タワマン転落事件の概要
千葉市美浜区のタワーマンションで25階の部屋から幼い子どもが転落死した事故が発生しました。現場は、幕張新都心の住宅開発エリアに位置する海浜幕張駅近くの48階建てタワーマンションです。
千葉県警などによると、「25階のベランダから落ちた」「人が倒れている」など、複数の119番があり、2歳の男の子が地上階のエントランスの屋根の上で、倒れているのが見つかりました。
男児は両親と住んでおり、誤って転落した可能性が高いとみられています。転落当時、両親は不在だったということです。
ベランダの柵の高さは、およそ1m20cmだった模様です。
(参考:東京新聞「タワーマンション25階から転落か?2歳男児死亡 千葉・幕張 予想外の行動、注意を」)
2022年11月5日には、大阪府豊中市の集合住宅敷地内で2歳の男の子が血を流して倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
警察によると、現場の状況などから4階から転落した可能性が高いとみて調べています。
2022年10月には、東京・江戸川区の都営住宅で12階の外廊下から4歳の男の子が誤って転落死した事故、5月には、東京・江東区のマンションで小学生の女の子が4階のベランダから転落して大けがを負った事故、2021年10月には、大阪府大阪市で4歳女児が25階から転落死した事故が発生しています。
2018年10月には、神奈川県川崎市の2歳男児が9階から落ちて重傷を負っており、子どもによる転落事故が相次いでいるのです。
東京消防庁管内では、2017年(平成29年)から2021年(令和3年)までの5年間に、5歳以下の子ども62人が、住宅等の窓やベランダからの墜落により、医療機関に救急搬送されているというデータがあります。
(参考:東京消防庁:「住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する事故に注意!」)
夏と冬は冷暖房も使用により、1日に窓を開ける回数が少なくなりますが、春と秋は、風が心地よいため、常時、窓を開けているケースも珍しくありません。
そのため、春と秋に転落事故が多く発生しやすいことが推測されます。上記の転落事故においても10月、11月で占めていることがわかります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出が少なくなり、ベランダを活用する機会が増えているのです。
例えば、ベランダで本を読んだり、砂場キットを使用したりするなど、さまざまな活用方法により、外出しなくても家で楽しむことができます。
しかし、ベランダに物があるなど、足場になるようなものを置くと転落事故が起きる可能性が高いのです。
子どもがベランダで遊ぶ場合、1人にしているとどのような行動するのか予測ができません。
場合によっては、室外機の上にのる可能性もあります。
ベランダだけでなく、階段の手すりを足がかりにして柵を乗り越えるケースもあるのです。
また、子ども部屋で網戸に寄りかかり、網戸が外れて転落するケースも珍しくありません。
親の目が行き届かない場所で小さな子どもを遊ばせないようにすることが大切です。
建築基準法では、ベランダの柵の高さが110センチ以上あることが定められています。
どうしてもベランダに物を置かなければならない場合でも柵から60cm以上離すことが重要です。
また、ベランダの広さを問わず、子どもがよじ登れないようにすることが1番の対策でしょう。
ベランダの手すりの高さが床面から110cm以上あること、手すりのすき間が11cm以下であること、手すりが腐食していないか定期的に確認することなどが大切です。
子どもが窓や網戸を開けないように手の届かない位置に補助錠を取り付けるのも1つの方法です。
補助錠は、ホームセンターでさまざまな種類のものが販売されており、転落防止だけでなく、防犯性も高められます。