退去させることは可能?ゴミ屋敷における不動産オーナーが行うべき対応

2022.10.11

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アパートやマンションなどのオーナーが困ることの1つとして「ゴミ屋敷問題」があります。
近年、少子高齢化で体力低下や​​認知症を招き、ゴミ屋敷が急増しているのです。

ゴミ屋敷を放置すると、異臭や大量の害虫、病原菌などが発生し、​​オーナーや近隣住人に多大なる影響を及ぼします。
このような状況で不動産オーナーはどのような対処をすれば良いのでしょうか。
今回は、ゴミ屋敷の現状やリスク、不動産オーナーが行うべき対応について解説します。

実態調査から見るゴミ屋敷の現状

近年、若者から高齢者までの幅広い年代に自宅がゴミや物であふれる、いわゆる「ゴミ屋敷」が増加傾向にあります。
「関西クリーンサービス」を運営するA-LIFE株式会社は、2021年に「ゴミ問題の実態」に関する調査を実施。対象は役所に勤務されている方。調査人数1,016人。

ゴミ問題を抱えやすい年代

ゴミ屋敷問題を抱えている年齢層は、70代以上が「45.7%」と最も多く、次いで60代「22.8%」、50代「16.6%」、40代「8.3%」、30代「3.9%」と続いています。

ゴミ屋敷についての相談者

ゴミ屋敷についての相談は、近隣住民「50.4%」と最も多く、次いで、大家・管理会社の方「16.1%」、居住者本人「13.7%」、居住者の家族「11.2%」、居住者の友人・知人「4.8%」という結果となっています。

相談を受けても対処できない案件

役所が対処できない案件は、かなりある39.6%」、時々ある29.6%という回答になりました。

(参考:PR TIMES「ゴミ屋敷居住者の8割は50歳以上!「超」高齢化が招く深刻な地域問題の現状とは?」

アパート・マンションでゴミ屋敷が発生する原因

コロナ禍で外食が減少

コロナ禍で外食が減り、外で買って家で食事を取ることが多く、指定のゴミ出しの日に捨てることができない方もいます。
その結果、ゴミが溜まりやすい状況になっているケースです。

また、仕事が忙しい場合は、部屋を片付ける余裕がなく、ストレスの影響からゴミ屋敷に発展するケースが少なくありません。

買い物好きで物が捨てられない

買い物が好きな方は、ゴミが増える傾向にあります。
不要な物まで購入し、物が捨てられない方は、どんどんゴミが増えていく一方です。

一人暮らしが多い

一般的に一戸建てよりアパート・マンションの方が一人暮らしする割合が高くなっています。
そのため、すべて自分で片付けをする必要があり、面倒と感じる方は、ゴミを放置し、ゴミ屋敷に発展するケースも見られます。

ゴミ屋敷による不動産オーナーのリスク

火災発生のリスク

ゴミ屋敷化した部屋は、そのまま放置するとゴミに引火したり、ネズミが電気をショートさせて火災を引き起こす可能性もあります。

空室が増える

不動産オーナーにとって空室の増加は、死活問題です。
しかし、ゴミ屋敷化した物件は、悪臭や害虫により、周囲に多大な影響を及ぼします。

そのため、近隣住人が平穏な生活ができなくなり、続々と退去する可能性もあるのです。
空室が増えると、その分、家賃収入が減ってしまいます。

損害賠償請求のリスク

ゴミ屋敷の影響により、近隣住人が悪臭や害虫の被害を受ける可能性が高いです。
物件を所有する不動産オーナーは、入居者に対し、損害賠償請求をする場合もあります。

入居者との示談交渉によっても損害賠償金請求に応じない場合は、訴訟の提起も考えられます。

ゴミの処分について

ゴミ屋敷化した部屋は、不動産オーナーがすぐにゴミを処分したいと考えるでしょう。
しかし、入居者のゴミを勝手に処分することができません。

部屋の中にあるものがゴミに見えたとしても入居者の所有物に変わりなく、私有財産の扱いになるのです。
不動産オーナーが入居者の許可なく勝手に持ち物を捨てた場合は、器物損壊罪や窃盗罪に該当するケースも否定できません。

ゴミ屋敷化した部屋の対処方法

内容証明郵便で通達文を送る

ゴミ屋敷化した部屋は、まずは、期日を決めてゴミの撤去を求めます。このときに内容証明郵便で通達文を送ることがポイントになります。
口頭で伝えると証拠が残らず、あとで​​言った・言わないでトラブルに発展するケースもあるためです。

善管注意義務違反として契約解除を申し出る

入居者の善管注意義務違反を理由に契約解除を入居者に申し出ます。
ただし、すぐに入居者を追い出すことはできません。
余裕をもった期日を設定し、話し合いを進めながら契約解除を申し出ます。

明け渡し訴訟を提起する

それでも​​退去に応じない場合、明け渡し訴訟を提起することになります。
まずは、法律の専門家である弁護士に相談するのが無難です。

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