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国内の影響は?長期化する「ウッドショック」について解説

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、アメリカで起きた木材価格が高騰する「ウッドショック」。
日本で家具製造会社や住宅建設会社に深刻な影響を及ぼしています。

そこで今回は「ウッドショック」の経緯や国内の影響、ウッドショックの対策などについて解説します。

そもそも「ウッドショック」とは?

2021年3月頃から住宅の柱や梁などの建築用木材が需要が供給を上回り、木材価格の高騰が発生しました。
1970年代のオイルショックになぞらえて「ウッドショック」と呼ばれています。

過去にも1990年代以降、アメリカで絶滅危惧種のフクロウ保護のため森林伐採の規制が進んだことから、木材の供給不足が進みました。
また、2008年のリーマン・ショック直前にも住宅の建設ラッシュとなり、木材価格の上昇でウッドショックが発生しました。

つまり、過去に2度のウッドショックが起こり、今回の新型コロナウイルス感染拡大により、3度目となりました。

ウッドショックはなぜ起きたのか?

アメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リモートワークが急増しました。
そのため、住宅ブームが起こり、建築やリフォームが盛んに行われた結果、木材需要が高まりました。

背景には、アメリカ政府がコロナ対策として低金利政策を推し進めていたことが影響しています。
また、原産国での山火事、ドライバーや輸出コンテナ不足なども要因となっていると考えられます。

さらに、2021年3月に起きた「スエズ運河大型コンテナ船座礁事故」により、日本への影響も懸念されています。

ウッドショックによる国内の影響について

日本銀行の企業物価指数(輸入価格指数)では、木材・木製品・林産物全体の輸入価格は、2021年9月に、前年末比で69%もの上昇がみられます。
加工前の丸太は、前年末比23%の上昇、合板と集成材は、前年末比でそれぞれ49%と149%(2.49倍)の大幅な上昇が明らかとなりました。

一方、製材の輸入価格は、前年末比2.37倍の水準となっています。
製材の輸入価格を見ると、米国からの輸入価格が、2021年9月には、前年末比2.75倍の達しています。ロシア(北洋)からの輸入価格は、前年末比で96%も高騰しています。

また、経済産業省の第3次産業活動指数によると、新築戸建住宅売買業は2020年4月に大きく落ち込み、8月には大幅に回復しています。
しかし、8月をピークに再度大きく低下しています。

これは、​​ウッドショックにより輸入材の価格上昇と連動して低下していると考えられます。

(参考:経済産業省「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」

日本では、林業従事者の高齢化や輸送コスト、乾燥機の台数に限りがあるなどの理由から、木材の約6割以上を輸入に頼っています。
木造住宅では、主に柱や梁で木材を使用しますが、梁には、​​強度が強い木材が必要となり、国内には適したものが少なく、その多くは輸入材に頼っている現状があります。

中でも米松(ベイマツ)やレッドウッド(RW)集成材の価格高騰が住宅市場に影響を与えています。

中小工務店の木材供給遅延の影響について

国土交通省「中小工務店における木材の供給遅延の影響について」によると、2021年7月末時点で「木材の供給遅延が生じている」と回答した工務店は、全体の95%となり、8月は85%、9月は76%と推移しています。

(参考:国土交通省「中小工務店における木材の供給遅延の影響について」

ウッドショックの対策

国産木材を活用する

国産木材のみを使用した住宅メーカーに建築を依頼すると、ウッドショックの影響を受けません。
ただし、国産木材を使用した木造住宅は割高になる傾向にあります。

木造以外の建築方法

木造以外の軽量鉄骨造にすると、耐久性が高く、品質が安定しているなどのメリットがあります。

まとめ

ウッドショックは、新型コロナウイルス感染拡大、アメリカなどの建築ラッシュ、木材の減少、コンテナ不足などの複合的な要因で、日本の建築業界にも影響を及ぼしています。
今後は、家具・インテリア業界にも徐々に影響が広がっていくとみられます

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