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不動産投資業界の不正②

前回の記事では、不動産投資業界に蔓延している不正として、「預貯金残高のねつ造」「源泉徴収のねつ造」について解説をしてきました。

高額な融資を受けるために、年収や現金、勤続年数などを改ざんすることによって、融資を無理やり組むことによって、返済が苦しくなった際、もしくは不正行為が発覚した際に大きな損失を被る可能性があります。

良い条件で融資を受けたいと思っている場合、甘い言葉で不正融資を勧めてくる業者もいるので、注意してくださいね。

今回は、不動産投資業界にて蔓延している不正の中から、「見せかけのサブリース」「カーテンスキーム」について解説していきます。

不正その③、見せかけのサブリースとは?

サブリース契約は、入居率に関わらず一定の収入が入るということで、リスクを嫌う不動産投資家に注目されている契約形態になります。

しかし、本当に入居率に関わらず、安定した収入を受け取り続けることができるのでしょうか?

サブリース契約って何?

サブリース契約とは、入居者がいる、いないに関わらず、サブリース契約を結んだ管理会社から一定の収入を得ることができる契約形態になります。

保有している不動産を管理会社に貸すことで、毎月の賃料を受け取ることができます。管理会社は自社で入居者を募集することで、正規の家賃を受け取り、手数料を差し引いた分、不動産を保有しているオーナーに支払うことで、差額を利益として残せるという仕組みになります。

不動産投資家からすると、入居者とのやり取りは全て管理会社に任せることができ、また収入額も安定するので、滞納リスクなどを避けられるというメリットがあります。

サブリースから起こるトラブルとは?

サブリースが人気だった理由としては「35年間一括保障」といった謳い文句で、ローンの返済まで安定した収入をリスクなく得られるというイメージが、初心者投資家にとって魅力的に見えたからという理由があります。

もちろん、ノーリスクで収入を得続けることなどできません。サブリースにも様々なリスクがあったのです。

不動産を保有しているオーナーからすると、入居者がいてもいなくても同じということもあり、入居者が本当にいるのかどうかを確認する方法もありません。

管理会社から満室稼働していると言われたら、なるほどと納得して満足してしまう投資家も多かったのです。

当然、管理会社としても、空室だらけの物件を保有していたとしたら、決まった金額を払い続けるということはできなくなります。

その為、契約更新の際に、支払う金額を見直しがされたり、サブリース契約を解除されたりすることで、投資家が損失を被るということが頻発してしまったのです。

サブリースの条件が変わることは契約違反ではないのか?

サブリース契約は管理会社が借主、不動産を保有している投資家が貸主になります。

日本国内では、借主を守るために、借主に有利なルールが数多く存在しています。サブリース契約においては、借主が管理会社になるため、多少の契約変更であれば、貸主は条件を受け入れなくてはならないケースも多いのです。

その為、毎月の支払いがマイナスになったとしても、泣き寝入りをするしかない投資家が増えてきてしまっているのです。

また、サブリースとはいえ、入居率を気にする投資家がいたとしても、管理会社から満室経営できていると言われてしまえば、納得するしかないということもありますので、表面的にはメリットばかりに見えるサブリース契約によって、苦しんでいる投資家も多いので、きちんとメリット、デメリットを理解した上で、サブリースを選択するようにした方が良いでしょう。

不正その④、カーテンスキームとは?

空室を隠すという不正行為としてカーテンスキームというものがあります。

なぜ、カーテンスキームと呼ばれるかというと、空室が多い部屋は融資がつきにくいです。管理会社がカーテンをかけることで、表面上、入居者がいるように見えます。

その為、カーテンをかけることで、満室物件に見せることで、投資家を安心させ、銀行から融資を受けるということもできるのです。

カーテンスキームを利用することで、満室経営をしているように見せて、サブリースを契約した投資家を安心させるという方法もあります。

このように、様々な方法で金融機関や投資家を欺く不動産会社も存在しますので、気を付けるようにしましょう。

カーテンスキームから派生したサブリースの罠とは?

5000万円の物件を1億円にして販売する方法として、サブリース契約によって支払う金額を、満室経営できた場合に得られる金額以上の金額を支払うことによって、物件価格を釣り上げるという不正もあります。

サブリース契約とは、満室時に得られる賃料よりも少ない金額になるのが通常です。管理会社の手数料や管理委託料などが含まれるからです。

しかし、サブリース契約で支払う金額を高く設定することで、物件の販売価格を高くしても、購入希望者を集めることができるのです。

当然ですが、満室であったとしてもマイナスになりますし、空室があったとしてもカーテンスキームでごまかしているわけですから、破綻するのは目に見えています。

評価額よりも高額な物件を売り続けることで、表面的に売り上げを伸ばし、利益を稼ごうとしている不動産業者が利用する悪質な不正行為といえるでしょう。

不動産投資業界の不正のまとめ

不動産の入口 不正不動産投資の融資における不正として、「見せかけのサブリース」「カーテンスキーム」について解説をしてきました。

サブリース契約は、利益を確保する不動産投資の手法の1つではありますが、同時に、初心者である不動産投資家がカモにされやすい契約形態でもあります。

リスクを取りたくないという投資家の心理を狙って、「35年間一括保障」「安定的な利益の確保」など、耳触りの良い話を持ってこられた場合、きちんと調べて不正ではないか確認をした上で判断をするようにしましょう。

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