不動産投資は区分マンションやアパートなどがポピュラーな路線と言えます。しかし、不動産投資はマンションやアパートだけではありません。投資用の住居用不動産としては戸建て住宅も当然含まれます。
ところで、区分マンション投資と戸建て投資で、それぞれの特徴が分からないためにどっちを選ぶかで迷うことも多いかも知れません。 そこで、ここでは特に区分マンションと戸建て住宅のビジネス上での特徴や、メリットとデメリットなどを紹介したいと思います。
最初に区分マンションと戸建てのビジネス上の特徴を述べたいと思います。
物件の取得を考えた場合、地域などの条件によって変わって来ますが、一般にはマンションの方が安価になります。そのため、マンションの方が事業をスタートさせる上でもハードルが低いです。 特にワンルームマンションなどの場合には数百万円で購入できる物件もあるため、例えば副業などで不動産投資をする場合には向いています。 その一方で戸建て住宅は場所や築年数でも変わって来ますが、取得費用は高くなる場合が多いです。
物件の管理も区分マンションと戸建て住宅では違って来ます。これは管理の性格や物件の大きさなど、管理体制などの違いによるものです。 具体的に言うと、区分マンションは部屋の管理で済むのに対して、戸建て住宅は建物全体の管理が必要な点があります。また、物件の規模の大きさとしても普通は戸建て住宅の方が大きいです。
事業の規模から区分マンションと戸建て住宅を比較した場合、やはりマンションよりも戸建て住宅の方が大きいです。取得にしろ家賃にしろ、区分マンションは動く費用は比較的小さくて戸建て住宅は大きいからです。 また、それだけの費用が動くために銀行融資なども大きくなって行きます。 そして、それに伴ってキャッシュの動きを上手に管理する必要も出て来ます。
ここで区分マンションのメリットについて、代表的な物を取り上げたいと思います。
区分マンションのメリットは手ごろな価格で入手が可能な点にあります。 例えば、前述の通り、ワンルームマンションなどで安い物件であれば数百万円のレベルの物件からあります。また、ファミリータイプの少し大きな物件であっても2~3千万円で結構良い物件が入手可能となります。その点、戸建て住宅ではどうしても物件が数千万円単位になってしまい、取得費用が膨らんでしまいます。
物件管理は不動産投資でも重要な項目ですが、区分マンションの場合は比較的簡単で済みます。区分マンションの場合は管理が専有部分で済むからです。 例えば、物件の原状回復をはじめとする物件のメンテナンスは内装の部分の回復となります。修繕も費用も小さくて済むのは嬉しい点です。
区分マンションはリフォームもローコストで済むメリットがあります。リフォームについても専用部分に限定され、小規模で済むからです。 例えば、戸建て住宅の場合、リフォームは屋根や外壁も含まれます。また、物件によっては門やフェンスなどの外構のリフォームも必要です。しかし、区分マンションの場合は内装のレベルの交換で済むことが多く、コストが抑えられるのです。
それでは区分マンションのデメリットはどうでしょうか?
リノベーションは物件の魅力をアップさせる上で重要です。 しかし、区分マンションは専用部分に範囲が限定されたり、管理規約での取り決めがあります。そのため、リノベーションにも制限が出て来るのです。 具体的には、専用部分はドアの廊下側や窓サッシなどは共有部分になるので交換が難しくなります。また、例えばフロア材の交換などを禁じているマンションもあります。
区分マンションは一棟マンションやアパートと違い、空室になってしまうと収入がゼロになってしまいます。そして、次の入居者が現れない限り収入は発生しません。 しかも、マンションの修繕積立費などは発生しますので、その分収支がマイナスになってしまいます。
不動産投資全体を見渡すと、一棟マンションやアパートなどがありますが、区分マンション投資は比較的収益が小さくなってしまいます。 収益を増やしたい場合は、物件を新たに取得する必要が出て来ます。
次に戸建てのメリットについて挙げてみます。
戸建て住宅はリノベーションが自由自在に出来る点が魅力です。 マンションの場合だと、建物の構造の制限があるのでリノベーションにも制限が出て来ます。しかし、戸建て住宅の場合は間仕切り壁の移動なども、マンションよりも自由度が高いです。
戸建て住宅の場合は家族での入居がメインとなるため、ワンルームマンションなどと比べると入居期間が長くなる場合が多いです。そのため、長期間に渡って安定した収益を見込むことが可能です。 物件の空室リスクは不動産投資の上で非常に大きな問題です。しかし、安定した入居が見込める物件では、このリスクも小さくなるため利回りを安定させる上でも有利です。
賃貸不動産の全体を見渡すとペット可の物件は、まだまだ少数派と言えます。しかし、ペット可の物件は一定の需要がありますので、経営上では有利な面も大きいです。 ところで、戸建て住宅の場合はペット可物件とすることが容易です。マンションの場合は共有部分との兼ね合いや管理規約との関係もあるので、ペットを入れるのは難しいことも多いですが、戸建て住宅の場合は建物全部の所有となるので違って来ます。
戸建て住宅のデメリットにはどの様な物があるのでしょうか?
戸建て住宅はリフォームやリノベーションの自由度が高いのですが、家全体を改装する場合も出て来るので、改装のコストが高くなってしまいます。 特に、屋根や外壁のメンテナンスは意外に重要で、メンテナンスが適切で無い場合には雨漏りなども発生する場合があります。そして、その分だけコストが発生してしまいます。
木造住宅の法定耐用年数は22年となっており、早い段階で価値が低くなってしまいます。そして、価値が低くなってしまうと担保価値も落ちてしまい、融資期間が短くなるなど不利な点が出て来てしまいます。 その点、マンションであれば鉄筋コンクリート構造となるため耐用年数が長く、融資も長い期間で受けやすくなります。
区分マンションなどの場合は、仮に空室になったとしても基本的には管理会社や管理組合に任せられる部分が大きいです。しかし、戸建て住宅の場合は管理が大変になる場合があります。 戸建て住宅の場合、放置しておくと雑草などが生えてくるため、草むしりなどを適宜しなければなりません。また、ネコなどが入り込んでしまうこともあります。
区分と戸建て、どちらもメリットとデメリットがあるので、一概に「こちらをオススメ」と言うことは出来ません。どちらを選ぶかは、投資家それぞれの状況に合わせて選ぶ必要があります。また、例えば高級マンションの様に、一般の区分マンションとは性格が違う物件もあるので、ケースバイケースの検討が重要です。
利用できる銀行融資や取得出来る物件を選び出し、自分に合った最良の物件を選ぶ「眼力」が重要になります。そのためにも普段からの情報収集や勉強が大切です。しっかりと勉強をする様にしましょう。