電子契約化も!2022年5月の改正宅建業法施行について解説

2022.06.20

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コロナ禍で不動産業界では、非対面業務が広がり、オンライン内見やIT重説などを​​活用した不動産DXが進んでいます。そのような中、2022年5月18日宅地建物取引業(宅建業法)の法改正により、不動産取引における電子契約化がスタートしました。電子契約により業務効率化が期待されています。そこで今回は、5月の宅建業法改正点や宅建業者に向けた国土交通省の実施マニュアルについて詳しく解説します。

宅地建物取引業法改正の背景

これまで不動産業界では、紙の書類やハンコなどを使用した業務が中心でした。しかし、

「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号)により、国民の負担や利便性の向上を図るため、行政手続と民間手続の押印を不要とする見直しが行われました。

第204回国会において成立した、整備法に盛り込れた中の「宅地建物の売買契約等に係る重要事項説明等への押印廃止」、「宅地建物の売買契約等に係る重要事項説明書の電子化」が2022年5月18日の宅地建物取引業改正により実現しました。

(参考:国土交通省「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令」等を閣議決定

これにより、不動産業界でのDX・デジタル化が急速に進むことが期待されます。

宅地建物取引業法とは

宅地建物取引業法(宅建業法)は、1952年に制定された法律です。

宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、公正な取引の確保や購入者等の利益の保護、宅地及び建物の流通の円滑化を図ることを目的としています。(宅地建物取引業法第1条)

宅地建物取引業を営もうとするものは、宅建業法により、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けることが必要となります。

また、​​宅地建物取引業の業務に従事する5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸でその取引の相手方に対し、重要事項説明を行わなければなりません。これは宅地建物取引士の独占業務です。

宅地建物取引業法改正の内容

2021年9月に「デジタル社会形成基本法」が施行されたのに伴い、2022年5月18日に宅地建物取引業法が改正されました。改正の内容は、以下の通りです。

1.宅地建物の売買契約等に係る重要事項説明等への押印廃止

重要事項説明書のいわゆる35条書面と宅地建物の売買・交換・賃貸借契約等締結後の交付書面のいわゆる37条書面について、宅地建物取引士の押印が不要となり、記名のみで可能となりました。

2.宅地建物の売買契約等に係る重要事項説明書の電子化

さらに重要事項説明書(35条書面)、宅地建物の売買・交換・賃貸借契約等締結後の交付書面(37条書面)、媒介・代理契約締結時の交付書面、指定流通機構(レインズ)登録時の交付書面の4つの書面については、相手方の承諾により、電磁的記録での交付が認められました。

今回の改正により、賃貸借契約は、完全オンライン化が実現しました。

ただし、宅地建物取引業者が宅地・建物の売買・交換について媒介・代理契約を締結したときに交付する書面については、引き続き押印の義務があるため注意しましょう。

国土交通省の実施マニュアルについて

国土交通省は宅建業者に向けた「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル」を公表しています。

宅地建物取引士が​​​​電磁的方法による提供やIT重説を実施するに当たり、遵守すべき事項・

留意すべき事項などを記載し、一般的な流れをフロー図として示しています。

さらに、重要事項説明書等の電磁的方法による提供関係やITを活用した重要事項説明関係の具体的な内容がマニュアルとして記載されています。

(参考:国土交通省「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル」

不動産取引の電子契約によるメリット

・業務の効率化

これまで宅地建物取引士が記名捺印した重要事項説明書や添付書類は、紙で入居予定者に交付されていたため、IT重説を行う際も郵送となっていました。

今回の法改正で書面の作成や郵送が不要となり、業務効率化を図ることができ、スピーディーに進めていくことが可能です。

また、電子契約になれば、不動産取引に関連する書類の保管スペースや管理コストも削減することができます。

・印紙税の節約

不動産売買契約書や土地の賃貸借契約書は、印紙税の課税対象となります。しかし、電子契約の場合、印紙税が非課税となるため、費用負担を抑えることが可能です。

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