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コロナ禍でも価格は上昇?!首都圏の不動産市場動向について解説(2021年版)

新型コロナウイルス感染拡大が経済情勢に大きな影響を及ぼしています。
国内では、ホテルや商業施設の建設が軒並み厳しい状況で、オフィスではテレワークが急増し、賃貸の解約・移転の増加で新たな働き方が求められています。

そんな中、首都圏の住宅市場の動向も気になるのではないでしょうか?
そこで今回は、首都圏の不動産投資額の現状や首都圏の新築分譲マンション、中古マンション、戸建住宅、投資用不動産の着工件数などについて解説します。

首都圏の不動産投資額の現状

不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)の調査によると、2021年1~6月の首都圏への不動産投資額は、前年同期比25%減の約1兆2300億円となっています。
これにより、都市別では、世界首位から4位に順位を落としています。市場に出回る物件が少なく、海外投資家の不動産購入が減ったことが要因とされています。

(参考:日本経済新聞「1~6月の不動産投資額、首都圏は25%減 JLL調査」)

首都圏の新築分譲マンション市場動向について

首都圏の新築分譲マンションの平均価格は、バブル期にピーク達しましたが、バブル崩壊で2000年辺りまで下落傾向が続いていました。
しかし、2013年のアベノミクスや日銀による異次元の金融緩和で住宅ローン金利は大幅に低下し、マンションの戸当たり平均価格もバブル期の水準に近づきました。

最新の首都圏新築マンション市場動向

不動産経済研究所の調査によると、2021年7月の発売戸数は6.3減の1,952戸となり、2020年11月以来の減少です。
契約率については68.3%で2ヶ月ぶりの70%割れとなりました。

新築マンションの1戸当たりの平均価格は6,498万円で、前年同月(6,124万円)比で6.1%アップしています。
一方、1㎡当たりの単価は98.4万円で、前年同月(91.3万円)比で7.8%のアップという結果になっています。

参考:不動産経済研究所「首都圏 新分譲築マンション市場動向2021年7月」

一般的に新築マンションの価格は、デベロッパーが2〜3年後を目安に販売価格を想定するため、安易に価格を下げられないといっった理由があります。
また、人件費や原材料費などの建築コスト高騰により、新築マンションの価格に影響されていると考えられます。

首都圏の中古マンション市場動向について

コロナ禍においても中古マンションの価格は上昇傾向にあります。
首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で+7.9%の3,913万円で 14 ヶ月連続で前年同月を上回っています。

平均成約㎡単価は60.71万円と昨年同月比で+8.4%となり、15ヶ月連続で上昇しています。
一方、成約件数は3,002件と前年比で 4.9%減少し、5 ヶ月ぶりに前年同月を下回っています。

(参考:​​東日本不動産流通機構発表「2021年7月度の中古マンション月例速報」

首都圏の中古戸建住宅市場動向について

首都圏の中古戸建住宅の平均成約価格は、前年同月比で+12.2%の3,495万円 で、9ヶ月連続で前年同月を上回っています。

また、成約件数は1,248件となり、13ヶ月連続で前年同月を上回っています。

(参考:​​東日本不動産流通機構発表「2021年7月度の中古マンション月例速報」

投資用不動産の着工件数について

国土交通省が発表の2020年11月時点「建築着工統計調査報告」によると、2020年度の投資用不動産の1~11月の着工件数は、全国で282330戸となり前年に比べ-10.3%減少しています。

建築着工統計調査とは?

建築着工統計調査は、建築基準法第15条第1項の規定により届出が義務づけられている建築物を対象とする統計調査で、毎月調査結果を公表しています。
建築主別の建築物の数、床面積の合計、工事費予定額などの結果を提供しています。

民間の業界団体や金融機関など、動態分析などに広く利用されています。
一方、「建築着工統計調査報告(令和3年6月分)」では、6月の新設住宅着工について分譲住宅は減少しましたが、持家及び貸家が増加、全体で前年同月比7.3%の増加となっています。

(参考:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和3年6月分)」

最新の7月分は、前年同月比9.9%増の7万7182戸で、5カ月連続の増加で持ち家、貸家、分譲住宅のいずれも増加傾向にあります。

  • 持ち家は、2万6071戸(前年同月比14.8%増)で9カ月連続の増加
  • 貸家は、2万9230戸(前年同月比5.5%増)で5カ月連続の増加
  • 分譲住宅は、全体では2万1480戸(前年同月比11.0%増)先月の減少から再び増加

(参考:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和3年7月分)」

投資物件とコロナ禍の影響について

コロナ禍においてテレワークの導入を進めている企業も多く、今後は通勤の利便性を考慮した物件選びから住み心地や仕事が捗る環境を重視した物件選びに変化していくことが予想されます。

これまでサラリーマン家庭や一人暮らしのOL、単身赴任などの方は、オフィス勤務が中心であったため、物件選びは通勤時間を重視していたのではないでしょうか。

今後は、自宅で仕事をするための快適性や防音性などを重視する流れが想定されます。
不動産投資の観点からもWithコロナでどのような物件が求められているのかを先読みしていくことが必要でしょう。

まとめ

首都圏の不動産投資額の現状は減少傾向にありますが、コロナ禍においても首都圏の新築マンションや中古マンションの価格は上昇しています。
その理由として、供給量の調整があったり、​​建築コストの高騰により新築マンションの価格が上昇していると考えられます。

これに伴い、新築を断念した方が中古マンションを購入するといった流れで新築・中古ともに価格が上昇しているとみられます。
不動産市場が活況の中、コロナ禍で物件の選び方も大きく変わろうとしています。

最新の動向を常にチェックしながら、適切なタイミングを見極めましょう。

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