不動産と税金について

2021.03.23

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不動産投資を始めるには様々な経費が発生する事は、皆さんおおよそイメージとしてお持ちでいらっしゃるかと思いますが、実は少なくない額の税金も発生することはご存知でしょうか?

今回は不動産投資を始める上で必ずかかってくる税金について説明していきます。

「買う時」に発生する税金

不動産を買う時、つまり引渡(決済)時にも税金が発生します。
それはいわゆる登記費用です。

中古物件を取得した場合は所有権移転登記が、新築物件の場合は所有権保存登記が、そしてそれらの物件を取得した際に融資を受けていれば抵当権設定登記が必要になってきます。
実はこれらの登記をする際に掛かってくるお金は、そのほとんどが登録免許税という税金なのです。
既に不動産をお持ちの方は、取得時の登記費用の明細が有れば是非御覧ください。
登録免許税と司法書士報酬の内訳が記載されているはずです。
そして登記費用の殆どは登録免許税という税金が占めている事が解ると思います。
因みに登録免許税は国税となります。

登録免許税は以下の計算式に則り算出されます。

<所有権移転登記費用(中古物件を取得した場合)>

土地:固定資産税評価額 ✕ 1.5%
建物:固定資産税評価額 ✕ 2.0%

<所有権保存登記費用(新築物件を取得した場合)>

土地:固定資産税評価額の ✕ 1.5%
建物:固定資産税評価額の ✕ 0.4%

<抵当権設定登記費用>

借入額 ✕ 0.4%

土地の税率は一律1.5%であることがわかります。
実は本来2.0%の税率となっていますが、軽減措置が適用されて1.5%となっています。
この軽減措置は時限法なので、念の為都度確認したほうが良いかもしれません。
なお、上記計算は投資用物件を取得した場合に適用されるものであり、居住用の場合は一定の基準に基づき軽減を受けられる場合があります。
また、新築の建物の場合は固定資産税評価額がまだ設定されていませんが、その場合は法務局で認定した課税標準価格に税率を掛ける事になります。

「買った後」に発生する税金

不動産を買った後に発生する税金は、主に2種類あります。
一つは固定資産税と都市計画税
もう一つが不動産取得税です。

固定資産税と都市計画税

固定資産税も都市計画税も、不動産を所有し続ける限り毎年発生する地方税となります。 おそらく固定資産税の方は耳馴染みのある方も多いかと思います。
固定資産、つまり不動産に対して発生する税金であり、土地と建物それぞれに課税されています。

対して都市計画税、これは都市計画法による市街化区域に不動産を所有している場合に発生する税金です。
すべての土地は、都市計画法によって市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域の3つに分けられています。
市街化区域とは、その名の通り市街化していくことが推進されている地域、市街化調整区域は市街化を抑制している地域を指します。
非線引き区域はそのどちらにも振り分けられていない地域のことで、特に各都道府県の主要都市以外の地域で定められている事があります。
投資用不動産は、賃貸需要が高い市街地近郊の物件を取得する事が多いため、必然的に市街化区域内の物件を取得するケースが多いです。
よって都市計画税も殆どの場合で課税されると認識頂いた方が良いです。

固定資産税と都市計画税は、以下の計算式で求めることが出来ます。

<固定資産税>

土地・建物:それぞれの固定資産税課税標準額 ✕ 1.4%

<都市計画税>

土地・建物:それぞれの都市計画税課税標準額 ✕ 0.3%

先ず見ていただきたいのが、固定資産税評価額に税率を掛けるのではなく課税標準額に対して税率を掛けるという点です。
この課税標準額は、どちらも固定資産税評価額から求めることが出来るのですが、この計算には負担調整率という前年の税率を元に算出される値が必要となってくるため少々複雑です。
しかし、評価額から課税標準額の大体のアタリをつけることは可能です。

