HOME

大規模修繕とは!?工事内容は?どんなことするの??

一棟オーナーの皆様は「大規模修繕」についてどのようにお考えでしょうか?
知識の幅は個々人により様々だと思いますが、おそらく「結構費用がかかる」程度のイメージはお持ちでいらっしゃるかと思います。

今回はそんな大規模修繕にスポットを当てて解説しつつ、その心構えについても考えてみましょう。

大規模修繕の頻度

国土交通省が発行している「長期修繕計画作成ガイドライン」という資料があるのですが、ここには「外壁や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期が12年程度」という記載があります。

殆どの方は20~30年程度の融資を組んで不動産投資をされているかと思います。 そうすると完済までに2回ぐらい大規模修繕をやらなければならない様な計算になります。
しかし現場では、12年という周期で、必ずしも修繕が行われている訳ではありません。 「何か起こったら、あるいはヤバそうだったらやる」といったケースも多いように思います。
この12年という数字、結論から言えばあながちデタラメではありません。
それを知る為には、先ず大規模修繕とはそもそも何をやるのか、という事を知る必要があると思います。

大規模修繕って何をやるの?

先ほどの長期修繕計画ガイドラインには「外壁や屋上防水などを行う大規模修繕工事」という記述がありました。
これらのみを指して大規模修繕工事という訳ではありませんが、大規模修繕を計画した際に、多くの場合で真っ先に検討箇所となるのは屋上と外壁です。

屋上と外壁は、言うまでもなく建物の表層であるので、常に風雨に晒されている訳ですから、ダメージが蓄積しやすい箇所であると言えます。
よって最も注視しなければならない箇所と言えるでしょう。

屋上防水工事

殆どの場合、屋上の工事とは防水工事を指します。
しかし、その施工方法はあまりにも多く、あまり工事に詳しくない人は倦厭しがちな分野です。

ここでお持ちの不動産の、建物の登記簿謄本をご確認ください。
表題部にある、構造の欄を確認してみましょう。
そこには屋根の形状、又は材質が書いてあります。

瓦葺、セメント瓦葺、陸屋根、スレート葺、亜鉛メッキ鋼板葺、合金メッキ鋼板葺、アルミニューム板葺、コンクリート板葺、ステンレス板葺…
ざっと思いつくだけでもこれだけあり、構造毎にまたいくつか選択され得る工法があるという、中々にとっつきにくい代物となっています。

でも実はこれ、いろんな施工方法こそあれ、それらを物凄く端的に言うと

  • 何らかを「塗る」工事
  • 何らかを「貼る(被せる)」工事
  • 全部「取り替える」工事

メジャーな工事は、この三つに殆ど集約する事が出来ます。
先ずはこの三つについて、投資用物件の屋上の構造としては最もポピュラーである「陸屋根」と「スレート葺」を例に見ていきましょう。

「塗る」工事

これは耐水性のある塗料や施工材を塗って防水層を作る工事の事です。
その特徴は手軽さにあります。

単純に材料を塗り付けるだけなので、施工場所を問わず工事を行う事ができ、費用も安価で済む為、改修工事では最も多く用いられる工法と言えるでしょう。
デメリットとしては、他の工法に比べ耐久性に乏しいことが挙げられます。
特にスレート葺の場合は注意が必要です。なぜならスレート葺の塗る工事は、どちらかというとメンテナンスの様な工事であり、もってもせいぜい10年程度。
あまりに状態が悪い場合は、根本的な解決にならない可能性もあります。
陸屋根の場合でも12年程度の耐久性と言われており、国土交通省が言う改修期間の根拠にもなっています。

「貼る(被せる)」工事

これは耐水性のあるシートやカバーを、既存の構造の上に貼りつけて(又は被せて)防水する工事です。
シート自体にデザイン性を持たせる事も可能である為、人が立ち入りやすい場所や、人の目につきやすい場所の防水工事としても広く用いられています。
注意しなければならないのは、陸屋根かスレートかによって工事単価が大きく異なる事です。
陸屋根の場合、塩化ビニール系のシートを貼りつける工法が主流ですが、シートのデザイン性を問わなければ、費用は塗る工事と同程度で済むことが多いです。また耐久性も塗る工事より高く、約13~15年程度の耐久力があるとされています。

