減価償却ってどう計算するの?

2018.12.25

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不動産投資を行う上での三大経費をみなさまはご存知でしょうか? 金融機関から融資を受けて購入した場合は「借り入れ利子」、固定資産税や都市計画税・不動産を購入した際の不動産取得税などの「税金」、そして今回解説する「減価償却費」です。

不動産投資を行っていると、毎年の税金支払い額を明確化するために確定申告をすることが必要となります。確定申告の詳細な方法はここでは割愛しますが、その中で毎年、三大経費の一つでもある「減価償却費」で不動産物件の資産相当額を一定のルールで費用として計上することがきます。
この仕組みをうまく活用することで節税効果を発揮させることも可能です。また不動産を売却した際にもこの減価償却費が必要になってきます。そこで今回は減価償却の仕組みと、節税の方法を解説してきます。

減価償却とは?

そもそも減価償却ってよく耳にはするけど一体どういうものなのでしょうか?

物件建物は年月が経過するとともに価値が減少するのは不動産投資を始めている方はご存知のことかと思います。そのため一定の決まりに沿って資産価値の一部を「必要経費」として計上していくことができる仕組みです。
簡単に言うと築年数が経った分、建物の価値を少しずつ下げましょうね、という意味です。
ただしこれは現金で誰かに支払っていくものではなく、帳簿上での「必要経費」として計上されるものです。

この減価償却は不動産投資において「建物部分」のみに適用することができます。
なぜ建物部分のみかというと、「土地」は建物のように年数に応じて劣化しませんよね。半永久的にそこにあるものと考えられているからです。
一方で建物はどんなにメンテナンスをしっかり行っていても年数が経てば経つほど、どんどん古くボロボロになっていきますよね。
つまり建物は「劣化していくもの」とみなされ、減価償却を適用することが可能ということになります。

減価償却の具体的な計算方法

減価償却費の計算方法は、一般的には「定率法」「定額法」の2種類がありますが、平成28年度の税制改正により建物部分も付帯設備も定額法のみになりました。
そのため今回は定額法に絞って解説していきます。

定額法:資産の取得価格×償却率

定額法は耐用年数経過まで毎年一定額の減価償却が行われます。

「償却率」の計算方法は後ほど説明しますが、不動産投資においては
資産の取得価格=建物(及び付帯設備の)取得価格となります。
中古物件を購入した場合などは、それぞれの取得価格が明細上でわかれていない場合もありますので、以下の要領で計算します。

  1. 「土地に対する固定資産税評価額」と「建物部分の固定資産性評価額」の割合で「建物部分」全体の取得価格を算出する
  2. 「建物部分」についてはそれぞれの「工事費」の割合で「建物部分」と「設備部分」の取得価格を分ける

もちろん、売買契約書にて、土地の価格、建物の価格、付帯設備の価格が明記されている場合は、それらをそのまま取得費用として計算します。これで取得価格の算出は完了です★

償却率の計算

続いて「償却率」の計算をします。
償却率は建物の「耐用年数」を計算したうえで、国税庁のHPにて該当する耐用年数の「償却率」を参照します。 国税庁のHPはコチラ

耐用年数については、建物の築年数や、設備の経過年数について、

  • 「法定耐用年数」を経過していない場合

残存耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2

  • 「法定耐用年数」を経過している場合

残存耐用年数=築年数×0.2

このような計算方法で算出します。設備の場合は、それぞれ「築年数」のところを「設備の設置後経過年数」と読み替えればOKです。

次に法定耐用年数は、建物のつくりなどで以下のように決まっています。

  • 軽量鉄骨 19年
  • 木造 22年
  • 鉄骨34年
  • (鉄骨)鉄筋コンクリート 47年
  • 建物設備 15年

これをもとに償却率を確認して、先ほど紹介した式で計算をすれば減価償却費の計算は完了です!

②減価償却の具体例

では実際に具体例を用いて見ていきましょう♪

【不動産取得の状況】

  • 不動産の購入金額:6,000万円
  • 不動産の固定資産税評価額:5,000万円
  • 建物の固定資産税評価額:3,500万円
  • 土地の固定資産税評価額:1,500万円
  • 工事費の割合:建物70%・建物設備30%
  • 建物は鉄骨鉄筋コンクリート造(法定耐用年数47年)
  • 築22年かつ、設備は全て建築時に設置されたもの

①まず資産の取得価格を建物本体部分・付帯設備部分に分けて計算します。
土地は減価償却ができないので、まずは土地と建物全体の部分を分けていきます。

(建物全体の取得価格)
=6,000万円(不動産の購入金額)×3,500万円(建物の固定資産税評価額)÷5,000万円(不動産全体の固定資産税評価額)
4,200万円

(建物本体の取得価格)
=4,200万円(建物全体の取得価格)×70%(建物部分の工事費割合)
2,940万円

(付帯設備の取得価格)
=4,200万円×30%(付帯設備部分の工事費割合)
1,260万円

②建物本体・付帯設備の耐用年数を計算していきます。鉄骨鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。
(建物部分の耐用年数)
=(47年(法定耐用年数)-22年(築年数))+22年×0.2
29年(端数は切り捨てます)

(付帯設備部分の耐用年数)
=22年×0.2
=4年(端数は切り捨てます)

付帯設備の22年は法定耐用年数の15年を上回っているので、上記の計算式が適用されます。

つぎに国税庁のHPにて、29年と4年の償却率を確認しに行きますと、29年は0.035、4年は0.25となります。

従って、この不動産の減価償却額は、
2,940万円(建物本体の取得価格)×0.035(建物本体の償却率)+
1,260万円(付帯設備の取得価格)×0.25(付帯設備の償却率)
417万9千円

この物件の減価償却額は、417万91千円となります。ちなみに減価償却は「取得価格相当」までしかできません。
設備部分は4年間で減価償却費総額が取得費用となりますので、5年目以降は設備部分の減価償却が計上できなくなります。建物本体は同様の考え方で29年にわたって可能です。

②減価償却が節税効果になる仕組みと節税効果を高める方法

減価償却の計算方法を解説していきましたが、如何でしたか?
では何故「減価償却」が節税効果を高めるのでしょう?不動産投資のメリットでもご紹介させていただきましたが、「減価償却費」は必要経費として計上することが可能です。

不動産投資で収入がある場合、その収入に応じて「所得税・住民税」を支払う必要になります。
ですが必要経費である「減価償却」を確定申告時に経費計上することで不動産所得を圧縮することができます。
減価償却をしっかりと行うことで、手元に入ってきた実際の金額より少ない金額で申告することができます。
これが減価償却を活用した節税の仕組みとなります。

まとめ

減価償却とは私たちと同じで「時と共に劣化していくもの」です。
この劣化していくものの価値を正当に評価するために作られた仕組みが減価償却です。

不動産投資においても、建物部分と付帯設備部分についてはこの考え方が適用できます。
従って不動産の減価償却費計上による損益通算は、税務処理上正当な手続きと言えますので、減価償却費により税額が減少させるのもまた正当な行いと言えます。

減価償却は売却時の譲渡所得の計算にも使いますので、しっかりと理解して不動産投資をされることをオススメします★

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