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2019年問題!?どんな問題が起きる!?その対策は!?

2019年はまさに今年ですが、実は日本における不動産投資においては2019年という年はさまざまなリスク要因があり、注意すべき年と言われております。
それらを総称して俗に日本の不動産市場における「2019年問題」と言われております。今回は2019年問題を構成するリスク要因を紹介します。

世帯数ピークアウトが迫る

日本の人口数については2008年にピークアウトを迎えたと言われており、現在はすでに現象トレンドに入っております。
不動産市況にとって人口数は基本的に物件を余らせるのでマイナス要因ですが、実は一人暮らし世帯の増加などを背景に、足元は人口は減っていても世帯数は増加傾向でした。

もちろん二世帯物件などもあるので、世帯数=物件数と完全一致するわけではないものの、基本的には世帯数の増加は不動産市況にとっては下支え要因です。

しかし、その頼みの世帯数もまもなくピークアウトしていくと言われています。
早い予想では2019年がそのピークになるといわれております。

実際には世帯数を完全的中させることは難しいので概ね2019〜2023年ごろで予測にはばらつきがありますが、いずれにしてもまもなく世帯数が減少に転じ、物件需要が落ち込んでいくと懸念されているわけです。
世帯数減・人口減に耐える不動産投資戦略を考えていく必要があるでしょう。

東京オリンピック特需の終了

オリンピックによりここ数年は不動産市況が特に首都圏を中心に好調でした。
そもそもオリンピックでなぜ不動産が好調になるかを簡単に説明しておきますと、都心の再開発の進捗による都市の機能向上、オリンピックまで政府の景気下支え期待、「オリンピックをやる都市」としての訴求力の上昇などが作用しており、ここに国内投資家はもちろんながら、海外投資家の流入が促進されます。

これが「オリンピック」という世界レベルでのイベントの訴求効果となっています。

さて、実はオリンピック特需は過去の傾向からいくと、開催1年前をめどにピークアウトしていくと言われています。
不動産投資は一般的に短期投資ではないので、開催まで1年程度となってくると、新規に投資を始める人が減ります。

加えて、既存の不動産投資家は開催前までに利益確定に走りますので需要減・供給(売却)増となるのです。
これにより1年前、つまり今次の東京オリンピックの場合は2019年からオリンピック特需の剥落が進むことになるわけです。

長期譲渡所得税の影響

このオリンピック特需が2019年に剥落することに「拍車」をかけるのが譲渡所得のスキームです。
譲渡所得税は別の記事でも紹介しておりますが、短期譲渡所得税と長期譲渡所得税で税率に差がありますが、ちょうど5年を境に税率が変わります。

譲渡(=売却)した年の1月1日時点での所有期間が5年以下の場合の短期譲渡所得は、所得税30%・復興特別所得税2.1%・住民税9%で合計が40%強。
5年を超える場合の長期譲渡所得は所得税15%・復興特別所得税2.1%・住民税5%で合計20%強と半分に低下します。

ここでポイントとなるのが東京オリンピックの開催決定のタイミングですが、これは2013年9月のIOC国際会議です。
つまり、このニュースを聞いて不動産投資を開始した方は、2019年から売却益に適用される税率が長期譲渡所得の税率となるのです。

この点は特に中国を中心とする海外投資家勢が意識している方が多いと言われており、税率が下がるタイミングで売却が進むのではないかと言われております。

10月消費税増税の影響

すでに周知の通り2019年の10月には消費税が10%に引き上げられます。
消費税は土地代にはかからないので、一見影響が少ないように思われますが、様々な側面からやはり影響ゼロとはいえず、どちらかというと「マイナス要因」とならざるを得ないようです。

まず住宅建築現場では、消費税増税は需給に大きな影響を与えていて、いわゆる8%のうちに取引を完了させようとする「駆け込み需要」が発生しています。
注文住宅の場合は、契約が増税の半年前(もしくは引き渡しが増税前)、建売の場合は引き渡しが増税前ならば8%の税率が適用されます。

