10州超が導入検討?!アメリカで広がる家賃規制(レントコントロール)について解説

2022.06.06

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新型​​​​​​コロナウイルスの影響で厳しい経済状況が続いているアメリカですが、インフレにより家賃が上昇し続けています。

アメリカの主要都市による家賃上昇について

最近では、新型コロナウイルスの感染が減少し、オフィス勤務の回復などの経済活動が復活しつつあります。
そのため、都市部を中心に人が戻り始めたことで家賃の上昇が見られるのです。

主要都市の家賃は前年比で10%超の上昇となっており、生活を圧迫する要因となっています。
インターネット不動産仲介のレッドフィンによると、全米1月の家賃は、1891ドルと前年比15%の上昇となっています。
2021年9月以降、10%を超える上昇が続いている状況です。

(参考:日本経済新聞「家賃規制 全米で広がる 主要都市で急騰、生活圧迫10州超が導入・拡大検討」

アメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で家賃が払えなくなった人向けに立ち退き猶予措置が取られていましたが、その多くが期限切れとなっています。
米アスペン研究所が2021年7月27日に公表した分析によると、約650万世帯、1,500万人が家賃を滞納していることがわかっています。

そんな中、全米では家賃上昇率に上限を設ける規制(レントコントロール)を導入する動きが広がっています。

家賃規制(レントコントロール)とは?

家賃規制(レントコントロール・Rent control)は、各自治体が賃貸物件の​​借主保護を目的として、賃料の上昇率に上限を設け、家賃の不当な上昇で立ち退きなどを防ぐ​​仕組みです。
日本では築年数が古くなれば、賃料も低くなるのが一般的です。
しかしアメリカでは、毎年賃料が高くなるケースがあります。

契約更新時に賃料が上がることが通常で、空室率が低いところほど賃料を上げる場合が少なくありません。

例えば、アメリカでは、ニューヨークやサンフランシスコ、シリコンバレー、ロサンゼルスなどです。
賃料の上昇が続くと家賃が払えない借主が急増するため、各自治体が​​借主保護を目的として値上げに規制をかけるのです。

レントコントロールの事例

カリフォルニア州では、2020年1月1日から全域がレントコントロールの対象になっています。
ただし、2030年までの時限立法となります。

オレゴン州は全米に先駆け、州全体で実施されています。
規制を検討しているのは約10州です。
その一方でレントコントロールを禁止しているのは、テキサス州やジョージア州など、約30州あると言われています。

レントコントロールの注意点

しかし、レントコントロールの対象になれば、自由に賃料を上げることはできなくなるため、賃貸物件の買主は、従来の賃料を引き継ぐことになります。
そのため、賃料が安い物件を売却する際は、買い手が見つからないケースもあります。

家賃の値上げに規制がかかると、物件価値が下がる可能性も否定できません。
不動産オーナーは、物件の需要があるのに賃料の​​値上げができないという機会損失を招くことがあるのです。

アメリカンの不動産市場動向

全米不動産業者協会(NAR)が5月3日に発表したた2022年1~3月期の都市圏一戸建て中古住宅の販売価格(中央値)は、前年同期より15.7%上がって36万8,200ドル(約4,800万円)で、1989年以降で過去最高額となりました。

中古住宅の供給不足や住宅ローン金利の上昇傾向で購入希望者が増加したことが価格上昇の要因と見られています。

(参考:共同通信「​​米中古住宅、販売価格最高、1~3月期の都市圏」

アメリカには、住宅の価格水準を評価する「Housing Afford ability Index」という指標があります。
全米不動産業者協会(NAR)によって毎月更新されています。

アメリカ国民の収入の中央値、住宅価格の中央値、住宅ローンの金利水準から算出されるのです。
全米不動産業者協会のチーフエコノミストによると、今後、住宅ローン金利の上昇に伴い、住宅購入のハードルが上がり、需要が後退すると予想しています。

一方、新築住宅販売価格の中央値は43万6,700ドル(約5,560万円)と、前年同月から21.4%上昇しています。
3月の米新築一戸建て住宅販売は、全米4地域の全てで減少しています。

(参考:bloomberg「米新築住宅販売、4カ月ぶり低水準-高価格と金利急上昇が圧迫」

アメリカでは、住宅販売の価格が上昇する要因となる、ウッドショックと呼ばれる木材価格の高騰やウクライナ侵攻によるアルミニウム・銅など、建築資材価格の上昇も深刻化しています。

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