通常はこれにプラスして、自然災害)や地震保険が増えています。
実は最近、これらの保険が大きな変化の時期にきているのはご存知でしょうか。
今回は火災保険および地震保険について、直近で行われる具体的な変更内容について詳しく紹介するとともに、保険料が見直しされることによって不動産投資家が損をしないためにしておくべきことをご紹介します。

火災保険の期間短縮

従来、火災保険は最長36年までと長期契約が可能でした。しかし、2015年10月に火災保険の見直しが入り、最長契約期間が10年と短縮されました。
長期契約の期間が短縮された理由は、異常気象により建物被害による保険金の支払いが増えてきたためです。保険金の支払いが増え、長期契約で収支を予測するのが困難になってきたためです。
火災保険はいわゆる火災だけでなく、竜巻や洪水、落雷など幅広い災害を補償することが多く、自然災害の影響を受けやすい保険と言えます。火災保険の契約期間が短くなるとどんなことが困るのでしょうか?

契約期間が短くなることは保険料が高くなることを意味します。一般的に契約期間が長くなればなるほど保険料の割引率が高くなります。逆にいうと契約期間が短ければ短いほど保険料の割引率が低くなるのです。
火災保険の実例をあげると、長期契約をすることによる割引率は従来の最長36年ならば約32%、30年ならば約28%でした。それが、改定後の最長期間(10年)になると割引率が約18%と大幅に減ります。

例えば、契約した年間基本保険料が10,000円とすると、従来の30年契約の場合、年間保険料が7,200円/年に対して、変更後最長の10年契約の場合は8,200円/年となります。
30年間保険契約をすると、トータルで支払う保険料が従来は216,000円だったのに対し変更後は246,000円となります。30,000円(約18%)も多く支払わなければならないことになります。
なお、すでに契約済みの火災保険は、変更後も引き続き有効です。契約更新のタイミングで次の契約は最長10年に変更となります。

地震保険の値上げ

最近、頻繁に大きな地震が発生し、建物への被害が頻発しているのも報道で見聞きしますよね。もしかしたら実際に被災者となって痛ましい経験をされた方もいるかもしれません。
頻繁に発生する地震をうけ、政府の震源モデルが見直された結果、3段階にわけて地震保険の保険料値上げが決まっています。
すでに2017年1月に1回目の保険料値上げが実施されましたが、2019年2月にさらに値上げされます。今回は2段階目の値上げ適用になります。保険料は全国平均で約3.8%値上げされる予定です。

2021年の値上げが3段階目となり、トータルで全国平均14.2%の値上げになる予定です。
ここで注意しなければならないのは、値上げはあくまでも全国平均での話であり、すべての地域で値上げされるわけではないという点です。値下げされる地域もあるので保険料があがるとあわてる前に、まずは地域を確認しましょう。

値上げ率が高いのは、福島県、茨城県、徳島県、高知県、埼玉県で約14%値上げされます。

一方、値下げ率が高いのは、愛知県、三重県、和歌山県で10%を超える値下げになります。

そのほかも、北海道、青森県、新潟県、岐阜県、京都府、兵庫県、奈良県、大阪府などで保険料が値下げされます。保険料が値上げされる地域は震災リスクが高まり、値下げされる地域は震災リスクが低くなったことを示しています。

首都圏では、東京都、神奈川県、千葉県が11.1%、埼玉県が14.1%、群馬県が4.4%の値上げ予定になっています。

また、保険料の長期割引率も一部さがります。2年契約は長期割引率の変更はありませんが、3年契約ならば、変更前は2.75年分だったのに対して変更後は2.8年分と0.05年分増えました。
同様に4年契約ならば3.6→3.7年分に変更と0.1年分増え、
5年契約ならば4.45→4.5年分とそれぞれ割引率がさがります。