つまり、注文住宅の駆け込みピークがそろそろ終わり、建売の駆け込みがまさに今ピークとなっております。
住宅業者もそれを見込んで足元は積極的な住宅の分譲化と販売を進めております。

これは確実にこのあと反動減が待っておりますので、増税後は住宅ニーズによる土地の需要が落ち込むので、不動産市況の落ち込みにつながります。

また、上物を建設しようとする場合も10月までに引き渡せる場合は税率8%が適用されますし、また不動産売買における仲介手数料についても同様です。
これにより、10月までは手数料やコスト削減のため、増税に間に合わせようと積極的に土地の売買や建設ラッシュとなることが想定されます。

これにより10月までに新規投資をしようとすると思うように物件がみつからない、建設業者が手一杯で計画通り建設できないといった問題が発生したりします。
また10月を過ぎるとこれらが急に解消され土地を見つけやすい、建設業者と契約しやすいといった状況になる一方、不動産市況としては需要が減退しやすい環境となります。

消費税増税はこのようにほかの要因より複雑な事情をはらんでおりますが、やはり不動産市場の「変動要因」となることは間違いないでしょう。

2019年問題に立ち向かう投資のアイデアを考えてみる

このように2019年は日本の不動産市場において逆風となりやすい要因が複数存在していることから、俗に「2019年問題」と言われております。
これら複数の要因が需要を押し下げることで、2019年以降はここまで総じて好調であった不動産市況が悪化する可能性が想定されるわけです。

不動産投資家においてはこの2019年問題を意識した投資戦略を考えていく必要がありそうです。

例えば、投資の地域をより精緻に意識してみましょう。
首都圏はいまでも利回りが上がりづらい分リスクが低い傾向にありますが、今後も首都圏については当面人口流入が続く見込み、一方で地方はより速いペースで人口減が進むことを鑑みると、都心部の優位性はより向上するといえます。

そのほか、少し長期的な視点に立てば、リニア開通を意識して名古屋地域へ投資する、2025年大阪万博に向けた特需を期待して大阪地域に投資するといった考え方もあります。

あるいは今後もニーズのありそうなセクターを意識した投資も考えてみましょう。
今後の日本はさらに高齢化が進むことから高齢者向けのサービスのニーズはまだ堅調と想定されますし、高齢者が住みやすい物件や立地は相対的にニーズが高まりやすいと考えられます。

そもそも高齢者施設や医療関係施設が入居している物件に投資するというのも一考ですし、普通の住居投資をするとしても、バリアフリーを意識する、駅だけとの距離だけではなく医療機関との近接具合を考えるなどといったポイントを考慮するのもいいでしょう。

海外からのインバウンドも要チェックポイントです。
海外投資家の投資ニーズはおそらく東京オリンピックを境にある程度一巡しますが、海外からのインバウンド需要はそれよりは底堅く推移すると想定されます。

なぜならば海外からのインバウンド需要には日本のオリンピック特需だけでなく、アジア諸地域の経済発展も寄与しているからです。
前者は2020年に終わりますが、アジア諸地域の経済発展は今後も続くので、日本への観光客をはじめとしたインバウンド需要は中長期的に底堅いと想定されております。そうした意味では海外観光客ニーズの高い地域をピックアップして事業用投資などを試してみるのもいいでしょう。

2019年問題を意識したうえで自分なりの対策を建てよう

2019年、まさに今年は日本の不動産市場において変動要因となる様々な事象が予定されている要注意な年です。
まずはさまざまなリスクファクターを認識したうえで、今後の投資戦略を考えていくことが重要です。

場合によってはこのタイミングで一旦利益確定するというのも一案ですし、攻めの姿勢を崩さないということであれば、上記に挙げたような「ポスト2019年に強いポイント」を意識した不動産投資も一考です。

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