一棟マンション投資は区分マンション投資に比べ、初期費用が高くなり、リスクが大きいイメージを持たれている方もいるでしょう。
しかし、一棟マンションならではのメリットもあります。
そこで今回は、一棟マンション投資の仕組みや初期費用、一棟マンションのメリット、リスクについて解説します。
一棟マンションは、マンションを一棟丸ごと購入することです。
多くの部屋から家賃収入(インカムゲイン)が期待できます。
また、一棟マンションを売ることも可能で売却益(キャピタルゲイン)を得ることもできます。
不動産投資としては、ハイリスク・ハイリターンと言えます。
東京都で一棟マンションを購入すると、数億円程度かかります。
新築マンション以外にも中古の一棟マンションを購入することも可能です。
不動産投資の初期費用は、一般的に物件価格の5%~10%程度と言われています。
物件を購入する際、金融機関から融資を受ける場合には、頭金を支払うことが一般的です。
頭金は物件価格の10%~30%程度です。良い条件がそろえば頭金0円のフルローンを組むこともできます。
一棟マンション購入時に不動産会社へ仲介手数料を支払います。
仲介手数料は、宅地建物取引業法(第46条)や国土交通省告示(第493号)で上限が定められています。
物件代金 | 仲介手数料の上限額 |
200万円未満 | 売買代金額5%+消費税 |
200万円以上400万円未満 | 売買代金額4%+2万円+消費税 |
400万円以上 | 売買代金額3%+6万円+消費税 |
一棟マンションを取得すると不動産取得税が発生します。
不動産取得税の計算式は、以下のとおりです。
不動産取得税 = 建物の固定資産税評価額 × 税率4%
建物にかかる不動産取得税については、2024(令和6)年3月31日までに「住宅」として取得した建物に対しては、3%(本来4%)の軽減税率が適用されています。
不動産の売買契約を結ぶ際は、印紙税が課せられます。
2024年(令和6年)3月31日までは軽減措置が取られています。
マンションを購入したときに権利関係を公示するため、登記を行います。
登記手続きの際、国に納める税金が登録免許税です。
登録免許税の計算方法は、以下のとおりです。
登録免許税 = 課税標準金額 × 税率
災害などに備えて、火災保険や地震保険への加入が必要になります。
ただし、火災保険は強制加入ではありません。
一棟マンションに投資するため、満室であれば、すべての部屋から家賃収入を得られます。
そのため、投資資金を早く回収することができるでしょう。
また、区分投資と比較すると利回りも高くなります。
区分マンションでは、管理組合と区分所有者で計画を決めることがほとんどです。
一棟マンションでは、オーナーが管理計画を立てられるため、希望どおりの計画を進めることが可能です。
たとえば、修繕やリノベーションなどもオーナー中心で提案できるので、すべての部屋に導入することもできるでしょう。
空室が多い場合でもランニングコストは支払わなければなりません。
キャッシュフローを圧迫しないよう、空室対策が必要です。
入居者が何らかの理由で家賃を滞納するケースもめずらしくありません。
最近の物価高騰などにより、家賃滞納が発生する場合もあります。
入居審査で厳しくするか、家賃保証会社への加入を条件にするなど、リスクに備えましょう。
自然災害はいつ発生するかわかりません。
区分マンションよりも損害が大きくなるため、物件を選ぶ段階で地盤なども調べておきましょう。