不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年のまとめ」によると、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で、2021新築マンションの1戸当たりの平均価格は、6,260万円でした。
3年連続で前年を上回り、バブル景気だった1990年の平均価格6,123万円を超え、調査開始の1973年以降で過去最高を更新となりました。
一方、東京23区の平均価格は、前年比7.5%増の8,293万円となっています。
また、1㎡あたりの単価も9年連続の上昇し93.6万円と過去最高を更新しました。
発売戸数は、前年比23.5%増の3万3,636戸で、2年ぶりの3万戸突破となっています。
エリア別では、東京23区1万3290戸、東京都下2921戸、神奈川県8609戸、埼玉県4451戸、千葉県4365戸となっています。
初月の契約率は、73.3%と7.3ポイント上昇で2015年以来となる6年ぶりに70%台を突破しました。
1億円以上で売買される「億ション」は、2760戸で前年(1818戸)比942戸51.8%の大幅な増加になりました。
(不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年のまとめ」)
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大でリモートワークが増加しています。
東京都の「テレワーク実施率調査結果」によると、2021年11月都内企業のテレワーク実施状況は、都内企業(従業員30人以上)の実施率は57.2%です。
10月の前回調査(55.4%)に比べて1.8ポイント増加となっています。
(参考:東京都「テレワーク実施率調査結果」)
最近では、オンライン会議やオンライン面接などを積極的に行っている企業も見られます。
また、不動産業界では、オンライン内見や不動産売買・賃貸の契約締結前に行うIT重説など、非対面の業務が進んでいます。
東京23区の公示地価は、2014年から上昇傾向で、住宅地で2019年に4.8%、2020年に4.6%と高水準で推移していました。
2021年の住宅地は前年比0.6%、商業地が1.9%と、小幅のマイナスとなりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響と見られています。
しかし、東京都の住宅地では、2012年から2020年までの8年間はおよそ14.5%上昇しているため、依然として地価の高騰が見られ、特に千代田区、港区、中央区を中心に土地価格が大きく上がっています。
(参考:国土交通省「令和3年地価公示」)
2013年4月以降、異次元緩和政策を行うことで金利の低下により、住宅ローンが組みやすいといったことも首都圏マンション価格高騰の要因のひとつでしょう。
地価の高騰により、多くの土地を仕入れることができず、販売戸数を増やすことができるタワーマンションを建てて、価格を抑えるというのも一つの要因です。
共働き世帯で世帯年収1,000万円を超えるとされるパワーカップルがタワーマンションを積極的に購入していると見られます。
総務省「令和2年労働力調査」によると、2020年のパワーカップルを含む共働き世帯は、1,621万世帯で総世帯の約3割を占めています。
(参考:総務省「令和2年労働力調査」)
また、富裕層が節税対策としてタワーマンションを購入しているケースもあるでしょう。
都心へのアクセスが便利で、タワーマンション周辺には複合商業施設が充実しているため、住みやすい街として人気が高まっています。
タワーマンションは、オートロックや防犯カメラの完備、エベレーター内のモニター設置など、セキュリティが強化されているケースが多いです。
また、コンシェルジュが常駐している場合もあります。
今回は、首都圏マンション市場動向やタワーマンションの増加や人気について解説しました。
首都圏のマンション価格高騰は、コロナ禍でライフスタイルが変化し、広さや快適さを求めるなど、マンションの需要が高まっていることが大きく影響しているでしょう。