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首都圏でもサブリースアパート2025年問題は起こり得るか!?

サブリースという仕組みは、一見すると契約業者が投資家に入ってくる賃料を一定に抑えてくれる魅力的なものに思えます。しかし、実際にはどこかのタイミングで賃料が下げられるリスクのあるもので、サブリースの賃料引き下げが問題となっております。

特に日本の人口減少を主因にこうしたサブリース賃料の引き下げが大きく進むリスクのことを「2025年問題」と言われています。さて、人口減少によるこのサブリース2025年問題はもちろん地方では頭の痛い問題ですが、果たして首都圏でも起こることなのでしょうか。今回は首都圏での2025年問題について紹介します。

首都圏でもサブリース2025年問題は無視できない

おそらくサブリースを勧めてくる業者の多くは「首都圏ならば人口が減らないから大丈夫」というセールストークを展開することと思います。これ自体は別に嘘を言っているわけではありません。実際に東京都の人口減少は、2045年まで見通しても始まらないと見られているので、見通しベースで「首都圏は人口が減らない」はある程度的を得ています。

しかし東京都人口が減らない=サブリースの賃料が下がらないと決めつけることには2つの点でリスクがあります。

1つ目は全体の人口が減らなくとも、人口構成が変わっていくことです。賃貸需要というのは大学生〜独身労働者の人口が多いと増える傾向があります(あくまで傾向です)これを年齢に倒すと20代〜40代の人口に特に比例する傾向にあります。翻って東京都の年齢別人口構成の見通しをみてみますと、高齢化は東京都でも着実に進行するため、20〜40代の人口はすでに減少サイクルに入っていると予想されています。

2つ目は東京都といっても、地域によって人口変動に大きく差があるということです。
例えば「港区」「千代田区」「中央区」は先の20代〜40代の人口を見ても、2045年ごろまで現状より人口増を維持すると予想されています。一方で、23区でも「足立区」「江戸川区」などでは2045年には現在より15%以上減少すると見られています。また多摩地域ではもっと顕著で、西部の市では30〜40%の減少幅となる市もみられます。ちなみに相対で言えば2025年時点で現状より20代〜40代の人口が増加している地域は23区のほんの一部のみとなります。

上記の賃貸需要を支えるボリューム年齢の人口減少により東京都内でも2025年問題は無視できないということと、またその影響度合いが東京都内でも地域差が大きいということを認識しておく必要があります。

レオパレス問題で賃料が下落する可能性が大!?

レオパレス問題は直接的には、レオパレスが手がけた建築物件の多くが建築基準法に適合しておらず、またそれを隠蔽したまま運営されていたことにあります。しかし間接的な影響として、サブリース契約者の賃料引き下げが相次いでいることがあります。

レオパレス自身が経営に行き詰まり始めている、また物件自体の問題から充分な入居者が集まらなくなる、そもそも建物の修繕の間入居を休止する必要があるなどの要因で、元の賃料が維持できなくなったため、止む無く引き下げに走ったものです。

これに対して一部オーナーから訴訟が起こっているようです。彼らの主張によると「最長で30年の賃料保証」の謳い文句を受けて契約したとのことです。サブリース契約は万が一業者が全く賃料を維持できなくなってしまった場合のことを考え、契約書内には賃料を変更できる余地が盛り込まれているのが普通なのですが、セールストーク上は賃料の長期間保証をほのめかすことを言われたり、また広告でも一見そのように誤認するような記載が散見されます。このレオパレスのようなサブリース賃料の引き下げの訴訟は時々起きていますが、今回は規模が大きくなってことで注目されている状況です。

