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4か月ぶり空室率上昇…都心オフィスの市場動向について解説

新型コロナウイルスの感染拡大などの影響から都心オフィスの空室率が上昇傾向にあります。
今回は​​、首都圏でオフィス空室が上昇している理由と2022年公示地価を踏まえて解説します。

都心オフィスの市場動向

東京都心5区のオフィス空室率・4か月ぶり上昇

オフィスビル仲介大手の三鬼商事が10日に発表した2022年2月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は、6.41%と、1月に比べ0.15ポイント高くなっていることがわかりました。
空室率の上昇は、2021年10月以来4か月ぶりに前の月を上回る結果になりました。

また、供給過剰の目安となる5%は13ヶ月連続で上回っています。
東京都心5区の内訳は、千代田区の空室率が4.96%、港区8.42%、中央区6.19%、渋谷区5.78%、新宿区5.65%となっています。

空室率上昇の背景には、大型空室の募集開始や竣工予定ビルへの移転、テレワークの普及などに伴う解約の影響が見られたため、東京ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間に約1万3千坪増加しています。
また、オフィスの1坪当たりの平均賃料は2万418円で、前年同月比5.74%の1,244円値下がりし、19か月連続の下落となりました。

(参考:三鬼商事「東京ビジネス地区/2022年02月時点」

一方、全国6大都市の空室率は、東京23区3.91%、札幌市1.24%、仙台市4.24%、名古屋市4.41%、大阪市3.76%、福岡市2.53%となっています。

​​(参考:三幸エステート「市況データ」

首都圏でオフィス空室が上昇している理由

新型コロナウイルス感染拡大

​​2020年頃から新型コロナウイルス感染拡大により、東京都心のオフィスビル空室率が上昇傾向にあります。
在宅勤務が広がり、東京都心に住む必要がなくなった人が地方に移るケースも増えているためです。

人口減少

厚生労働省の人口動態統計によると、速報ベースの21年「死亡数」は前年比6万7745人(4.9%)増の145万2289人となっています。

(参考:厚生労働省「人口動態統計」

超高齢者社会で今後も人口が減少していくことにより、首都圏に大規模なオフィスを構えるという選択肢が少なくなる可能性もあるでしょう。

業務の効率化

働き方の多様化に伴い、オフィス戦略の見直しを行っていることも空室上昇の理由の一つと考えられます。
​​また、メインオフィスとテレワークに分け、サテライトオフィスを導入する企業も年々増加していることも要因の一つです。

企業のオフィス移転による影響

アート引越センター株式会社のシンクタンクである『0123引越文化研究所』によるオフィス移転に関する意識・実態調査では、オフィス移転に“コロナ禍の影響があった”と回答した担当者は約半数となっています。

コロナ禍のオフィス移転については、担当者8割以上が「社員は満足していると思う」と回答しています。

また、会社としてのメリットの第1位は「コスト削減に繋がったから」という回答になりました。
このような結果から、コロナ禍のオフィス移転は企業や社員に多くのメリットをもたらしていることがわかります。

(参考:PR TIMES「企業の総務・人事担当者に聞いたコロナ禍の“オフィス移転”に関する意識・実態調査」

さらに「帝国データバンク」の調査によると、2021年に首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)から本社・本社機能を地方に転出した企業は351社に上り、データが残る1990年以来、最も多い結果となりました。

(参考:帝国データバンク「首都圏・本社移転動向調査(2021 年)」

2022年公示地価について

国土交通省が3月22日発表した2022年1月1日時点の公示地価によると、​​全国平均が前年比0.6%上がり、2年ぶりに上昇したことがわかりました。

用途別では、住宅地が0.5%、商業地が0.4%の上昇となっています。
商業地の最高価格は、東京・銀座の「山野楽器銀座本店」で、1㎡あたり5300万円です。

東京23区では、再開発が進む中野区の商業地を含む20区で下落から上昇に転じています。

しかし、千代田、中央、港の都心3区は、在宅勤務の普及によるオフィス空室率上昇の影響などもあり、2年連続で下落となっています。

まとめ

今回は​​、首都圏でオフィス空室が上昇している理由と2022年公示地価を踏まえて解説しました。
公示地価では、三大都市圏で上昇に転じていますが、都心のオフィスは新型コロナウイルス感染拡大の影響や在宅勤務の普及により、空室率上昇が見られます。

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