不動産投資業界の不正③

2020.11.18

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前回の記事では、不動産投資業界に蔓延している不正として、「見せかけのサブリース」「カーテンスキーム」について解説をしてきました。

利回りや入居率など、表面上だけ不動産投資家にとってお得な物件に見せかけることで、高額な物件を購入させようとする不正行為になります。

サブリース契約をして、管理会社に任せておくだけで、安定した収入が入り続けると勘違いしてしまうと、物件自体は購入できたとしても、後々、身動きが取れなくなってしまう可能性があるので注意しておきましょう。

今回は、不動産投資業界にて蔓延している不正の中から、「二重契約」「なんちゃってスキーム」について解説していきます。

不正その⑤、二重契約とは?

二重契約とは二重売買契約とも呼ばれています。その名の通り、売買契約書を二通作成するという手法になります。

契約書を2通作成する目的は?

同じ物件の売買契約書において、金額が異なる契約書を作成する事で、より多くの融資を受けるために行われます。

例えば、1億円の物件を購入する場合、売主と買主の売買契約書は1億円で作成されます。その上で、金融機関に提出するために、1億2000万円の売買契約書も作成をして提出をするのです。

金融機関は1億2000万円の物件を買うために、2000万円は頭金として準備してもらって、1億円を融資するという計画になります。

実際の売買金額は1億円なので、融資だけで物件を購入することができる、いわゆるフルローン融資を受けることができるのです。

諸費用も含めたオーバーローンに活用される事もある

先ほどの例で、1億円の物件を購入するのに1億3000万円の売買契約書を作成したらどうなるでしょうか?

金融機関から1億1000万円の融資を受けることで、物件の購入費用だけでなく、仲介手数料や登記費用などの売買諸費用も融資で賄うことができてしまいます。

完全に手出し0円で物件を購入することができるので、頭金はないけれども、不動産投資をスタートしたいという、物件を買いたくて仕方がない初心者投資家が狙われやすい手法になります。

二重売買契約は金融機関への書類を偽造する行為になる?

不動産会社からの説明がどういう内容であったとしても、金融機関にウソの契約書を提出して融資を受ける行為は、私文書偽造になってしまいます。

実際には、二重契約に関して、金融機関の担当者も把握している上で、融資をするために黙認しているというケースもあります。

ですが、融資担当者が異動になるなど、他の担当者に変更になり、二重契約が発覚して、金融機関から呼び出しをされるケースもあります。

二重契約が発覚した場合、融資金額の一括返済、金利や返済期間などの条件変更といったペナルティーが課されるケースも多いですので、良い条件で融資を受けたいという誘惑に負けてはいけません。

不正その⑥、なんちゃってスキームとは?

軽い印象を受ける名前ですが、なんちゃってスキームも不動産業者が利用する悪質な手法の1つになります。

フラット35など、住宅を購入するための住宅ローンを活用し融資を受け物件を購入しますが、実際にはその物件に住まずに、賃貸として貸して、家賃収入を得るという手法になります。

住むと言いながら融資を組むものの、実際は住まないので、なんちゃってスキームと呼ばれているのです。

なぜ住宅ローンを活用するのか?

住宅ローンには様々な優遇措置があります。金利や税金、返済期間など、自己の居住用として購入するという目的に限定された、条件の良い融資になります。

その為、どうせ物件を買うなら、より良い融資の条件で買いたいという目的のため、自己の居住用として購入するという嘘をついて融資を受け、相場通りの家賃で賃貸することによって、利回りを良くしようという手法になります。

金融機関のチェックが厳しくなってきている?

なんちゃってスキームは、住宅ローンを組むという点で、融資自体は問題なく実行されてしまうケースが多いです。

実際に購入者が住民票を移すなど、購入者が住んできるという客観的な書類を提出してしまえば、金融機関は確かめる術がなかったのですが、近年、取り締まりが強化されてきています。

融資実行後も、定期的に現地に訪れ、本人が住んでいるか、購入者以外の人物宛の書類が届いていないか、賃貸物件として貸出されていないかなど、発覚するきっかけは数多くあります。

発覚した場合、二重契約と同様に金融機関を騙して融資を受けたという事になりますので、ペナルティが課される可能性が高いので注意が必要です。

セミナーやネット上で勧誘されている場合は要注意

住宅ローンは不動産投資の融資に比べると、年収や自己資金、借入があっても融資を組める可能性が高いことから、まっとうに申請しても不動産投資の融資を組めない属性を狙って勧誘されるケースが多いです。

具体的には、

  • 借入を帳消しにして物件を購入できる
  • 年収300万円以下でも審査可能
  • 正社員でなくても融資可能

こういった、不動産投資をしたいけれども、融資が受けにくい属性を狙って勧誘をしていくのです。不正をしなくては融資を受けられないのであれば、まずはきちんとした融資を受けられるようになるため、自己資金を増やすなどの努力が必要になります。

不動産投資業界の不正のまとめ

不動産の入口 不正不動産投資の融資における不正として、「二重契約」「なんちゃってスキーム」について解説をしてきました。
融資を受ける際には、できる限り、物件の評価額や金利など、有利な条件で申し込みたいという投資家を狙って利用される不正になります。
お金を融資してくれる金融機関を騙す不正行為になりますので、融資期間中に発覚した場合、一括返済や詐欺などに問われる可能性もあります。
金融機関を騙さないと融資ができないというのであれば、まっとうな投資でない可能性が高いですので、まずはきちんとした融資が組めるように、準備をすることから始めていきましょう。

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