コンテナをレンタル収納スペースとして貸し出す「トランクルーム投資」があります。
しかし、これらを使用した架空取引による詐欺事件が発生しています。
新たな土地活用として注目されるトランクルーム投資とは、どのような仕組みなのでしょうか。
今回は、トランクルーム投資詐欺事件の概要やトランクルーム投資のメリット・デメリットなどを解説します。
空いている土地や店舗を活用して、コンテナをレンタル収納スペースとして貸し出す投資方法です。
トランクルームは、「レンタルボックス」「貸し倉庫」とも呼ばれています。
大きく分けて、屋外コンテナと屋内コンテナがあります。
屋外コンテナは、遊休地などにコンテナを設置するタイプです。
主にスキーやキャンプ用品、防災グッズ、バイク、資材などの保管に使用されます。
コンテナのすぐ前まで車の横付けができるため、持ち運びに便利です。
初期費用は、一般的に400〜1,000万円程度が相場です。
屋内コンテナは、空き店舗などを活用し、パーテーションで区切って貸し出すタイプです。主に書類や本、季節用品などです。
カードキーや監視カメラなどが設置されている場合が多く、セキュリティ面が充実しています。
初期費用は、一般的に200~800万円程度が相場です。
トランクルーム大手「Y社」の元営業部長らに金をだまし取られたとして、東京都内の男性ら3人が約2,580万円の損害賠償を求め集団訴訟を起こしました。
訴状によると、元営業部長らは、同社のトランクルーム事業に絡み、男性らに収容用のコンテナを購入すると配当が得られると架空の投資を持ち掛け、2017年5月~2020年7月に計3,680万円を元営業部長が指定する口座に振り込ませたということです。
被害者は100人近くに上り、8億円以上がだまし取られたとされています。
(参考:東京新聞「架空の投資話で約100人から8億円超、貸しトランクルーム業「Y社」元営業部長らが詐欺か 集団提訴」)
(参考:楽待「総額8億のコンテナ型トランクルーム投資詐欺、ブロガーが投資家ら勧誘か」)
トランクルームは、マンションやアパート経営と比べ、初期費用がそれほどかからないため、低コストで運営が可能です。
荷物などを保管するシンプルなビジネスであるため、トラブルが発生しにくい傾向があります。
マンションやアパート経営では、建物の老朽化が賃料に影響を受けることが少なくありません。
トランクルームでは、居住用ではないため、賃料の影響は受けにくいです。
居住用の物件と同じように、利用する人がいなければ経営は成り立ちません。
開始直後はなかなか空室が埋まらないケースもあります。
立地やターゲット層に合った工夫や適正な賃料を設定する必要があります。
周辺にトランクルームがたくさんできると、価格競争で収益が低下する可能性があります。
屋外タイプのトランクルームでは、用途地域の市街化調整区域・第1・2種低層住居専用地域・第1種中高層住居地域で設置が不可となっています。
想定利回りは、一般的に屋外設置のコンテナ型で35%程度、屋内のトランクルーム型で40%程度です。
想定利回りとは、満室の状態となった収入から初期投資にかかった費用を割って算出したものです。
今回は、トランクルーム投資詐欺事件の概要やトランクルーム投資のメリット・デメリットなどを解説しました。
トランクルーム投資は、初期費用を抑えられ、高利回りが期待できる反面、架空取引による詐欺事件が発生しています。
運営会社を見極めながら慎重に検討しましょう。