<固定資産税課税標準額>

土地:固定資産税評価額 ÷ 6
建物:固定資産税評価額と同じ

<都市計画税課税標準額>

土地:固定資産税評価額 ÷ 3
建物:固定資産税評価額と同じ

この様に、土地については固定資産税評価額から大きく割り引いた価額が課税標準額となります。
これは小規模住宅用地の減額の特例というものが適用されるためです。
住宅用地のうち、一戸当たりの面積が200㎡までの部分を小規模住宅用地と言います。
投資用不動産は普通、部屋毎の面積が200㎡以下であることがほとんどですから、ほぼすべての物件でこの特例が適用される事になります。

不動産取得税

読んで字のごとく、不動産を取得によって発生する税金が不動産取得税です。
固定資産税のように毎年かかる税金ではなく、取得するたびに1度だけ課税される地方税になります。
支払時期は自治体によってバラバラではありますが、不動産を取得してからおおよそ半年後に納税通知書が届くことが多いようです。

不動産取得税は以下の計算式で求めることが出来ます。

<不動産取得税>

土地:固定資産税評価額 ÷ 2 ✕ 3%
建物:固定資産税評価額 ✕ 3%

実はこれも軽減措置が適用されており、本来の税率は4%です。
また土地は評価額の半額に対して税率が掛けられていますが、これは土地の地目が宅地である場合のみの特例ですので注意が必要です。
そして何れの軽減措置も時限法ですので、念の為都度確認を取ったほうが良いかもしれません。

 

ここまで不動産を買う時、そして買った後に発生する税金について説明してまいりましたが、いずれの場合でも固定資産税評価額が計算の根拠になっていることがお解り頂けたかと思います。
固定資産税評価額がわかれば、不動産取得時、取得後のおおよそのコストを算出することが出来ますから、是非検討の際にはご活用頂ければと思います。

また今回挙げたもの以外にも、得られた家賃収入等の総額に応じて所得税や住民税が。
法人で不動産を所有している場合は、これらに変わって法人税と法人住民税が発生します。
その他イレギュラーケースではありますが、相続により取得した場合は、その規模に応じて相続税が。
生前贈与等で贈与された場合は贈与税が発生することになります。

「売った後」に発生する税金

不動産を売却した際にも税金が発生する可能性があります。
この税金のことを、一般的に譲渡所得税と言ったりしますが、これはあくまで通称的な言い方であり、その正体は所得税と住民税です。

先ず譲渡所得とは、不動産のほか株式や貴金属等を売って得た利益のことであり、譲渡所得にかかる所得税と住民税は、分離課税と言って給与所得や事業所得等とは切り離して考えられます。
譲渡所得は単純に「売れた金額」ではなく、購入価格や運営経費、売却に要した費用等、それまでに掛かった経費等を差し引いたものになります。
よってあまり高値で売却出来なかった場合等ではマイナスになることもありますが、この場合は譲渡所得が0と考えられ、当然所得税も住民税も課税されることは有りません。

ただ、譲渡所得を計算する際にどこまでを経費に組み入れる事が出来るかは複雑であり、専門的知識が無ければ正確に計算をすることは困難です。
しかし不動産の譲渡所得に関しては、一つ念頭に置いて頂きたい要素があります。
それは保有期間の長さによって税率が変動するということです。

<保有期間が5年以下=短期譲渡所得>

譲渡所得 ✕ 39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

<保有期間が5年を超える=長期譲渡所得>

譲渡所得 ✕ 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

実に2倍近い税率の差が有ることが解ります。
特に首都圏近郊で不動産を取得しようとお考えの方は、首都圏の物件は値崩れを起こし難いため譲渡所得が発生する可能性が有ります。
よって5年以内に手放してしまうと、所得税と住民税が高くなってしまうことに留意しなければなりません。
なお税制上の保有期間とは、売却した年の1月1日時点の状況を元に判断されます。
例えば2015年2月1日に取得した物件を、2020年12月1日に売却した場合、単純に期間だけを見れば5年10ヶ月ほど保有していますが、税制上は2020年1月1日時点での保有期間と見なされる為4年11ヶ月となり、短期譲渡所得となってしまいますのでご注意ください。

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