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恒大集団の債務問題が世界経済や金融市場に与える影響について

世界経済に大きな懸念材料となっている中国の不動産開発大手「恒大集団」の巨額債務問題。被害者の方々が会社の前に訪れ「お金を返せ!」と叫びながら、抗議する人たちも多くいました。

この恒大集団の債務問題とは、どのようなことが起きているのでしょうか?
世界経済や金融市場に与える影響を踏まえて解説します。

そもそも​​​​恒大集団とは?

1996年に許家印氏が設立した中国大手の不動産デベロッパー会社でありますが、それ以外にも電気自動車、ネットメディア、観光業、保険、プロサッカーチーム経営、ミネラルウォーターなど、多角的なビジネスを展開しています。

2009年には、香港証券取引所に上場を果たしました。
2018年コンサルティング会社ブランド・ファイナンスのレポートでは、世界で最も価値のある不動産会社にランク付けされました。

一方、世界の会社を総収益でランク付けする「FORTUNE Global 500」では、122位にランクインしています。

昨年の売上高は7232億元(約12兆3000億円)で、総資産は2兆3000億元(約39兆円)でしたが、21年6月末の有利子負債は5717億元(約9兆7000億円)にまで膨れ上がっていると報じられています。

(参考:時事ドットコム「【解説】破綻危機 中国の不動産大手・恒大集団とは?」

(参考:日経ビジネス「世界で株価下落の連鎖 中国恒大集団発の金融危機は起こるのか」

恒大集団の巨額債務問題

2021年9月8日に恒大集団傘下の恒大金融財富管理が自社で販売していた金融商品の一種である理財商品の償還を延期することを発表しました。
そして、負債総額が1兆9700億元(約33兆5000億円)に膨れ上がっていることを公表しました。

この巨額債務問題で、同社の株価は年初から約80%の大幅な下落となっています。
そのため、急速な資金繰りの悪化により、デフォルトに陥る可能性が報じらています。

社債の利払い期日が続々と迫っている

10月に入り、香港証券取引所は恒大集団の取引停止を発表しました。
恒大集団は、子会社保有の株式売却で資金調達を行っていましたが、社債の利払い期日が続々と迫り、厳しい状況が続いています。

一方、米ブルームバーグ通信は、恒大集団が債務保証する関連会社のドル建て社債が期限を過ぎても償還されていないと報じました。
年内には総額754億円相当の社債の利払いが生じますが、支払える状況にないとの見方があり、破綻するのではないかと各方面から懸念されています。

世界で株価下落の連鎖が発生

恒大集団・巨額債務問題の波及効果で中国の金融・不動産市場が一気にリーマンショックのような大混乱が起きるのではないのかという懸念から、中国の株式市場にも影響を及ぼしています。

これを受け、米国市場では、ダウ工業株30種平均が7月以来の下げ幅を記録しています。
S&P500とナスダックは、5月以来の下げ幅になりました。

また、翌日の日本株式市場は、日経平均が一時3万円台を割り混みました。
一方、9月20日の欧州株式相場でもはほぼ全面安の展開で、フランスCAC40、英FTSE100種総合株価指数はそれぞれ約2カ月ぶりの安値となっています。

恒大集団の債務問題で揺らぐ日本企業への影響

休場明け10月8日の中国本土市場では、不動産会社の社債と株式が急落しています。
中国の​​​​新築マンションは、日本製の住宅設備を導入している例も多いと考えられます。

実際にTOTOやダイキン工業などの住宅設備メーカーの株価が下落傾向にあります。
また、建設機械メーカーやロボットメーカーの株価にも影響を及ぼしています。

まとめ

恒大集団の債務問題が世界経済や金融市場に与える影響について解説しました。
恒大集団は、手持ちの株式や子会社などの資産、保有する株式の売却を進めていますが、順調とは言えない状況となっています。

この影響で欧州や米国の株価下落の連鎖が起きています。日本の企業は、限定的であるものの、住宅設備メーカーの株価に影響が見られます。
リーマン・ショックのような危機も報じられており、恒大集団の社債を保有する海外投資家は、デフォルトに陥ることを懸念しています。

一方、恒大集団は、傘下の盛京銀行の株式を99億9300万元(約1700億円)で売却すると発表しています。
今後、中国政府がどのように対応するのか世界中が注目しています。

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