不動産投資を行う際、ワンルームから購入を始める方も多いのではないでしょうか。
しかし、各自治体には「ワンルーム条例」または建築指導要綱による規制が強化されています。
日本において少子高齢化は深刻な問題の一つです。
人口減少が懸念されるなか、東京23区は、2022年5月1日時点で1,401万6,946人と、1,400万人を上回ったのは、2021年12月1日の調査以来、半年振りです。
(参考:東京都「東京都の人口(推計)」)
総務省が発表した2021年住民基本台帳の人口移動報告によると、転入した人から転出した人を差し引いた「転入超過」は5,433人となっています。
しかし、東京23区では、転出した人が転入を1万4,828人上回り、初めて「転出超過」となりました。
(参考:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果」)
東京都総務局の東京都区市町村別人口の予測によると、2030年には979万人、2025年に総人口が1,398万人増加する見通しとなっています。
(参考:東京都総務局「東京都区市町村別人口の予測 予測結果の概要」)
東京23区は1度転出超過になったものの、4年連続で転入超過数が上昇していた期間もあり、都内のワンルーム物件が投資の対象として注目を集めています。
しかし、東京23区では、単身向けワンルームマンションの建築が規制されているのです。
建築基準法とは別に独自の「ワンルーム条例」として定められています。
とはいえ、東京23区それぞれワンルーム条例の内容が異なります。例えば、渋谷区、千代田区、目黒区のワンルーム条例は、以下のとおりです。
総戸数が30戸を超える場合は、ワンルームの戸数-29戸×1/2で、40㎡以上、平均55㎡以上の住戸を併設する必要があります。
東京都内の条例や指導要綱で規定されている事項は、共通しているものもあります。
ワンルームの1戸につき、住戸の最低面積が規定されているのが一般的です。
多くの場合「25平米以上とすること」と定められています。しかし、渋谷区では28平米です。
渋谷区は若い世代に人気のエリアであるため、他の区よりも住戸の最低面積が広く、ワンルームを建てにくくなっています。
一定の割合でファミリー住戸を設置を計画しなければなりません。設置戸数は、区によって異なります。
一棟全てがワンルームタイプのマンションであれば、賃料単価が高くなります。
しかし、一棟の中にファミリータイプのマンションが入ると、賃料単価が下がります。
そのため、ファミリータイプの戸数が多いほど、収益性が落ちる仕組みになっています。
管理人(管理室)の設置、受付窓、管理人室内便所などが義務付けられている場合があります。
そのため、人件費などがかかるため、賃貸経営の収益に影響を受けます。
港区では、総戸数によって管理人の駐在時間が規定されています。
総戸数が30戸未満:ごみ収集日を含む週5日以上、日中4時間以上の駐在
総戸数30戸以上:ごみ収集日を含む週5日以上、日中8時間以上の駐在
条例や指導要綱では、駐車場の設置が規定されている場合もあります。
しかし、駐車場スペースの確保が難しい場合、機械式駐車場の設置を検討しなければならず、設置費や維持管理費が高額になる可能性があります。
未婚率の増加により、今後もワンルームマンションの需要が見込まれます。
とはいえ、長引く新型コロナウイルスの感染による影響を受け、在宅勤務が普及しつつあります。
その結果、広い間取りの物件を好む方が増え、1LDKや2DKが選ばれる場合もあります。