前回の記事では「審査に通過するための基準やポイント」として、金融機関がどういった点をチェックしているのか解説しました。
しかしながら、そもそも住宅ローン審査通過に向けて、皆さんはご自分の状態を正しく把握できているでしょうか。もしかしたら“ちょっとしたこと”が足を引っ張って、知らないうちに審査に不利な状況になっているかもしれません。
今回は、そんな「知らないと損」する基本ルールを解説します。

すでにキャッシングローンやオートローン(自動車ローン)を利用している方は、住宅ローン審査前に一度その残高を確認してみましょう。 これらの既存ローンはすべて「借入負担」としてカウントされてしまいます。
住宅ローンは「返済能力」を特に重視されるローンです。住宅は高額な買い物なので、金融機関としても「この人は将来にわたってしっかり返してくれるか?」という視点で慎重に審査を行います。
もしオートローンの毎月返済額が大きければ、金融機関としては当然「住宅ローンの返済と両立できるのか?」という懸念が生まれます。また、仮に収入が高くても、返済比率(後述)を超えていると審査落ちの原因になりかねません。
住宅ローンを組む前に他のローンは完済しておくのが理想です。あと数ヶ月で完済できるローンがあるなら、完済してから住宅ローンの審査に入るだけで印象がぐっと良くなります。また、オートローンと住宅ローンを同時に検討している場合は、住宅ローンの方が審査が厳しいため、住宅ローンの審査を通過してからオートローンを組むとよいでしょう。
いずれにしても複数ローンを組むのなら、必ず無理のない範囲でお申し込みすることが大切です。
クレジットカードをたくさん持っているからといって、イコール出費が多いとは限りません。しかし、実際には普段まったく使っていないカードでも、所有していることで"借金可能な枠”としてカウントされてしまいます。
たとえば限度額100万円のクレジットカードを7枚持っている人は、合計700万円まで借りることができる状態にあります。金融機関はこの「将来の潜在的リスク」も考慮するため、カードを持っているだけでマイナスになる可能性があるのです。加えて、複数のカードを所有していると「この人はお金の管理がルーズなのでは?」と見られてしまい、審査に不利な印象を与えてしまうことも。

まずは不要なカードを解約することから始めましょう。 一般的には3枚程度のカードを使い分けしている方が多いようです。引き落とし口座や利用履歴もある程度まとめられ、自己管理のしやすさにもつながります。
4枚以上お持ちで下記のようなカードがあれば、思い切って整理を検討しましょう。
・ほとんど使っていない
・年会費だけ発生している
・似たような用途のカードが複数ある
クレジットカードを1枚も持っていない方の事をスーパーホワイトと呼びますが、借入審査においては"返済履歴(信用情報)が確認できない"ことになり、支払い能力を見極める判断材料が少なくなります。カードの持ちすぎも、まったく持たないことも、極端では審査に影響があるため、ほどよい利用を心掛けましょう。
意外と知らない方も多いのですが、「ちょっとした支払いの遅れ」も信用情報に記録されてしまいます。 信用情報機関(CICやJICCなど)には滞納や支払い遅延の情報が一定期間記録される仕組みになっており、金融機関の審査時にはこの情報を必ずチェックされるのです。
たとえば……
こうした出来事は「信用に問題あり」と判断されてしまいます。特に若い世代や、初めての住宅購入者に多い落とし穴です。
今からでも遅くありません。まずは“今後遅れないようにする”ことが最優先です。
また、自分の信用情報を開示請求(CICの場合インターネット開示500円、郵送開示1,500円)すれば現在の情報を確認できます。審査が始めってから「思わぬ履歴が残っていた…」と気づく方も少なくないため、一度ご自身の状況を調べておくと安心です。
住宅ローンの審査では返済比率(手取り年収に対して年間どれだけのローン返済をするかを示す割合)が重視されます。一般的に、返済比率が25%を超えると返済能力に不安があるとみなされます。返済比率が低ければ低いほど審査に有利に働くため、ローンの返済額を適切に設定することが大切です。
<例1>
手取り年収500万円、返済額100万円/年で返済額を設定したい場合 → 返済比率20%
この場合、返済負担が少ないとみなされ、審査に通りやすくなります。
<例2>
手取り年収1200万円、返済額500万円/年で返済額を設定したい場合 → 返済比率約40%
こちらは返済負担がとても大きいとみなされ、審査を通る事は厳しいです。

理想の返済比率は20~25%以下です。この割合であれば比較的家計への影響は少ないとみられています。
上限は30~35%あたりが目安とされており、この返済比率を超えると、たとえ他の条件がよくても審査通過は難しくなります。もし返済比率が高くなる場合は次のような対策をとりましょう。
特にペアローンや収入合算は、世帯全体の返済能力を高める手段として有効です。
住宅ローン審査では、数字だけでなく「お金との向き合い方」も見られています。今回挙げたポイントは住宅ローン審査で必ず関わるため、どれも知らないと損をする基本知識です。逆にいえば、事前に整えておくだけで審査通過の可能性が高まります。
もしご不安な場合はファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。今日からできることをひとつずつ着実に進めて、マイホーム購入への道を開いていきましょう!
