トラブルも多い?サブリースのメリット・デメリットを解説

2021.06.21

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不動産投資や賃貸物件の管理業務で「サブリース」という言葉をよく聞くと思います。「サブリースで家賃収入が得られる。」「管理を不動産会社がすべてやってくれる。」などと、注目を集めている反面「賃料が減額された」などといったトラブルも多く報告されています。
ここでは、サブリース契約に関するメリット・デメリットを紹介するとともにトラブル事例、注意点も合わせてご紹介します。

そもそもサブリースとは?

サブリースとは、不動産会社が賃貸経営を行うオーナーからアパートやマンションなどの物件を一括して借り上げ、入居者に転貸する形態です。
「又貸し」や「転貸」とも言われています。

不動産会社は、空室がある・なしに関わらずオーナーに賃料を保証します。これにより、物件の空室リスクを回避することができます。

サブリースの種類

サブリースは、賃料固定型と実績賃料連動型があります。それぞれの特徴を解説します。

賃料固定型

家賃の変動があった場合でも、不動産オーナーは一定の家賃収入が保証されている契約です。世の中の景気に左右されることなく、安定した収入が期待できます。

実績賃料連動型

家賃の変動があった場合に不動産オーナーは、その変動に応じて家賃収入を得られる契約です。景気が悪くなれば家賃収入が下がり、好景気となれば家賃収入が上がる仕組みです。

「マスターリース」と「サブリース」について

マスターリースとは、転貸することを目的として不動産のオーナーと不動産介会社が賃貸借契約を締結することです。

サブリースとは、不動産会社がオーナーから一括借り上げた物件を第三者に転貸する契約です。つまり、不動産会社と転借人の転貸借契約となります。

サブリースの対象物件

  • アパート
  • マンション
  • オフィスビル
  • コインパーキング

など、さまざまなものが対象となります。

サブリース契約にかかる費用

サブリース契約で不動産オーナーに保証される賃料は、家賃の約70〜90%とされています。
すなわち、家賃収入から保証料などを差し引いた取り分が不動産オーナーの収入となります。

サブリース契約のメリット

空室リスクを回避できる

賃料固定型では上記の説明通り、景気に左右されることなく安定した家賃収入を得ることができます。
通常、空室が多くなると家賃収入が減少するので安定した賃貸経営が難しくなります。しかし、サブリースでは空室で家賃収入が下がることもなく、家賃の滞納があっても収入に影響はありません。

管理業務を任せられる

オーナーさんが物件の維持管理、入居者募集、契約更新、入金管理、クレーム対応、退去時の立会いなどの管理業務をサブリース会社にすべて任せることが可能です。
賃貸物件でトラブルが発生してもサブリース会社が管理責任を負います。

確定申告が容易になる

家賃収入は不動産所得に該当するため確定申告が必要です。しかし、管理業務はサブリース会社に一括して任せているので、経費が手数料のみとなります。したがって、収支管理が容易になります。
ただし、物件をたくさん保有していると税理士に依頼するケースもあります。

相続税対策が期待できます

賃貸住宅が建っている土地を他人に貸すと「貸家建付地」として評価されます。サブリースの場合は、空室が生じても基本的に土地全体について貸家建付地として評価されます。
つまり、土地の評価額が減額され相続税対策が期待できます。

計算式は以下の通りになります。
貸家建付地評価額=自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

サブリース契約のデメリット

入居者を選ぶことができない

サブリース業者が入居者募集から入居審査を行います。入居者が居なくても不動産オーナーに保証賃料を支払わなければなりません。したがって、入居審査が甘くなる可能性もあります。

収益の最大化ができない

安定した家賃収入が期待できる反面、収益の最大化が難しい点です。礼金や更新料が発生してもサブリース業者が受け取ることが多いです。
つまり、不動産のオーナーは一定の収入は得られますがそれ以上の収益が得られません。

家賃の値下げや契約終了のリスク

契約更新時に家賃の減額請求や契約終了となるリスクもあります。一方、借地借家法では、借主を保護する規定があり、オーナーからの解約が難しくなっています。

サブリース業者の倒産リスクがある

サブリース業者が倒産すると、不動産オーナーは保証賃料を受け取ることができなくなります。サブリース業者と入居者の賃貸借契約は、そのままオーナーが引き継ぐことになります。

サブリースのトラブル事例

ここでは、過去のサブリース契約によりトラブル事例を紹介します。

経営状況が回復後も家賃を下げれたままのケース

オーナーAが世帯数20戸のアパートを建設し、B社とサブリース契約しました。契約書には10年間の家賃保証が記載がありましたが、6年後に経営悪化によりB社が10万円の家賃減額請求をしました。オーナーAは承諾しましたが、経営状況が回復した後も賃料は下げられたままだったので、B社に対し家賃の増額と、交渉開始以降の差額分の支払いを求める訴訟を提起しました。

家賃減額で100人規模の集団訴訟に発展したケース

企業が土地所有者にアパート建築を提案し、アパートを一括借り上げ30年間家賃を保証するサブリース契約を締結。しかし、リーマンショックの経営悪化により10年未満で家賃の減額請求されたとして100人規模の集団訴訟を提起した事案がありました。

シェアハウスを運営するサブリース会社が経営破綻

不動産投資家向けに「30年間の安定した家賃保証」という謳った女性向けシェアハウスをサブリース契約したものの、空室が目立ち、保証されていた賃料も支払われなくなりサブリース会社が経営破綻した事案です。

サブリース契約の注意点

サブリース契約ではいくつかの注意点があります。それぞれ見ていきましょう。

契約書の内容をしかり確認する

家賃保証の内容はどのような記載になっているのか、家賃保証額は適正で実勢価格とかけ離れていないか、家賃が減額される場合はどのくらい減額されるのかなどを確認しましょう。

また、契約解除については違約金が発生する場合もあります。

免責期間の記載

新たな借主が見つかるまで「一定期間はオーナーに賃料を支払わなくてよい」といった記載あります。この期間はオーナーが無収入となるので、どのくらいの期間であるかを知っておかなければなりません。

諸費用をどちらの負担であるか

広告費や原状回復費用などの諸経費をどちらが負担するかという点です。必ずしもサブリース業者が負担するわけではありません。契約書を見て確認しましょう。

サブリース新法について

2020年6月に「賃貸住宅の管理業務などの適正間に関する法律」(通称:サブリース新法)が施行されました。

具体的には、以下の内容が義務付けられています。

  • 誇大広告等の禁止
  • 不当な勧誘行為の禁止
  • 特定賃貸借契約締結前の重要事項説明

重要事項説明では、サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の管理方法、相手方に支払う家賃その他賃貸条件に関する事項、契約の更新又は解除に関する定めなどがあるときは、その内容などが記載された書面をオーナーに交付して説明しなければなりません。

詳細は、国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」に記載されています。
(参考:国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」)

まとめ

不動産の入口ここでは、サブリース契約に関するメリット・デメリット、トラブル事例、注意点などを解説しました。家賃の減額などでトラブルが多くなる契約ですが、サブリース新法が施行されたので、オーナー側も新法を理解した上で、賃貸経営のノウハウや空室リスクについて学びつづけることが大切です。契約の際には各項目の見落としがないように注意しましょう。

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