2022.12.19
2023年(令和5年)4月24日から「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属制度)」が開始されます。
所有者不明土地の発生することを予防するために開始される制度ですが「相続した土地の管理が大変」「相続した土地を放置してて困っている」など、さまざまな状況により、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、相続土地国庫帰属法の仕組みや相続土地国庫帰属制度が新設された背景、土地所有者に関する適用要件、対象となる相続土地の要件などについて解説します。
相続または遺言によって土地の所有権を取得した方が、法務大臣の承認を受け、一定の負担金を納付することを条件として、土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度です。
相続した不要な土地を所有している方であれば、誰でも帰属を認めてくれるわけではありません。
土地の管理コストによる国への不当な転嫁やモラルハザードを防ぐ目的として一定の要件を定めています。
そのため、あくまでも所有者の申請に基づき、法務大臣の審査を経て、要件を満たす場合に土地を国庫に帰属させることができるのです。
少子高齢化や人口減少などにより、地方を中心とした土地所有の意識が薄れるとともに土地の利用者も低下し、相続した土地を手放したいという方が増加傾向にあるとみられています。
また、相続発生後の名義変更が行われていない「所有者不明土地」も増加傾向にあります。
そのため、土地を管理する人がいないため、周辺環境や治安悪化による問題も懸念されているのです。
このような土地の管理不全や所有者不明土地の発生を予防・防止するべく、相続土地国庫帰属制度が新設されました。
相続土地国庫帰属法に基づく申請は、相続や遺贈により全部または一部の土地を取得した方に限られます。
売買や交換、自ら土地を取得した方などは対象となりません。
土地が共同名義になっている場合は、共有者全員が共同して申請する必要があります。
例えば、AとBが共同で土地を購入し、Bが死亡し、その土地の持分は相続人Cのものとなります。
Bの相続により、AとCは共同して所有権を国庫に帰属させるため、申請を行います。
あくまでもAの取得原因は土地を購入しているので売買となりますが、相続で土地を取得したCと共同して申請をするため、Aについても共同申請することができるのです。
相続土地国庫帰属法に基づく却下事由と不承認事由に該当する以下のような土地の場合は、国庫への帰属が認められません。
ほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
(参考:e-gove「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和三年法律第二十五号)」
相続土地の国庫帰属への申請先は、土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局となる予定です。
承認申請(所定の審査手数料を納付する)→書面審査・実地調査→承認→負担金の納付(負担金額の通知を受けた日から30日以内)→国庫帰属
申請の内容に誤りがあった場合や虚偽、不正があった場合は、申請が取り消されます。
また、国が損害を受けた場合には、損害を賠償しなければなりません。
相続土地国庫帰属制度は、管理・処分に困っている相続土地を国に引き取ってもらえるため、維持費や固定資産税の負担がなくなります。
しかし、10年分の土地管理費相当額の負担金が発生するため、注意が必要です。
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