それでも同じように契約するならばできるだけ長期で契約した方が保険料がお得になるのは間違いがないので、可能な限り長期契約を結ぶようにすることがオススメです。

不動産投資家としての対応

すでに不動産を所有している場合は、次の5つの観点から改めて地震保険、火災保険の検討をされることをおススメします。

①損益分岐点の見直し

入居者数が変わらなければ収入は変わりませんが、維持費(火災保険、地震保険の保険料)は築年数によって年々高くなります。
これによって損益分岐点が変わってきますので、確認をしておきましょう。
損益分岐点近くでの運用だった場合、投資し続けることで赤字になるリスクもあるので注意が必要です。

②不動産がある地域の保険料の値上げ/値下げを確認

今回の改定で、保険料が高くなる地域がほとんどですが、一部安くなる地域もあります。まずは、不動産のある場所の保険料が高くなるかどうかを確認しましょう。

保険料が下がる地域:愛知県、三重県、和歌山県:14.5%

北海道、青森県、新潟県、岐阜県、京都府、兵庫県、奈良県:11.8%

大阪府:5.9%

③保険の契約方針の確認

保険料が高くなる地域に不動産を所有している場合

・2018年12月以前:長期契約を結んで、値上げ前の保険料と長期割引率を維持できるようにしましょう。
・2019年1月以降:今回、保険料が値上がりする地域は3段階の3回目も同じように値上がりすることが予想されるので長期契約を結んでおきましょう。

保険料が安くなる地域に不動産を所有している場合

・2018年12月以前:短期契約を結び、変更後に契約更新を経て、保険料の引きさげの恩恵をうけましょう。
・2019年1月以降:今回、保険料が値下がりする地域は3段階目の3回目も同じように
値下がりすることが予想されるので短期契約を結び、変更後に契約更新しましょう。
首都圏では、保険料が4.4~14.1%あがるのでいずれも場所でも長期契約を結ぶことをお勧めします。

④リスクの分散への考慮

例えば、不動産物件を特定地域に集中させずに、場所を分散させて自然災害に備えたり、購入する時期をずらすなどリスクを分散させることをおすすめします。

⑤火災保険はほぼ強制だけど、地震保険は任意という点を考慮

融資をつけて不動産投資を行う場合は、融資の条件として火災保険は強制になりますが、地震保険は任意です。
地震が発生した時のダメージは大きいですが、発生する確率と保険料の負担を天秤にかけ、どちらをとるかも重要になります。地震保険はあくまでも任意ですので、入らなくても良いということも頭の片隅のおき、保険の見直しを行いましょう。

まとめ

不動産にとって重要な保険としてあげられるのが、火災保険(+自然災害保険)と地震保険です。それぞれの保険料が値上げされます。すでに火災保険は契約できる最長期間が短縮され、実質値上げが行われました。これまでは最長36年契約でしたが、現在は最長10年の契約になっています。契約できる期間が短くなったため、保険料が高くなってしまいます。
地震保険はすでに3段階で保険料が値上げされることが決まっています。
すでに1段階目は終わっており、2段階目が2019年1月にやってきます。2019年1月に全国平均で保険料が約3.8%値上げされます。
2021年の値上げ(3段階目)でトータル14.1%の値上げになります。

その中で火災保険の保険料を安くするためには、できる範囲で長く(10年)契約を結ぶことが最善策といえます。10年契約でも18%の値引き率は魅力的です。
地震保険は、あくまでも全国平均が値上げするだけであって、値上がりする地域と値下がりする地域があることを忘れないようにしましょう。
「保険料という視点でみると」値上がりする地域は今後も値上がりのリスクがあるのでできるだけ長い期間の契約をし、値下がりする地域は今後も値下がりする可能性があるのでできるだけ短い期間の契約をすることをおすすめします。

「保険料としてみると」と条件を付けた理由は、保険料が高くなる地域は地震のリスクが高くなることを意味しており、長期で契約した場合、途中で地震により建物が価値を失うリスクも高くなってしまいます。
ここもやはり分散投資することが重要です。また地震保険は任意保険になるので、必ず加入しなければならないというわけではありません。
加入しないことで地震発生時のリスクは生まれますが、加入しないという選択肢ももって保険の見直しを行いましょう。

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