借地権って何?借地権の種類とメリット・デメリットについて解説

2019.09.10

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現在土地を保有している方にとって、土地の使い方の選択肢としてはまず、自分で運用する・売るというのが一般的です。運用というのはビルを建てたり、駐車場にしたりして不動産経営をすることです。しかし実はそのほかに「土地を貸す」というのがあります。この土地をそのまま貸し付けるスキームを「借地権」といいます。
物件購入から始める投資家にとっても、土地ごと所有するか、あるいは借地権で建物の所有権だけ持つか、という選択肢が発生します。
今回は借地権方式の不動産を活用した投資について説明するとともに、借地権の種類やメリット・デメリットについて紹介します。

そもそも借地権とはなにか

自身が余剰な土地を保有していた場合の選択肢として、まずビルや駐車場にして自己運用する方法がありますが、これは不動産経営の知識が必要ですし、当然空室や利用されないリスクは排除できません。
一方売却という選択もありますが、売却価格は市況に左右されますし、期待値としてですが土地を自分で運用するより得られる資金は少なくなると思っておいたほうがいいです。

いずれも選択しづらいという土地の保有者は借地権という方式を活用して、地代を受け取る代わりに第三者に土地を運用する権利を明け渡すという方法があります。不動産経営を行う投資家から見た場合、土地は購入することなく借り受ける形で不動産運用が可能です。つまり、上に立っている建物の所有権は投資家の皆様に、土地の所有権は依然もとの土地の所有者にあるということになります。
メリットのところで詳細は紹介しますが、土地を購入しないので、いうまでもなく普通に物件を保有するより安くすみます。

借地権の種類

さて、先に概要を説明した通り、土地を借りて建物だけを所有するのが「借地権」というものですが、実は借地権にはいくつか種類があります。

まず借地権にかかる法律は1992年に改正されており、それ以前と以後でスキームが異なります。1992年までの借地権は「普通借地権」とよばれます。「普通」とありますが、旧借地法に則ったものです。

普通借地権のルールですが、契約期限はあらかじめ定めますが、更新はいくらでも可能なので、半永久的に借りることが可能。 当初の期間は30年、1回目の更新が20年、その後は10年ごとと決められております。
1992年からはもう相当期間が経ちましたが、すでに契約が走り始めている物件を購入した場合は契約は現行のものを引き継ぐ形となるので、新たに契約を結ばない限り旧契約のスキームが継続します。
従っていまでも旧法に則った普通借地権の方式で契約している方が多いようです。

普通借地権ですが、土地の返還を求めることが難しく土地所有者に不利なルールになっていたので、改正されました。逆に投資家からすれば旧法の方がいいという見方もありますが、新制度でも充分長期間借りることが可能ですのであまり心配する必要はないでしょう。

1992年以降は借地借家法に則って借地権契約が可能です。これは3つと、一時的な借地を想定した1つの合計4つが存在します。それぞれの説明は以下の通りです。

  • 一般定期借地権

 契約期間は50年以上でお互いの契約で定めることができますが、契約更新はありません。事業用・住宅用双方に使用することが可能ですが、契約終了までに建物は解体して土地を変換する必要があります。

  • 建物譲渡特約付定期借地権

 契約期間は30年以上でお互いの契約で定めることができますが、これも契約更新制度はありません。事業用・住宅用双方に使用することが可能です。こちらは契約終了後に建物を土地所有者に変換します。

  • 事業用定期借地権

 契約期間10年~50年で最初の契約は法律で最長期限が決められています。ただし契約更新も可能です。
 ただしこれは事業用建物にのみ適用可能です。契約終了後の建物の取扱は解体・買取いずれも契約にて定めることができます。
 建造物の特性に応じて建物を契約終了後、解体か買取か選べるようになっているのです。

  • 一時使用目的の借地権

 そのほか工事の仮設事務所やプレハブ倉庫、資材置き場などで一時的に土地を借りる契約が可能になっています。

どれが優れているということはないので、自分の運用方針やそのような建物で運用するかによって土地所有者と調整・契約するればいいかと思います。実は実態としてはまだまだ旧借地法に則った契約が多いので、この中のどれが多いかというのは必ずしも一般化されておりません。
おそらく解体費用を鑑みれば、建物譲渡特約付定期借地権で最後に建物ごと買い取ってもらった方がいいように見えますが、当然地代(土地を借りる賃料)はそれを想定した高い価格になるので、地代の水準と解体費用を精査しながら契約方式を決めていくのがいいでしょう。

借地権利用のメリット・デメリット

続いては借地権を活用した不動産投資のメリット・デメリットについて紹介します。

まず、メリットは以下のようなものがあります。

  • 借地法(旧法)の場合は半永久的に借りられる。借地借家法でも実際はかなり長期間借りることが可能
  • 利便性や立地条件の良い場所にある物件が多く好立地での運用がしやすい
  • 一般的には土地ごと所有するよりも物件価格が安くなる
  • 固定資産税、都市計画税の負担がいらない

期間のところはネックとなるように見えますが、実際には旧法では半永久的、新法でも50年程度の契約は問題なく可能です。一般的には50年もあれば充分な運用期間があるように思えます。

また、二点目ですが、近年は首都圏を中心に土地の価格が高騰しているため、好立地の物件は投資家からすれば手が届かない値段になってしまっていますし、土地保有者からすれば買い手がつかなくて悩ましい状況になっています。
その点借地権方式を利用することで、このような好立地で地価の高い物件でも投資する余地が拡大します。この点にも関連しますが、土地を購入しなくていいぶん、物件価格が安くなるのはいうまでもありません。

最後の税金について、固定資産税・都市計画税の負担がいらないのもメリットです。ただしこちらについては一定程度地代の中で間接的に負担しているとの見方もできます。とはいえ土地を購入してフルに負担するよりは税負担は抑制されていると考えるのが自然です。

続いてはデメリットです。

  • 地代の負担がある
  • 更新時には更新料が必要な場合がある
  • 建物を売却する際には地主の承諾がいる
  • 増改築・リフォームの際、地主の承諾がいる

デメリットについては、地代の負担があるのはもちろんですが、建物について自身の所有物であるにも関わらずさまざまな点で自由度が低いこともデメリットです。

地代については借りている以上発生するのは当然です。地代の総額をシミュレーションして土地も購入する方法を模索するか、ランニングコストは高いが、初期費用を抑えられる方式を採用するか慎重に判断しましょう。

また、契約更新の際に土地保有者との交渉が必要ですし、一般的には更新料がかかります。加えて、建物の売却や、建物の増改築、大規模なリフォームにおいても地主の承諾が必要となります。
中にはそれぞれに承諾料を請求する場合もあるようですので、このあたりは契約前にしっかりと確認しておくことが肝要です。

基本的に最初に購入する際のコストは土地ごと所有した方が高く、借地権方式ではランニングコストが高くなります。常にどちらが優れているというものではないので、自身の資金状況やトータルコストを考えて、自分にマッチした投資手段を選択しましょう。

まとめ

近年の土地高騰の影響で、都心部中心に借地権方式を活用した不動産投資物件は増えてきています。もちろん、地代がかかる、建物の自由度が阻害されるといったデメリットはありますが、借地権方式の活用によりこれまででは手が届きにくかった高級物件も選択スコープに入ってくる点は借地権の大きなメリットと言えます。
不動産の入口 こうした物件は必然的に人気化しやすい、地価が下がりにくい地域にあることも多いです。当然値下がり・空室リスクも低い物件が多いですので、地代を払いたくないというだけで敬遠することはせず、ベストな投資先を冷静に考えていきましょう。

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