スレート葺の貼る工事は少々大胆な工法で、端的に言うと既存の屋根にもう一層屋根を構築するような作業になります。
費用は「塗る工事」よりも高くなりますが、新品の屋根がくっつくような恰好になるので約15年~20年程度の耐久力を有するようになります。

デメリットとしては、シートや施工材同士のつなぎ目や、角や端の部分の施工難易度が高くなるため、職人の腕によって仕上がりが左右されやすい点にあります。
またスレート葺の場合、屋根自体が重くなってしまう為、古い物件の場合は耐震性に若干の影響が出る可能性があります。

「取り替える」工事

屋根を丸ごと取り替える工事であり、通常「葺き替え」と呼ばれています。
陸屋根ではあまり採用される工事ではなく、それ以外の屋根で採用される可能性がある工事となります。

要は新品にしてしまう訳ですから、当然ながら耐久性は抜群です。一応耐久は20年程度と言われていますが、塗る工事をしてしっかりメンテナンスをしていれば、30年以上の耐久性を有します。
逆に30年以上経過しているようであれば、そろそろ葺き替えの検討時期かもしれませんね。

費用は「塗る工事」「貼る工事」よりも高額になります。更に注意して頂きたいのが、その建物の建築時期です。
具体的には1995年以前、更に古く1975年よりも前の建物は要注意です。
なぜならこれらの建物の屋根には、アスベストを含む施工材が使用されている可能性があります。
石綿障害予防規則という法律が平成17年に施行され、これによってアスベスト含まれた施工材を使用した建物の解体等をする場合、アスベストを飛散させないように専門業者による適切な施工が必要になり、その為の費用も発生します。
施工難易度によって費用は異なりますが、アスベストが含まれていると別途費用が発生するケースもあります。

ここまで見て頂ければお解りの通り、実は陸屋根の場合、施工単価自体はあまり差がありません。
施工難易度等による差は出ますが、ざっくりとした試算は可能です。

注意して頂きたいのはスレート葺です。
工法によって大きく差が出ますので、今の物件の状態に対してどのような工事が適切なのかを、しっかり見極める必要があります。

外壁の工事

外壁の工事をする目的としては「防水」と「外観維持」の二つが考えられます。
当然目的ごとに取るべき手段は異なる訳ですが、結論から言えば屋上防水のように外壁の工事費にある程度の目安を求めるのは非常に困難です。

先ず防水を目的とした場合、実は屋上もそうなのですが、外壁はそれ以上に漏水の原因特定が困難な場合があるのです。
よって、何らかの被害が確認できてから対処するか、あるいは外観維持の工事の際に一緒にやるかの2択が多い様に思います。
しかし、外観維持を目的とした工事の場合でも、どこまでお金をかけてどこまで綺麗にするのか、裁量に幅があるため目安がつき難いのです。

ただし、外壁の工事は基本的に足場を組んで行う事が多いため、足場を組んだついでに包括的に様々な工事を行ってしまうケースが多いです。
その方がバラバラに工事を行うよりも、トータルの工期やコストを低く抑える事が出来ます。
特にひび割れ補修の場合、そのひび割れが緊急性を要するものでなければ、外壁塗装や洗浄の時期まで留保するというケースが多々あります。

しかしいくら「包括的に」とは言え、闇雲に全部やろうというのも考えもの。
特に注意が必要なのが外観維持の工事で、常に費用対効果を考える必要があるでしょう。 あくまで投資な訳ですから、いくら外観を綺麗にしたとしても、それが収益性改善に繋がらなければ、効果のある工事とは言えません。

まとめ

不動産投資 不動産の入口 今回は大規模修繕の中で屋上と外壁の工事について説明しましたが如何でしたでしょうか。
将来的な売却を考えた場合、部分的な補修よりも全面的な補修をしておいた方が、物件の価値は上がり将来的な売価も高くできるでしょう。
しかし半年後に売却を考えていた場合、大きな工事を行って原価を吊り上げるような行為が適切とは言い難いですよね。
今後の戦略の一つとして、相見積もりを取ってみてはいかがでしょうか?

相続/生前贈与のご相談なら

業界歴30 年以上、案件実績1400件越えの
ベテランスタッフが相続案件にご対応!

近年話題の
「空き家問題」
の解決にも!
当社指定の税理士を
特別価格でご紹介!

関連記事

無料相談実施中