不動産投資ではローンを組んで不動産を購入することが多いです。ただ、投資用不動産は自宅ではないので、住宅ローンではなく「不動産投資ローン」を組みます。また、ローンの中にはプロパーローンや不動産担保ローンもあり、それぞれ特徴が異なります。
そこでこの記事では、不動産担保ローンと住宅ローンの違い…そしてプロパーローンや不動産担保ローンとはどのようなローンか?という点を解説していきます。
「ローン」といって、不動産に関係するローンだけで以下の種類があるので、まずはローン種類ごとの概要を解説します。
住宅ローンとは、自宅を購入するために組むローンです。一方、投資用不動産を購入する場合は、不動産投資ローンかアパートローンを利用します。
この2つのローンの名称は、投資用不動産の購入時に組むローンなので、同じローンと思って構いません。
また、プロパーローンとは保証会社の保証のない、金融機関が独自に展開するローンです。通常のローンは、借入者が返済不能になったときのリスクヘッジとして保証会社を立てます。つまり、保証会社がないプロパーローンは、そのリスクを金融機関が負うというわけです。
また、プロパーローンは不動産購入に限定されているわけではなく、事業資金など色々な用途に利用されます。そのため、不動産購入で利用するのであれば、「不動産賃貸業」に対する融資としてのローンになるので、不動産投資ローンとアパートローンとは少々毛色が異なります。
不動産担保ローンとは、不動産を担保に入れるローンであり、一般的には残債のない不動産を担保に入れてローンを組みます。そのため、フリーローンのような意味合いで利用される場合もありますが、上記のように不動産を担保に入れるローン全般を指す場合もあります。
不動産投資ローンと住宅ローンの違いは、上述した「自宅購入か投資用不動産購入か」という点以外には以下が挙げられます。
最も大きな違いは金利になります。まず、大前提として不動産投資ローンも住宅ローンも、借入者や金融機関によって金利が異なる点は認識しておきましょう。その前提があった上で、不動産投資ローンの金利は住宅ローンの金利より高いです。
たとえば、2019年4月時点での住宅ローン金利は、一番低い金利では0.5%を切っている金融機関もあります。一方、不動産投資ローンの場合には2%台~3%が一般的でしょう。ただ、借入者によっては1%台で借入できることもあり、借入者による金利差は大きいです。
仮に、不動産をプロパーローンを組んで購入する場合には、上述した金利よりもさらに高くなります。つまり、住宅ローンの場合には1%を超える場合が多いでしょうし、不動産投資ローンの場合には3%を超える場合が多いでしょう。
たとえば、住宅ローンの場合で、A銀行が0.5%、B銀行が0.7%で住宅ローンを提供しているとします。
その場合、A銀行の審査に通ることができれば、A銀行の金利0.5%を適用した住宅ローンを組むことが可能です。
住宅ローンは金融機関ごとに決められた金利が設定されていて、金融機関はその金利で「○○万円なら融資可能」もしくは「融資不可能」という判断をするので、人によって金利が変わるケースはほぼありません。
一方、不動産投資ローンの場合には、借入者のプロフィールが良いほど低金利で借入できます。
つまり、CさんとDさんが同じZ銀行で不動産投資ローンを組んだとしても、Cさんは2.0%で組めたもののDさんは2.8%で組むということもあり得るわけです。
また、不動産投資ローンと住宅ローンは借入期間にも違いがあります。これは、どちらのローンも共通しており、プロフィールの良い人の方が借入期間を自由に選択することができます。
~借入期間を自由に選択できるとは?~
たとえば、AさんとBさんが住宅ローン、もしくは不動産投資ローンを組み、AさんとBさんが借入期間30年を希望していたとします。
仮に、Aさんの方が年収や勤務先などの関係で、金融機関の評価がBさんよりも高かった場合は、Aさんは30年で借入OKなもののBさんは25年でしか組めないという判断になるかもしれません。
一般的に金融機関が融資をするときには、プロフィールの良い人に金利は低く・借入期間を長くすることを許可します。
~借入期間による返済額の違い~
たとえば、元利均等返済・借入金額3,000万円、金利2%で借入期間による返済額を見てみましょう。
借入期間 | 総返済額 | 月々返済額 |
---|---|---|
30年 | 39,918,769円 | 110,885円 |
25 | 38,146,723円 | 127,156円 |
20年 | 36,423,456円 | 151,765円 |
15年 | 34,749,375円 | 193,052円 |
このように、借入期間を延ばした方が総返済額は上がります。しかし、月々返済額は下がるので、借入期間が長い方がキャッシュフローは安定しやすいです。そのため、借入期間を自分の希望通りにできるということは、自分の理想通りのキャッシュフローを実現しやすいということです。
住宅ローンと不動産投資ローンでは審査基準も異なります。まず、共通している審査項目を解説し、その後に相違点を解説します。
~共通している審査項目~
住宅ローンと不動産投資ローンで共通している審査項目は以下です。
要は、安定した収入が継続的にあるかどうか?という点を審査するということです。また、不動産の担保価値が審査項目になるのは、もし借入者が返済不能になったときに、ゆくゆくはその不動産を処分して返済原資に充てるからです。これは、住宅ローンも不動産投資ローンも共通しています。
一方、不動産投資ローンの場合は「不動産の収益性」も審査項目です。そもそも、住宅ローンは「自宅用」のローンなので、その不動産から収益を生み出しません。そのため、返済原資は「借入者の収入」になるので、前項の項目を重視するのです。
しかし、不動産投資ローンの主な返済原資は「その不動産からの家賃収入」です。つまり、いくら年収が高くても、その不動産が赤字運営であれば返済できなくなるリスクが高まります。そのため、不動産投資ローンの場合は「不動産の収益性」が重視されるということです。
上述した点も含め、不動産投資ローン(アパートローン)・住宅ローン・プロパーローン、それぞれのローンの違いは以下の通りになります。
項目 | 不動産投資ローン | 住宅ローン | プロパーローン |
---|---|---|---|
金利 | 高い | 低い | 最も高い |
審査 | 厳しい | 普通 | 甘い |
諸費用 | 普通 | 普通 | 安い |
連帯保証人 | 不要 | 不要 | 要 |
金利
金利に関しては、上述のように不動産投資ローンは住宅ローンよりも高く、プロパーローンはさらに高くなります。というのも、プロパーローンは保証会社を付けずに金融機関がリスクを負うので、通常よりも金利を高くするというわけです。
ただし、保証会社の審査がない分、プロパーローンは不動産投資ローンや住宅ローンよりも審査が緩いという特徴があります。
そのため、不動産投資ローンや住宅ローンの審査に通らない人が、プロパーローンを利用する…というパターンがほとんどでしょう。
金融機関でローンを組むと、以下の諸費用がかかります。
上記のうち「保証料」は保証会社に支払う必要になるので、保証会社を付けないプロパーローンは保証料がありません。ただ、保証会社を付けない代わりに、保証人を付けることを条件とする金融機関が大半になります。
このように、不動産投資ローンと住宅ローンには金利や審査項目などの違いがあり、その違いは大きいです。そのため、同じ不動産を購入するものの別のローンとして認識した方が良いでしょう。また、プロパーローンなどの特徴も理解した上でローン選定することをおすすめします。
ローンといってもいろんな種類のローンがあるんだね★
不動産は高額なので融資を受けて購入されるかたが殆どだよ♪
自分の目的に合ったローンを選んでね♪