賃借人が外国人の場合、言葉の壁はもちろん、日本特有のルールや契約の仕組みなどについても十分理解してもらう必要があります。スムーズに賃貸契約を進めるために、どのような点に注意すべきかを詳しく解説します。
日本の賃貸市場には独自のルールがあり、物件を借りる際には敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用が必要になります。
敷金は退去時にクリーニング費用などを差し引いた上で返金される保証金のようなものであり、礼金は貸主への謝礼として支払うものです。最近では礼金不要の物件も増えていますが、依然として多くの賃貸契約で必要とされています。これらの費用があるため、契約時には家賃の数カ月分の資金を準備しておく必要があるのです。
母国では存在しなかった費用を請求した際、説明が不十分だとトラブルに発展しやすくなるので、何のための費用か理解してもらいましょう。
日本では保証人を求めることが多いです。日本人であれば親や親戚が保証人になるケースが一般的ですが、外国人は保証人を見つけるのが難しいため、多くの方が保証会社を利用しています。契約時には一般的に家賃の50%~100%程度の保証料がかかるので、こちらも十分な説明を行いましょう。
契約を進める際には在留資格やビザの種類にも注意が必要です。貸主側は当然長期的に家賃を支払えるかどうかを重視するため、短期滞在ビザで来日している場合、在留期間が短い=すぐに空室になってしまうことを恐れます。そのため正式な在留資格を得ており、できるだけ長期間のビザを取得している方が好まれる傾向です。

言葉の問題も賃貸契約を進める上で大きなハードルとなります。貸主側が日本語しか話せない場合、不動産エージェントや通訳を頼ることになります。最近では外国語対応が可能な不動産会社も増えていますが、まだまだ限られた数しかありません。
契約書もすべて日本語で書かれているので、契約内容をしっかり理解してもらうためは、社内で対応できる人員を確保するか、たとえ費用がかかっても専門家に相談することがトラブル防止になります。
入居後の生活にも注意点があります。例えば、夜間に大きな音を出したり、ルールを守らずにゴミを出したりすると、近隣住民とのトラブルにつながることがあります。特に集合住宅では、住民同士のマナーが重視されるため、周囲との関係を良好に保つよう心掛けることが大切です。また、退去時には原状回復が求められるため、室内の傷や汚れに注意しながら生活してもらう必要があります。
こうしたマナーは長年日本にいる日本人であれば肌感覚で自然と行動できる人が多いですが、国によってして良い事/悪い事は異なるため、細かいルールも伝えていた方が懸命でしょう。

日本の賃貸市場には外国人にとって難しい点が多いですが、事前にルールや仕組みを伝え、適切に準備をしてもらうことでスムーズに契約を進めることを目指せます。ただしトラブルもまだまだ多いので、不安なこと、わからないことがあったら外国人との賃貸借契約に詳しい専門家に相談しましょう。
