不動産投資の基本、覚えておきたいイールドギャップ

2021.05.24

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook

イールドギャップは、不動産投資をするなら覚えておきたい言葉です。物件選びのポイントになる基準ですが、聞いたことがない人、聞いたことがあっても、よく理解していないかたもいるのではないでしょうか。ここでは、イールドギャップについて、解説していきます。

イールドギャップとは

イールドギャップとは、投資する物件の収益性を表す指標です。イールドギャップを見ると、投資物件を運用させたときに、利益が上げられるかどうかが判断できます。不動産投資ローンを利用して、不動産投資を行うときに使われるので、金融機関などから借り入れをするかたは確認するようにください。
イールドキャップは次の式から計算できます。

投資物件の実質利回り(%)
={(1年間の家賃収入−1年にかかる経費)÷(物件を購入する際にかかった金額)}×100
イールドギャップ(%)=投資物件の実質利回り(%)-不動産投資ローンの金利(%)
※物件を購入する際にかかった金額=物件の購入価格+物件購入時の諸経費

1年にかかる経費としては不動産管理会社への委託費や広告宣伝費、火災保険・地震保険料、修繕費、固定資産税、水道光熱費などがあげられます。

実際に例を挙げてみましょう。

物件の購入費(9,500万円)と諸経費(500万円)が合わせて、1億円
1年間の家賃収入 600万円
(月10万円の部屋を5室が満室になっている場合、月に50万円の家賃収入があると計算)
1年にかかる経費 100万円

投資物件の実質利回り=(600万円-100万円)÷1億円×100=5%

イールドギャップは不動産投資ローンの金利を2.5%とすると、
イールドギャップ=5-2.5=2.5%
となります。

本来はこちらがより正確なイールドギャップなのですが、計算の際に、経費を考慮した実質利回りではない値を使っている場合があります。不動産会社や担当者によっては、経費を考慮しない表面利回り(1年間の家賃収入÷購入価格×100)のことを言っている場合もあります。

表面利回りを元に計算すると、
投資物件の表面利回り=600万円÷9,500万円×100=6.32%
表面利回りを元にしたイールドギャップ=6.32-2.5=3.82%

このように、実質利回りと表面利回りで比べると、イールドギャップには差があり、表面利回りのほうが値は高く出てしまいます。投資物件を紹介する不動産会社の口から、イールドギャップの説明があった場合は、どちらの利回りから計算しているか、確認するようにしてください。多くの場合は、表面利回りを元に話をしていて、イールドギャップは実質利回りから算出した値より1.5~3%程度高くなっています。

イールドギャップには適正値がある

イールドギャップには適正値という不動産投資にちょうどいい値があります。
単純に考えると、イールドギャップがプラスになれば利益はありますが、マイナスですと利益はありません。ただし、実際に物件を購入するまでは手間も時間もかかりますし、少しの利益では不動産投資を続けるのは難しいです。そのため、購入しようとする投資物件はイールドギャップの適正値を元に判断することをおすすめします。
イールドギャップの適正値としては、最低でも1.5~2.0%程度、できれば3%は確保できる物件を選ぶようにしましょう。新築の物件でしたら、3~5%あれば優秀な物件です。中古の物件は物件の状態がまちまちなので、適正値は一概には言えませんが、それでも3%以上を目指すようにしましょう。

イールドギャップ以外も見るべき点がある

イールドギャップは確かに投資物件の収益性の判断基準にはなりますが、イールドギャップだけを見て、すぐに飛びつくのは避けるようにしましょう。
例えば、中古の物件で、購入後すぐに大規模なリフォームが必要な場合はある程度自分の蓄えから払わないといけないので、自己資金がないと難しいです。また、不動産投資の一番のリスクである、空室になる可能性がある物件も避けなければなりません。不動産会社に説明されるイールドギャップはあくまでも入居者がいて、継続して家賃収入があることが前提で計算をしています。ご自分で計算をするときにも空室については考えないで計算することがほとんどです。しかし、空室が出て家賃収益が減ってしまうと、イールドギャップは下がってしまい、ローンの返済も滞ってしまいます。
反対に、イールドギャップが多少適正値より低くても、駅から近い物件、近くに大学や会社がある物件は入居者が継続して現れ、空室リスクは低いと考えられます。このような物件なら、長期に運用することで物件に見合った利益は出せますし、空室リスクの不安からも解放されます。
また、経費の目安も物件によって、大きく変わります。経費の一部として計上される不動産管理会社への委託料には幅があります。また管理業務の内容も異なるので、不動産販売会社にもざっとした目安を出してもらうといいでしょう。

イールドギャップはローンの返済期間を考えていない

ここまでイールドギャップについて解説してきました。しかし、お話をしてきたイールドギャップはローンの返済期間を考慮していません。同じ融資金額でも、ローンの返済期間が短い場合と長い場合では、月々の支払額が異なります。より細かい値を出す場合は、次の計算式を使うようにしてください。

K(ローン定数)=年間ローン返済額(利息+元本)÷借入金額
イールドギャップ(%)=物件の実質利回り(%)-K(%)

いろいろ計算が面倒だなと思うかたもいるかもしれませんが、実際にこの値を自分で出すことはほとんどありません。イールドギャップは、投資物件を紹介してくる不動産会社が説明のために使ったり、資料を出してきたりする際に、どのような流れで計算をしたのか、確認する程度で十分です。ローンを組む際に、融資金額や返済年数、金利などの条件の目安にも使うことはできるので、こちらも不動産会社に聞いてみるといいでしょう。

まとめ

不動産の入口 イールドギャップ投資物件の収益性を考える指標である、イールドギャップについて解説してきました。投資物件を検討する際には様々な条件がありますが、イールドギャップも判断基準の1つになります。不動産投資ローンでは大きな金額を借り入れるので、ぜひ確認するようにしてください。

  • 無料相談