さて、このレオパレス問題はサブリース賃料全体にネガティブな影響を及ぼすとみられています。まずこのような物件リスクを業者が意識することで、サブリース賃料をこれまでより保守的に見積もる=収益性が低下することが懸念されます。入居者の物件に対する目がきびしくなることでこれまでと同賃料で入居者を募りにくくなるという問題もあります。加えて「長期保証」を意識させるような契約が危険を伴うことをこれまで以上に認識することで、これまでほど長期契約を良しとしない動きが出てくるでしょう。投資家としては長期間賃料を固定化することがこれまで以上に難しくなってきます。

築10年を超えた物件のサブリースの危険性

さて、サブリースにおいては築10年を超えてくると危険性が高くなってくると言われています。あくまで目安であることは留意が必要ですが、賃貸物件というのは概ねそのころから修繕などでコストがかかる一方で、賃料については「新しさ」でうるのが難しくなり、高い賃料を実現しにくくなります。サブリース業者は入居者から受け取る賃料が管理コストと投資家に支払う賃料の合計を上回っては経営が行き届かなくなります。もちろん正当な業者はこの辺りの可能性まで加味してサブリース契約を結んでおりますが、10年後の賃料水準と物件更新コストを見積もるのはそう簡単ではないことですので、実態としてはこのころからサブリース契約の賃料引き下げ交渉が頻繁に起こる事例が見受けられます。

もちろん自身が所有して10年を経過した物件について注意が必要というのも確かですし、もし築10年以上の物件をサブリースで運営しようと考えている場合はより一層慎重になる必要があります。これが先の2025年ごろからの人口減少とぶつかってしまうと、より一層賃料の引き下げが大きくなるリスクも高まります。2025年に築10年以上となる2015年より前に建築された物件については注意深くとりあつかいましょう。

サブリース2025年問題に対する対策

さて、ここまでサブリース2025年問題が東京都内でも無視できない問題であることを確認しましたが、続いては来たる2025年に向けて取るべき対策について考えてみたいと思います。

まず「そもそもサブリースを利用するのか?」という根本的な問いがあります。サブリースの賃料は少なくとも当面は業者が空室リスクを負担するわけですから、基本的には本来入るべき賃料より「割安」となっています。また自身で運営すれば投資家自身に入る敷金・礼金なども業者が得る契約になっているのが一般的です。つまり自身が適切に管理するのであれば、確率的には「サブリースを利用しない」方が収益を大きく得られる可能性は高くなります。

とはいえ、賃料を固定化する方が重要、管理を自身で行うのが困難といった場合はやはりサブリースを検討したい方も多々いるかと思います。この場合意識すべきは都心・好立地に徹底的に拘ることです。都心の好立地物件はおそらく初期投資費用が高い、期待利回りが低いといった弊害がありますが、そうした点を飲んで都心・好立地に徹底的に拘ることが最も近道です。23区内のうち北部・東部を避ける、多摩地区ならば東部の市に徹底的に拘る、そしてそれぞれの駅近高利便性の物件に拘るということを徹底しましょう。こうした地域は市区町村ベースで賃貸需要が落ちにくいですし、また好立地あればそのなかでもとりわけ耐久力のある物件ということになります。初期投資額は高くとも、利回りをしっかり確保するためには必要割り切り、躊躇せずにこだわり抜くことが肝要です。

尚、別の解としては高齢者施設、バリアフリー物件など高齢者にも需要が出やすい物件投資を検討するというのもあります。サブリースを諦め自身で運営するのであればこれも有力な対策となると考えておりますが、こうした物件はサブリースにするのはやや難しい、できるとしても不用意に不利な条件にされるリスクがありますので、高齢者の需要を取り込む方策をとる場合は自身での賃貸運営をまず考えましょう。

まとめ

不動産投資サブリース2025年問題は日本の人口減少という構造的な問題に起因するものですので、完全にその影響を回避するのは難しいと言えます。しかし、物件選別を厳密に行うことで、その影響度合いを緩和し、厳しい時期でも収益を維持できる可能性は充分あります。その点では当初の物件選択が鍵を握る部分が大きいのですので、ここで判断を誤らないよう、充分注意深く臨みましょう。

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